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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千百八十六 SANA編 「三十分ちょっとだけ」

六月二十二日。水曜日。雨のち曇り。




今日は水曜日だから、篠原優佳しのはらゆうかさんもうちに来てた。ただ、五時から塾があるそうで、三十分ちょっとだけ。


だから事実上、千早ちはやちゃんのケーキを食べていくだけに近かったり。昨日のうちに作っておいたものだ。


それでも、篠原さん自身は嬉しそうだった。こうやって誰かと一緒の時間を過ごせるというのを望んでたんだろうな。たったそれだけのことでも、『人生部としての活動』でいいと思う。何か決まったカリキュラムがあるわけじゃない。


あくまで『自分の人生をどう生きるか?。というのを考える部活』だから。だとすれば、


『たった三十分であっても満たされた時間を過ごすことで自分自身を癒す』


のも立派な活動になるんじゃないかな。


加えて篠原さんは、


「ここはすごく自分の居場所って感じがする」


とも言ってたそうだ。


誰も彼女のことを馬鹿にしない。見下さない。蔑まない。嘲らない。彼女のことをただ彼女として受け入れているだけ。


誰かを馬鹿にして見下して蔑んで嘲って、それでどんな『自分にとってプラスになる人間関係』が築けるっていうの?。そんなことをしてたら馬鹿にして見下して蔑んで嘲った相手から恨まれる疎まれるだけなんじゃないの?。


『別に恨まれてもいい相手だし』


ということかもしれないけど、だけどそれで実際に何か事件に巻き込まれたら被害者ぶるんだよね?。


もし、『イジメはイジメられる側にも問題がある』とか言ってて、それで自分が馬鹿にして見下して蔑んで嘲った相手から恨まれて事件になったら、それって、『原因を作った側にも問題がある』って話にならなきゃおかしいと思うんだけどな。


他の誰かがイジメられたりした時には『イジメられる側にも問題がある』みたいに言っておいて、自分が被害を被ったら『自分は一方的な被害者だ!』なんて言うのはおかしくないかな?。ましてや誰かを馬鹿にして見下して蔑んで嘲ってってしてたのに。それが原因じゃないの?。


だから僕たちは誰かを馬鹿にして見下して蔑んで嘲ったりしないように心掛けてるんだ。ついついそういう態度を取ってしまったとしても、そんな自分を正当化しようとしないでおこうと思ってる。沙奈子たちに手本を示すためにね。


自分が間違っていた時にはちゃんとそれを自覚できるように。もちろん、世の中には相手のミスにつけ込んでくるような人もいるから、その場ではいきなり謝罪しない方がいい場合もあるのは承知しながらも、少なくとも家族やどういう人かよく分かってる相手には素直に謝れるように、そういう姿勢を見せていかなきゃと思うんだ。



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