新たな仕事
翌日、平太は佳菜と共に、彼女の父の仕事場に
向かった。佳菜は雑居ビルに入ったかと思えば、
どんどんと下に向かう階段を降り始めた。
「佳菜、この先がお父さんの仕事場?」
「そうだよ、本部は地下にあるの!」
「ほ、本部って他にも支部的なのあるのか?!」
「うん、世界中にね~」
そう言って佳菜は大きくて頑丈そうな扉の前で
立ち止まり、その扉をゆっくり開けた。
「世界中って冗談言うなよ~
って、な、なんだよここ!!」
佳菜に促されて、部屋に入った
平太の目の前には異様な光景が広がっていた。
「えーっと、掃除用具に、虫網、パソコン、包丁、
それに、ライフルって何この統一感のない部屋っ!」
「驚くとこ、そこ?
他にも物騒なものあるのにな~」
「いや、それは分かるけど、なんかすごいな笑」
平太たちはゆっくり部屋の奥に進んでいった。
「おっ、来たか! 彼が平太くんか?」
大きな棚の影から、がっちりした体格の大男が現れた。
「そうだよ、今日は下見に来たよ
平太、これがうちのお父さん」
「こんにちは、お父さん。お嬢さんの友達の後藤平太と申します。
えっと、これからお世話になります。よろしくお願いします」
平太は深々と頭を下げた。
「おう、よろしく平太君。俺は長谷川隆彦だ
まあいきなりではあるんだが、単刀直入に言えば
君には俺とここの従業員10人と共に、[何でも屋]
ってのをやってもらいたいんだが、大丈夫か? 」
「えっ、何でも屋ってことですけど、さっき
ライフルみたいなものあったんで、正直
少し不安です。もっとお話伺っていいですか?」
平太は隆彦の顔を見上げながらそう言った。
「もちろんいいとも。うちはな、どんな危険な
依頼も引き受ける秘密組織みたいな何でも屋だ。
最初は戸惑うことも多々あるだろうが、佳菜から
教わりながら、パソコンでハッキングしたり、
イノシシやクマを駆除したりして経験を積んで
くれ。人間と戦うこともあるから覚えておいてな」
隆彦は笑顔でそう言い放った。
「わ、分かりました。自分にできるかは
自信ないですけど、ベストを尽くしますね」
と平太は本当は思ってもいないことを
口にし、やるせなく笑顔で返した。
俺、この仕事やっていけるのかな……




