第3章 2話
僕は美喜子の家の中に入る。
「あれ?チャイムはいいんですか?」
「ん?あぁ、そうか。いや、僕達は勝手知ったる関係だからなぁ、チャイムなんてまず鳴らさないよ」
なんか、当たり前になってるからな。
「おーい、美喜子。お友達が来たぞ」
僕が2階に声をかけると、美喜子が降りてきた。
「お友達?」
そして、僕の後ろの林道さんに気づく。
「理恵子!!なっなんで健一と一緒に!?」
「いや。なんでも間違えて僕の家に来てね」
美喜子は頭を抱える。
「まったく。よりによって」
ん?
小声になってあんまり聞こえなくなったな。
「美喜子。そういえば、何故林道さんに水晶のドクロの事を?」
「え?あぁ。実は彼女も能力者なのよ」
なんだって!?
林道さんも、僕達と同じ?
なるほど。
それで水晶のドクロの事を。
あれにはこの能力と何かつながりがあると思う。
「そうそう。それで、何か分かったの?」
「あぁ。『Triangle』って事は分かったんだが」
この先がまだ。
「三角形って事ですわよね?それってバミューダトライアングルの事ですか?」
林道さんの言葉で僕は驚いた。
そうか!
三角形ってのは、何もピラミッドに限った訳じゃない。
そんな有名な場所を思いつかなかったなんて。
思いこみってとんでもないな。
「そうか。次の目標はそこか」
確かに三角形を限定するとなると、そこが一番適切だろう。
「やれやれ。またとんでもない事になりそうね」
それは言えてる。
「行くんですか?そんな危険な所に?」
「別に危険なのは今に始まった事じゃない」
ピラミッドの時も、ストーンヘンジの時も危ない目に合った。
もう危険なのは承知だ。
「それなら、水晶のドクロを林道さんに渡しておいて。一応彼女に預けてるから」
なるほど。
どこに保管してあるのかと思ったけど。
この家や僕の家では空ける事もあるし、万が一の事を考えたら妥当かもしれない。