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味覚

あまりにもラーメンに対する執着心が強いので歩さんが

「あのさ、麺の端だけでいいから、少しだけあげてくれる?でなきゃこうなった時のペイは絶対納得しないから。」

と私に対して言いました。しかし、私は

「ねぇ、一口食べてみて?食べれるレベルではないと思う。」

と答えました。


歩さんが一口食べると激しくむせ出しました。

「…おまっ!おまえ!!これは食べ物じゃない!!辛すぎる!!」

ともはや辛すぎてテンションがおかしくなったのか、爆笑しているほどでした。そして、ペイちゃんに向かって、

「ペイ、あれは人の食べ物ではありません!大人しくチャーハン食べよう!!」

とお食事椅子へ連れて行きました。


しかし、ここから全くチャーハンには見向きもしなくなり、ずっと私の方向を向いて泣き叫ぶのです。私は言いました。


「あのさ、前に辛いお菓子食べても泣かなかったって言ってたじゃない?実験という言い方はおかしいんだけど、この麺を1センチ食べても辛いと思うんだよね。食べさせてみない?」

と。すると、歩さんが

「えー。だって、本当にヤバいよ!?それ。さすがにペイでも食べれないよ…。んーでも、本当に味覚がなかったら食べられるのかもしれない。………1センチだけあげてみてくれる?」

とかなり悩んだ後に言いました。


ほとんど食べ終わっていた中から1センチに近いものをセレクトして、ペイちゃんにあげました。

それまでずっと泣き叫んでいたのに、麺を食べた瞬間に泣き止み、ごくん!としてすぐに口を開けたのです。


「えっ!?」

二人同時に驚きしかありませんでした。本当に一瞬だけ「ん?」という顔をしてはいたのです。歩さんは吐き出して泣くのではないか、とジュースを持って構えていたのですが、とにかくあーん!と口を開けて次を要求しているのです。


歩さんが

「あのさ!ごめん!スープを一口だけあげてみて!」

とティースプーンを持って来ました。

私も、麺だけだと感じなかったのかな?と同意しました。ティースプーンに本当に辛いスープをくみ、ペイちゃんにあげました。

ごくん!!!あーん!!


またもや普通の顔をして口を開けて次を要求しました。

歩さんがティースプーンを私からとり、一口飲みました。

その瞬間、

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!無理無理!!絶対辛い!!!ごほっ!ごほっ!!」

とまたもやむせました。


もうこれ以上はやめよう、と無言で同意して私はすぐさま台所へ片付けました。

食器が見えなくなると、普段通りになったペイちゃん。


歩さんが

「間違いなく味覚はおかしいし、痛覚もおかしい!なんであれだけ強打して泣かない!?おかしいよね?!小指少し腫れてるんだよ?豆腐の角にぶつけたんじゃないんだからさ!あたしだったら涙流してる!」

とテーブルの足の角触りながら言いました。


味覚がおかしい、それに対しての確信が得られた日となったのです。



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