表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2200/2601

二千二百 SANA編 「感情の発露」

七月六日。水曜日。晴れ。




なんか世間では、線路に落とし物をして非常ボタンを押した乗客の騒動が話題になってるらしい。


しかもその時の駅員が激昂してる様子を動画に撮ってアップしたとか。


そういうことが簡単にできてしまう世の中なんだなっていうのを改めて思い知らされた。だけど僕は、駅員の態度は確かに褒められたものじゃないんだろうけど、僕自身は怒鳴ったりとかしないようには心掛けてるけど、人間である以上は『つい』ということがある事実も無視するつもりもないんだ。ましてや今回の件は、乗客側の非常に危険な行為がきっかけだったらしいし。


大切なのはその『つい』を正当化しないことであって、乗客側に問題があったのならそれはそれできちんと対処しなきゃいけないと思う。人命に関わるような状況でもない限りは非常ボタンの乱用は法律にも触れることだろうしね。


ひっきりなしに電車がくるような駅じゃ、それこそ迂闊な真似はできないだろうし。


こういう時も、『お客様は神様なんだ!』的な思い上がりが表面化するんだろうな。お客だからってなんでも自分の思い通りになると考えるのはおかしいというのをちゃんと教わってないんだろうって気がする。


だから僕は、沙奈子や玲緒奈れおなの前でそういう態度は取らないように心掛けてる。玲那が遭遇した、いつものスーパーでのシステムトラブルの際も彼女がキレて店員を怒鳴りつけるようなことをしなかったのは、親として誇らしい。


決していい加減な対応をしてたわけでもないなら、システムトラブルは現在の社会ではどうしたってついて回るリスクだろうしさ。携帯電話会社での大規模通信障害もそうだよね。これについても、利用者である波多野さんも田上たのうえさんも、Wi-Fiを通じてアプリで連絡を取り合うという形で対処して、冷静な対応を心掛けてくれてた。そういうのも、沙奈子や千早ちはやちゃんや大希ひろきくんや結人ゆうとくんや一真かずまくんや琴美ことみちゃんへの手本になってくれると思う。


『お客は決して神様じゃない』


っていうね。


『批判』はあって然るべきだと思うよ。でも、『罵詈雑言』や『罵倒』は、決して『意見』じゃない。自分の意見をきちんと相手に届けるための努力を排した単なる『感情の発露』なんじゃないのかな。


『SANA』に事前の申し込みもなく一方的に押しかけてその様子をネットにアップした人も、『自分はお客だから何でも言うことを聞いてもらえて当たり前』って考えてるからそんなことができたんだろうし、結果、他のお客の反感を買って炎上して、アカウントを削除してしまった。そんなことになってほしくないんだよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