↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

どうしてだろう、そんな風に見たことは無かったのに。

 帰宅した俺は汗でべっとりと濡れたYシャツを洗濯カゴに脱ぎ捨てて、部屋着に着替えた。

 『ガラガラ』と音を立てながら脱衣所の扉が開かれる。


 「もう、暑すぎる……」


 制服を脱ぎ、下は水色で中央に小さなリボンが付いた可愛らしいパンツ、上は脱ぎかけのYシャツで鈴葉も汗をかいたのか、Yシャツが濡れていてブラが透けている。

 全裸よりもエロティックに見えてしまう姿。

 普段なら全く気にも留めないのに、今は全然違う。

 彼女のフリ、その言葉が脳裏をよぎりなぜか鈴葉の体に目が惹きつけられてしまう。


 「あ、お兄ちゃん居たんだ」


 鈴葉は俺に近寄り、俺の方を見るとミステリアスな笑みを浮かべ抱き着きながら胸を押し付ける。

 狙っているのか分からないが俺の腹部に少し硬い感触が走る。

 

 「ブラ着けてんのに押し付けられても何も感じません」

 

 ニヤけるのを我慢しつつ、俺は鈴葉を押し返す。

 鈴葉がぷくーっと頬を膨らませると「流石お兄ちゃん、こんなの序の口だよね」と小声でブツブツと言った。

 理性が崩壊しかけ、今にも襲ってしまたい。

 そんな感情が脳を支配しかけている。


 「ちゃんと服着ろよ」


 俺は感情を必死に隠して鈴葉にそう伝えた後、脱衣所から脱出した。


 ~~~


 「ふぅ、疲れた」


 さっきの鈴葉の誘惑的なものは一体何だったのだろうか。

 何かに影響されたのかそれとも俺の理性を破壊して襲わせた後、本当の彼氏にするつもりだったのだろうか。


 そう思っていると机に置いてあったスマホが震え始めた。

 どうしたのかと思い見てみるとジナイダからLIMU電話が来ていた。

 俺はスマホを手に取り、電話に出る。


 「もしも――」

 「ちょっと恭吾さん! どういうことですか!?」


 頭に響く甲高い声、それも大音量で。

 頭に痛みが走るがそれを我慢して俺は応答する。


 「どうした、そんなに大きな声を出して」

 「どうしたもこうしたも無いですよ! 付き合ってるってどういうことですか!?」


 どうやら興奮しているらしく、かなり食い気味で聞いてくる。

 とりあえず落ち着かせよう。


 「分かった分かった、一回落ち着け。説明するから」

 「あっ……すみません……」


 ジナイダは少しは落ち着いたのか声のボリュームが少し下がった。


 「まあ簡単に説明すると本当には付き合ってない、彼氏のフリだフリ」

 「彼氏のフリ……?」

 「ああ、鈴葉ってめっちゃモテるからいっつも告白されては振ってっていうのを繰り返してるんだ。それで疲れて困ってるから彼氏のフリしろって言われて従ってるだけ」

  

 ジナイダは納得したのか「なるほど……」となぜか安心したような声を出した。

 

 「その件については分かりました。それで恭吾くん、配信の事忘れてますよね?」


 俺は言われてハッとした。

 そうだった、配信一緒にしようとか言っておきながら鈴葉が泣いていて慰めていたからすっかり配信の事を忘れていた。

 だがもう少しで宿泊研修、それにさっきの鈴葉の行動から見て何か仕掛けてくる可能性は非常に高い。

 ここは、ジナイダには申し訳ないが少し待ってもらうしかないか。


 「すまん、それは普通に忘れてた。でも、ちょっと最近ドタバタしてるから配信については少し待ってくれないか?」


 ジナイダは少し呆れたように「はぁ……分かりました。絶対やってくれるのなら良いですよ?」と言ってくれた。

 

 「いや、本当にすまん」

