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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽の試練 大地の試練
22/46

人間よ、なぜ戻って来た?

前話にひきつづき、岩戸の向こうの世界でのお話です

◆岩戸の向こうの世界


【夜 謎の世界】


夜空に浮かぶ三日月




サーラとヒューマの寝顔

サーラの背中を守るように、腕を回しているヒューマ

しっかりと握られている2人の手



四つ足獣の足音:「ドスドスドス」

瞬時に目を覚ますヒューマとサーラ

ヒューマ:「なんだろう?」

サーラ:「ウマかしら?」



広場に現れたのは通常の3倍くらいの体躯を持つウシ(ホルスタイン系)

ヒューマ:「なんだ、あのデカイのは?」

サーラ:「本当にウシ?」

3倍ウシは群れをなして現れ、ヒューマとサーラを取り囲んでいる

サーラ:「ヒューマ・・・」

ヒューマ:「ヤバイな」

じりじりと寄ってくる3倍ウシたち

ヒューマ:「逃げろ!」





【謎の森】


森の中を逃げるヒューマとサーラ

サーラ:「どこへ逃げるのよ!」

ヒューマ:「木だ、木の上だ!」

二人してするすると木を登っていく

(こずえ)にたどり着いた時に、ウシが、二人が登った木に体当たりをしてきた

ものすごい震動に落ちそうになる2人





【謎の森 上空】

        

暗い森の上を旋回する黄金に輝く鳥





【謎の森 大木の上】


(こずえ)に身を置くヒューマとサーラ

見下ろすと恨めしそうに大木の周りをうろうろしている3倍ウシ

ヒューマ:「ウシって、こんなに凶暴だったか?」

サーラ:「大きいと凶暴になるのかも」

猛獣の声:「グルルルル・・・」

梢の反対から出てきたのは、ゾウほどの大きさがあるジャガーがよだれをしたたらせ、牙をむく



じりじりと寄ってくるジャガー

梢の上に、逃げ場所は少ない



サーラ:「(悲鳴)」

梢から足を滑らせ、宙ぶらりになるサーラ

ヒューマ:「サーラ!」

しっかりと、サーラの手をつかむヒューマ

その隙に、ジリジリと距離を詰めるジャガー

サーラ:「ヒューマ、手を離して!」

ヒューマ:「バカ言うなよ!」

サーラ:「だって、このままじゃ!」

ヒューマ:「サーラ、目を閉じろ!」

サーラ:「えっ?」

ヒューマ:「早く!」


        


固く目を閉じるサーラ

ヒューマの体が太陽の光りを発する

目をつぶされてのたうち回るジャガー

ヒューマ:「やった!」

ムチのようなジャガーの尾が、やたらめったら振り回されて、ヒューマを直撃する




ヒューマ:「ヤバイ!」

宙に放り出されるヒューマとサーラ

闇を切り裂いて黄金の鳥が突如現れて、落下するヒューマの胴を鷲掴(わしづか)みして、高く飛び上がる

ヒューマ:「(!)」

サーラ:「(?)」

ヒューマは腕に力を込めてサーラの体を引き寄せ、しっかりと抱きしめる

黄金の鳥はさらに高く、早く東の空に向かって飛び上がる

天地が割れて、太陽が顔を出す。






【謎の山 尾根】


太陽が昇り、山の稜線がシルエットになって浮かび上がる

尾根の平坦な場所に乱暴に落とされるヒューマとサーラ

抱き合ったまま転げ回って落下の衝撃を和らげる



ヒューマ:「ケガはないサーラ?」

サーラ:「うん。大丈夫」

お互い回した両腕に力を込める

大きく見開かれるヒューマの目

サーラ:「どうしたの?」

呆然としながらも立ち上がるヒューマ

ヒューマが見ているモノと同じモノを見ようと立ち上がるサーラ

サーラの顔が衝撃に変わる

サーラ:「なに・・・これ?」

        


二人の眼下に広がっているのは、草木が一本もなく、川も流れていない、生き物の気配が一つも感じられない不毛の大地。

どこまでも広がっているカラカラの砂漠。太陽が浮かぶそらは灰色に濁っている

ヒューマ:「これは、どういうことだ?」

サーラ:「大地が死んでいる?」

二人の手が自然とお互いを探して、固く握られて不安をかき消そうとする




ヒューマ:「サーラ、あれ」

ヒューマの指さす方向に小山のようにぽっかりと、砂漠の中で異質に見える森がある

黄土色の砂漠の中で黒いシミのように存在する森

サーラ:「あれだけ?」

ヒューマ:「なんだ、ここは」




壮大な羽音とともに、2人を連れてきたかぎ爪の主が地面に降り立つ

そこには朝陽のごとく全身を黄金に輝かせている小山ほどの大きさの鳥が、2人を見下ろしていた

()()()やら飾り羽根などが一切なく、全身が金色に輝いている




ヒューマとサーラ「・・・・」

黄金の鳥:「なぜ、戻ってきた人間よ」

ヒューマ:「(しゃべ)った!?」

サーラ:「????」

ヒューマ:「鳥が喋った!」

サーラ:「喋ったって、私には何も聞こえなかったけど」

金色の目でサーラを見る黄金の鳥

黄金の鳥:「なるほど、その女には私の声が聞こえないと見える。その女は『太陽』ではないな」

ヒューマ:「えっ?」

サーラ:「ねえ、どういうこと?」

ヒューマ:「どうもオレだけがこの鳥の言うことが分かるみたいだ」

サーラ:「どうしてヒューマだけなの?」

   

     


やや躊躇(ちゅうちょ)するヒューマ

ヒューマ:「オレが『太陽』で、サーラが太陽じゃないからだ」

黄金の鳥:「私の『声』は聞こえているだろう、人間よ。なぜ戻ってきたのだ?」

ヒューマ:「戻ってきた?・・・・とは?」

思念を巡らせるように首を振る黄金の鳥

黄金の鳥:「なるほど。人間の『太陽』よ。どうやらお前は、戻ってきた人間ではないらしいな」

ヒューマ:「どういうことだ?戻ってきた人間とは?」




サーラ:「ねえ、ヒューマ?何がどうなっているの?教えてよ」

黄金の鳥:「人間の『太陽』よ。まずはなさねばならない事がある」

別の羽音が近づき、サーラだけを鷲掴わしづかみにして、舞い上がり始めて

サーラ:「ヒューマ!助けて!」

ヒューマ:「サーラ!」

もはや手が届かない所までつり上げられているサーラ

ヒューマ:「くそ!サーラを離せ!」

武器を構えて、鳥に攻撃を仕掛けるヒューマ

しかし、体が硬直して動かない



サーラを捕まえた鳥は、彼女を宙に放り投げた

ヒューマ:「なっ!」

サーラ:「ヒューマ!」

ヒューマ:「サーラ!」

夜が明けたばかりの空の向こうに消えていくサーラ

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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