第7章 3話
ここで一番不思議な事なのは。
何の為に作られたのか?
こういう形の物が他に無いというのも不思議な話。
そして、どうやってここに作ったのか。
調べた所、このモアイで出来ている凝灰岩は海岸付近では取れず山から取って来たと推測されますが。
そこからわざわざ、この海岸まで持って行って作ったという事になる。
つまり、モアイは海岸線に作るのが目的でそれは他の場所では駄目だったのでしょう。
それは、これだけの数のモアイが一個たりとも山の方では発見されて無い事から推測されます。
と、こうやってモアイの事を色々と考えてはいるのですが。
どうやら、そんな事はどうでもいいような人が一人。
美喜子さん。
確かに。
今はモアイの謎よりも、一刻も早く水晶のドクロを見つけないといけない。
美喜子さんは何というか。
人や物事の本質な部分を見ている感じがあります。
だから、私と初めて会った時も外見とかお金持ちとかそういうのは全く気にしないで話しかけて来た。
私の事を全く知らないというのならともかく。
美喜子さんは、全てを聞いた上でどうでもいい事と言った。
そう。
私自身を見てくれたのは、恐らく初めての人では無いかと思う。
だからこそ、私も美喜子さんと仲良くなりたかった。
そして。
今回の事を聞いて、力を貸してあげたくなった。
それでも、初めての冒険をして怖くなってしまったのですが。
その事は何も言わず。
許してくれた。
だからこそ。
今度こそ、ちゃんと力にならなくては。
その美喜子さんは。
モアイを色々と調べている。
どうも、このモアイの中に何かあると思っているんでしょうね。
「ん?何これ?」
え?
美喜子さんが言ったのは、モアイの目の中に入っている石灰石。
いわゆる”モアイの瞳”。
これは珊瑚質の石灰石で、このイースター島の付近には全く無い物。
これもまたモアイの謎の一つになるんですが。
一体何が?
確か、あれは復元したモアイの中にもいくつかあったはず。
「ん?きゃ!!」
美喜子さんが、突然モアイから落ちる。
「大丈夫ですか!?美喜子さん!!」
「いたた。なんか突然光が放たれた気がして」
光?
そんな現象は起きてない気がしますが。
「どうやら、本当にあったみたいだな」
山本さん?
何処を見て。
え!?
そのモアイの見ている方向。
つまり海。
そこに橋が現れている。
こんなの。
さっきまで無かったのに。
そして。
その先には島が見えている。
当然、この島も無かった。
「あれは?」
「あれこそが、次の僕達の目的地だろうね」