臨時収入。
「エルシー、はいこれ」
「なにこれ?」
無造作にマリーアが2枚の書類を渡してきた。
目録?
「1枚目は今年の研究資金の頭金、2枚目は6年分の研究資金の払い戻しと報奨金」
「へえ、そういう制度あるんだ」
「ええ、足りなかったら都度財務の方に上申書を出して、って感じね、まあそうそう足りなくなんてならないけど」
1枚目は年間金貨100枚の研究資金
2枚目は・・・・・・
「・・・マリーア、この6年分の払い戻しって何?」
「だから、エルシーがお城に来て6年でしょう? その当時からの年間研究資金×勤務年数。
これまではエルシーが立て替えていたお金を払い戻しという形で・・・」
「基本が金貨100枚で6年分なら金貨600枚だよね?
なんで払い戻し金が2000枚になってるの?
いえ、と言うか私が薬師見習いの登録は今月からだし、遡った資金をなんで??」
「先に言っておくと、それ受け取らないと土地か爵位になるからね」
「・・・あー、そういう?」
「そういう」
「おーう・・・」
多分王妃様だよね
「うん、そう」
「心読まないで・・・」
「理由、聞く?」
「一応聞いておく・・・」
「献上品、隣国の姫様がとても助かったってさ」
「なるほど・・・」
私が王妃様から戴いた特別なヴェール
隣国の姫様もアルビノで太陽光に悩まされていて外を歩けない
それを嘆いた姫様の兄君、つまり王子様が作らせた代物だ。
で、私も同じくアルビノで日光は毒に近い
そんな私が使える肌に優しいハンドクリームや日焼け止め
それを隣国の事情を知る王妃様が贈ったのだろう
隣国からは遮光のヴェールを贈られている事から、そのヴェールが作られた背景も知っている王妃様からのお心遣い、と言った所か。
それにより隣国との関係はとても良くなり
国益を齎した、といった感じかな?
陽の光が強い時間は引き篭るのって辛いよね
私も可能なら青空の下、思いきり走り回りたい
試して分かったけど、私の日焼け止めクリームと隣国のヴェールを一緒に使うと昼間歩いてもほぼ大丈夫な事が判明した。
でも光は地面から反射して完全には防ぎ切れないし
ヴェールをしたままなんて走れない
汗をかいたらクリームの効果も落ちる
それでも昼間に外を歩ける感動は格別だ
きっと隣国の姫様も喜んで出歩いた事だろう。
自分の為に作った物がここまで感謝されるのは驚きだけど、役に立って良かったと思う。
良し!研究資金は沢山戴いたからね、改良しよう!
洗濯婦の薄給とお城の片隅に生えているハーブとかで作ったから、コストの関係上諦めた所もある
今ならもっと良い物を作れるし、女性が使う物だから香りも拘りたい、今のはちょっと草臭いからね・・・
薔薇、ミント、あとは柑橘系辺りの3種類の香りのクリームと石鹸を作ろっと!
香水って刺激が強いから私は使えない、つまり姫様も使えない筈だ。
肌に優しい香水を考えても良いけど、それよりは今ある物に香り付けした方が楽だし早いし簡単よ。




