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聖女と呼ばれるまで  作者: 名無しの詩人
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01.馬車に揺られて

馬車の中で眠るアストリア。そんな彼女を横目に、二人の老夫婦は温かな眼差しを向け、物思いにふけるのだった。

老父は馬車を操りながら、寝息を立てる少女を改めて見た。

彼女の服装は、控えめに言っても酷かった。奴隷と何も変わらないのだ。ボロボロの布切れをまとっているだけのようである。肩掛けの鞄も素材はいいかもしれないが、あまりにも汚く、もはや壊れかけといった具合だ。そして、初対面では気づかなかったが彼女の容姿は悪くないと思われる。いや、身なりを整えれば素晴らしい美少女なのではないか、と思える。


(何やら事情がありそうだが、本当に彼女は何もわからないようだった・・・これは天からの導きなのかもしれないな・・・)


複雑な状況が絡んでいそうである。彼女の体は酷くやせ細り、四肢を見てみても傷跡や痣が残っている。何か凄惨な環境下に居たのではないかと思う。老父の年では、厄介事は引き受けたくはないと思うが・・・彼女を見ていると、どうにもいたたまれない気持ちだった。もはや、運命と思って腹を括るしかないと、そう思えたのだ


「ねぇ、フォード?あまり考えないで、私たちは新しい使命を賜ったのよ。これも、あの子からのお願いだと私は思ったのよ。」


フォードという老父は妻であるエレノアから、自身も脳裏を過ったことを言われたため、少しばかり目を見開いた。


「ははっ、やはり長年連れ添ったのだ。考えは同じという事だな?エレノア。」


エレノアは柔和に微笑み、アストリアの方を見る。きっと、彼女は身なりを整えれば素晴らしい女の子になるだろうと思う。同じ女性として、女の勘がそう告げる。エレノアはフォードを見ながら、エレノアは胸に手を当てて静かに口を開いた。


「あの子が生きていれば、結婚してこの子くらいの子供を育てていのでしょうね。そう思うと、もうこの子が可愛く思えるわ。」

「エレノア・・・」


フォードはエレノアを見て、自分の子が生きていれば・・・と後悔と悲しい気持ちが入り混じった顔をしているのを見て、自身もまた吹っ切れたつもりではいたが、そんなことはない。多くの思い出が蘇り、辛い気持ちでいっぱいになる。


フォードとエレノアの娘-クラリア-は二人の愛をまっすぐに受けて育ったクラリアは、二人の愛情に応えるように優しく誠実な性格に育ち、容姿も相まって周囲からも人気であったが、若くして病を患い、周囲の尽力も虚しく数年も前に他界したのだった。フォードもエレノアも何故かは分からないが、そんなクラリアがこの子を守ってほしいと言っているような気がしたのだ。


「クラリア・・・そうなんだね。大丈夫だよ、この子は私たちが守って見せよう。」


晴れ渡る空を見上げて、二人の老夫婦はクラリアに誓っただのだった。

なかなか難しいですね!表現等へたくそです・・・

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