 「もう良いですよ。まあ用事も済んだので切りますね、宿泊研修楽しみにしてますよ」


 ジナイダはそう言うと電話を切った。

 俺は脱力し、先ほど座っていたソファに倒れ込んだ。

 何か今日はどっと疲れた、料理は作ってないし洗濯機も回していない。

 でも、もうやる気が無い。

 

 気づいたときには俺の意識は無くなっていた。


 

 何か柔らかい感触の物が腕を包み込んでいる。

 そんな感覚に陥り、俺は目を覚ました。


 「あ、起きた。お兄ちゃんおはよー」


 目を開けると間近に鈴葉の顔があり、俺は少し驚きながら「お、おはよう……」と言った。

 腕が重いと思い、腕を強引に動かしてみると目の前にいる鈴葉が「あうっ」っと可愛らしい声を出した。

 腕に目を移してみると、俺の腕はがっちりと鈴葉の胸で固定されていて動かす度に鈴葉の胸が擦れて揺れる。


 「何やってんだよ」

 「えへっ、漫画で見たから試してみようかなーって」

 「はいはい、いいから離せ」


 抜こうとする度抑える力が強くなり、完全に動かなくなってしまった。

 何なら、勝手に腕の位置を操作されてしまい俺は腕の力を抜いた。


 「やっと諦めた」

 「今度は何をするんだよ……」


 俺は呆れた声でそう言う。

 やがて操作された腕はある位置で止まり、今度は手のひらが何かに包まれた。

 指を動かして状況を確認してみると、そこはじんわりと暖かく何か亀裂のようなものがある。


 「えへっ、お兄ちゃんのえっち」


 鈴葉の顔を見てみると、不敵な笑みを浮かべて嬉しそうにしている。

 これは多分、俺が触っているのは鈴葉の陰部。

 これはいくらなんでもよろしくない、やってはいけない領域まで来ている。


 「おいやめろ! 腕を開放しろ!」

 「ちょっと、暴れないでよ! ソファ狭いんだからってぎゃあ!」


 俺が暴れた事により、鈴葉が俺の寝ていたソファから落ちた。

 人が座るように作られたソファに人が二人も寝ていたら落ちるのは当たり前。

 俺は急いで起き上がり、鈴葉を確認した。


 「おい、大丈夫か!?」

 「いてて……まあ怪我はしてないと思うけどさ、彼女にそれは酷くない?」

 

 彼女って……こいつは何を言ってるんだ。

 俺がやっているのはあくまでも『彼氏のフリ』鈴葉の事を彼女だなんて思った事は一度も無い。


 「私はお兄ちゃんが暴れて床に落ちて、痛い思いをしました」

 「……はい」

 「責任とって、今から私の部屋に来て?」


 脱衣所と同様、鈴葉はミステリアスな笑みを浮かべると俺の手を握り、ソファから立たせた。

 その手はしっかりと指を絡められており、俗に言う恋人繋ぎになっている。

 俺はこのまま溺れて行くのだろうか。

 でも俺と鈴葉はあくまでも兄妹、そんな事があってはならない。


 「ほら早く!」


 でも笑みを浮かべながら俺を引っ張る彼女がなぜか、誰にも渡したくなくて愛おしく見えてしまった。

 何でだろうか、今までもそんな目で見たことは無いのに。

 

 「今から沢山楽しい事しようね?」


 そう言われながら、俺は彼女の部屋の中に消えて行った。


 


 

 

 

こんにちは、こんばんは竜田優乃です。

10日振りの投稿……期間が空いてしまし誠に申し訳ございません。

そして待っていてくれた皆さんには本当に感謝しています。

ありがとうございます。

これから毎日投稿!と行きたいのですが、リアルの方が14日まで急がしくてですね……

Vtuberの方も並行してちょこちょこ書いているので投稿が遅れます。

でも14日以降はいつも通りのペースに戻しますので、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。