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魔法陣の向こう〜ポリアンナの物語〜  作者: サンガツワサコ


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恩返し

ルヴィルには恩がある。


常々ハリソンがそう言うので、ディプソーの人間にはルヴィルの非常時に全力で対応する下地があった。


夜中にハリソンのところにポリアンナが行方知れずになった知らせが届くと、ハリソンは直ぐに父親と連絡を取り、ディプソーが抱えている魔術師たちを集めた。


平民とはいえ、ポリアンナには魔力がある。


本人を直接知っていて、自らも魔力持ちであるハリソンであれば、ポリアンナを探しやすいはずだ。


貴族ではないルヴィルには魔術師は今はポリアンナしか居なかったはず。


王都の中には、貴族たちの魔力が散見するが、王都を出た先では、それほど多くの魔力持ちは居ないだろう。


魔術師たちを各街道ごとに走らせて魔力を探らせる。

ハリソンは魔力はあれど平民だ。魔法学校にも行っていなければ、魔術師でもないので、そこまで複雑な魔術を使えない。しかし、恩人の大切な孫娘であるポリアンナを、何としても助け出さなければならない。


魔術師のうちの1人に付いて、ハリソンもまた街道を行く馬車の御者台に乗り込んでいた。


明け方近く。


ハリソンな不思議な信号を拾う。

この魔力…


ハリソンは魔法の手紙を送って、捜索にあたっている者たちを集める。


街道から離れた少し深い森の入り口あたりに、林業を生業にしている者が建てたであろう小さな小屋があった。


入り口に、魔力持ちが2人、剣が使えそうな男がさらに2人。


「中には?魔力は?」


側の魔術師は、口の端を上げて笑う。


「微弱なのはいますが。あの綺麗なのは、攫われたお嬢さんでしょう?」


「勝てる?」


「中に魔力なしが、何人いるかわかりませんが」


「外の4人は行けます」


合流した別の魔術師も不敵に笑った。


「先に外のをやってしまいましょう」


「魔力無しから行くよ」

「了解!ハリソンさま、離れて」


ハリソンは素直に離れる。

自分が戦闘の専門家でないことは自認している。


また別の魔術師が到着して、ハリソンはルヴィルへ連絡するように指示を出す。


「外の奴らはともかく、中の奴らは捕縛で」


警備隊もハリソンのもとに集まってきた。

人数が確保できたことを確認して、ハリソンは侵入の指示を出す。


男たちが揉み合って大騒ぎしている中で、当のポリアンナはスヤスヤと眠っていた。



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