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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
新たな夜明け
44/46

すべては一つの世界

神との戦いにケリがつきます。

【階段の終わり 雲の上】


7人の神の背後に、ヒューマ達が見てきた戦争のビジョンが再び現れる



原初の闇:「このままお前たち『人間が司る世界』が続くのならば、世界は飽くなき戦いの()()()になる」

ヒューマ:「戦いだって?」

原初の闇:「そうだ。お前たちが7つに分かれている限り、解け合うことなく常に反発し合い、戦いの連鎖を作る。人間に必要なのはたった一つの偉大な存在なのだ」




ミラン:「どうしてよ!」

原初の闇:「人は弱い。人は移ろいやすい、人は常に不安定だ。人は誘惑に弱い、人は疑り深い、人は人を信じることができない」

ジェス:「だから、たった一つの何かが必要だっていうのか?」

原初の闇:「そうだ。人の心を(しば)る偉大な存在。その一つを()()()()()にする。それこそが世界に安定をもたらすのだ」




ヒューマ:「違う!」

サーラ:「そんなことない!」

ベルタ:「サーラ?」

サーラ:「私たちは見てきた」

ヒューマ:「お前の言う、神が支配した世界の末を俺たちは見てきた」

原初の闇:「なに?」




つないだ手を高く掲げるヒューマとサーラ

ヒューマ:「これがお前たちの世界の未来だ」

二人の手の中から光が(あふ)れて、神のビジョンを上書きしていく



生き物が何もいない一面の砂漠、汚染されて飲むことができない水、大地を覆うおびただしい数の動物の骨、骨、骨

人が去った後の、傷付いた不毛の大地

原初の闇:「愚かな、これこそ何かの間違いだ」

サーラ:「間違いじゃないわ。これがあなたたち『神が支配する世界』の終わり」

ヒューマ:「見ろ。俺たちは世界を再生した。命が溢れる世界に」

        



ビジョンに映し出される、大地を駆ける獣たち、海に溢れる海洋生物、空を駆ける鳥たち、世界に躍動する命の姿。




原初の闇:「獣がなんだというのだ、魚がなんだというのだ、鳥がなんだというのだ!全ては支配されるために生まれてきたものではないか。私は人間に地上の全ての生き物を統べる力を与える。その人間を統べるのが私なのだ!」

ヒューマ:「違う!そんなの違う!支配するとか支配されるとか、そんな世界にしちゃいけないんだ」

原初の闇:「・・・」

サーラ:「共に生きていくの。獣も鳥も魚も。それだけじゃない。花だって草だって森だって。私たちはこの世界の一部なのよ」

原初の闇:「獣と私たちは同列だというのか?」

ヒューマ:「みんな同じ命だ。大切な命だ」




原初の闇:「愚かな。命は死ぬ。そんな不安定なものが世界を覆い尽くすなど、破滅を導くだけだ。私は、私が与えるのは永遠の命だ」

ジェス:「死なねえ命なんて命じゃねえ」

セレン:「限りある命だからこそ、輝くのです」

サーラ:「あなたの言うとおり命は死ぬ。だけど命は消えないわ」

ヒューマ:「命はいつまでも受け継がれていく。途絶えることはない。父さんの命を俺たちが受け継いだように」

原初の闇:「これ以上は問答無用だな。とくと味わうが良い。死の恐怖を!」




◆どす黒い死の恐怖を放つ「七人の神と呼ばれる者」

 七人で命の輝きを放つ「司る者」たち




折り重なって倒れる7人の神と呼ばれる者たち

戦闘が終わっても緊張を解かないヒューマ達司る者

七人の神が一つに重なり合い、それは巨大な形のない闇のようになる

フレイ:「これが・・・」

ミラン:「世界の始まり、闇?」

原初の闇:「闇ではない。私は神だ。この世界でただ一つの全知全能の存在だ」




恐ろしく濃い闇が七人を覆い隠す

ジェス:「なんだこりゃ」

ミラン:「何も見えない」

サーラ:「ヒューマ、どこ?」

声:「何も見えないのは当然だ。これこそが人間が支配する世界の未来だ」



闇の中から、右手が突き出てきてサーラの左手を握る

サーラ「ヒューマ?」

二人の周りから闇が消える

ヒューマ:「今は闇かも知れない。でも、オレ達は恐れない」

サーラ:「そうね、ヒューマと一緒なら怖くない」



ジェスの右手がベルタの左手を握る

ジェス:「オレ様が何を恐れるって?」

ベルタ:「今更、怖いことなんて、あるかしら」

ジェスとベルタの周りから闇が消える

ジェスの左手がサーラの右手を握る



ミランの右手がフレイの左手を握る

ミラン:「何も怖くない、フレイがいつもそばに居てくれるから」

フレイ:「僕は、ミランを世界を守る」

ミランとフレイの周りから闇が消える

フレイの右手がセレンの左手を握る



セレン:「私たちは、一つなのです」

セレンの右手がヒューマの左手を握る



一つの輪になって手をつなぎ合う七人の司る者たち

ヒューマ:「オレ達は、オレ達司る者は、何も恐れない!」



七人の輪が深い闇を吸収していく。



原初の闇:「なぜだ、なぜ、世界の始まりであるはずの私が、私の一部に敗れるのだ・・・・」

ヒューマ達:「・・・・」

原初の闇:「こんなことが・・・私を失った世界は、いったいどうなるというのだ・・・」




ヒューマ:「失わないさ」

原初の闇:「失わない?」

ヒューマ:「そうだ、お前も俺たちと一緒に生きるんだ」

原初の闇:「生きる?」

サーラ:「そう。全ての命ある物、すべての命無きものの神になるのよ」

原初の闇:「全ての物の神?」

ジェス:「風にも木にも石にも神が宿るんだ」

ベルタ:「たった一つの神じゃなくてね」

ミラン:「見える物にも見えない物にも神様がいる世界」

フレイ:「そうだな。世界中に神が溢れるんだ」

セレン:「神と神が尊敬しあう世界にするのです」

原初の闇:「神と神が尊敬しあう・・・?」




ヒューマ:「必要なのは絶対的な支配者じゃない。本当に大切なのは、みんながみんなのことを大切に思う世界なんだ」

原初の闇:「そんな世界が出来るというのか・・・」

ヒューマ:「出来るさ」

サーラ:「きっと、いえ必ず出来る」

ヒューマ:「俺たちなら、出来るさ」






【夜 地平】


一面の闇のような夜が二つに割れ、朝陽が顔を出す

新しい太陽が地平を照らし始める





【とある村】


夜明けが始まり、村人が家々から出てくる

村は朝陽に包まれる



村人①:「夜明けだ」

村人②:「なんだろう、いつもより力強いような気がする」

村人③:「昨日と同じだろ?」

村人④:「今日も新しい一日が始まるんだ」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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