第2章 4話
聞いたら、やっぱり理恵子も不思議な力を使えるらしい。
私と同じように、魔法陣の力で。
ただ、理恵子はそれでも後悔はしてないみたいだけど。
「でも、私がこのお店で働いているのには訳があるんですよ」
「訳?」
そう言えば学校では仲良くしてるけど、あんまり聞かなかった事だものね。
「妹です」
「妹?あぁ・・・葛葉ちゃんね」
まだ12歳の女の子がいたわね。
「葛葉もね。その魔法陣の力に取り込まれて」
なるほど。
「まぁ、私達も突然、力が使えるようになって戸惑ってる所だけどね。だからその水晶のドクロが何か解決への道のりになるんじゃないかと、勝手に思ってるんだけど」
「これはあくまで噂のレベルなのですが」
そう前置きをする。
理恵子の話はこうだ。
この水晶のドクロが13個集まった時。
その時に真の地球の姿が映ると言われている。
「これまで13個集まった事も無いので、単なるデマなんでしょうけど」
私からしてみたら、13個あるって話も本当かどうか。
「そうそう。妹と言えば、美喜子さんの妹さんは?」
「葉子?それが・・・今回の旅行には着いて行かなかったけど、私達が帰ったらなんかどっか行ったらしく家にはいないわよ」
私達が旅行に行ってる間、どこに行ったのかしら。
「それで、また次を求める為に旅を?」
「旅というか、冒険になるかもね。何せこのドクロを求めるのにも、とんでもない目に遭ってんだから」
次の場所がまだ何処か知らないけど。
きっと、また命がけの冒険になるんじゃないかと思ってる。
「それでは、私も着いて来た方が」
「いや!理恵子はここで待ってて!」
私はキッパリと断った。
「え?でも、友達が危険な目になるって知ってて、黙って待つなんて」
「いいから!また何か見つけたらここに来るから」
確かに理恵子が来るのは、心配だわ。
まず彼女は勉強家ではあるけど、運動神経はある方では無い。
だから、まず間違いなく危険な目にあう。
それもある。
だけど。
私は違う心配もしている。
それは。
理恵子はとても綺麗で美人な事。
うちの学校の中でもトップクラスに入るんじゃないかって勢いの。
だから・・・。
正直、健一には合わせたくない。
自分でも分かってる・・・これが嫉妬だって事ぐらいは。
「とにかく!待ってて」
次回更新は5月31日(月)予定です。