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第3章 17話

助かった。

今回も美喜子の瞬間移動に助けられた。

「にしても、あの街は今頃海の藻屑なのよね」

確かに。

僕達が来なければ永遠にあったかもしれない。

そう思うと、気が重い。

僕達は完全に自分たちだけの都合で来ているのに。

「もしもーし。もしかして、何か思いこんでない?」

美喜子。

「あのねぇ。あれを見たでしょ?あれが幸せな形だと思う?ううん、不幸でしか無い。それを私達が終わらせたのよ。どうせ遅かれ早かれあの街は誰かに見つかっていた。それならばせめて事情を知ってる者に終わらせるのが彼らの幸せだと思わない?」

やれやれ。

そういう言葉が出るとはな。

確かに、そういう考えも出来る。

彼らは自分達の思い描いた理想とは大きくかけ離れてしまった。

何故恐竜を神としていたかは定かでは無いが。

その神になろうとしていたのに、現実は違った。

食事をする事が無ければ誰も傷つかないだろうと、あれほど遺伝子を操作したのに。

結局は本能に負けて、襲いかかって来た。

あの時。

林道さんから得た情報の中でも、あいつはいくつの命を奪っていた。

食う為では無く、純粋に獣の本能として。

だからこそ。

彼らは幸せでは無いという美喜子の意見はもっともだ。

「それにしましても、よく咄嗟にここまで出来ましたね」

林道さんが感心している。

「まぁね。何せ今回が初めてじゃないし」

それに。

話の早い相棒もいるしね。

「私。今回個人的な好奇心で付いて来ました。けれど今後も一緒に行くかはどうかは、少し考えさせてくれないでしょうか?」

「?いいんじゃない?別に無理に頼んだ訳じゃないし」

でもまぁ。

おそらく、これが普通の人の感性なんだろう。

突然船毎海の底へ連れて来られて、さらに恐竜にも出会った。

恐いと思って当然だ。

だけど僕達は違う。

やはりあの冒険がきっかけなんだろう。

小さい頃・・・。

僕達二人が巻き込まれたあの出来事。

思えば、あれのせいで美喜子は空手を習う事を決意し。

そして、僕は科学者の道を目指した。

あの時も、美喜子の勘が確か最初のきっかけだったが。

思うに、あれは必然的な冒険だったのかもしれない。

今回の冒険を乗り越える為に。

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