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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千百七十一 SANA編 「がんばえ!」

六月七日。火曜日。晴れ。




今日は、僕も仕事で打ち合わせがあって会社に行くことになった。代わりに絵里奈は自宅でリモートワークを行う。最近は玲緒奈れおなも、僕が仕事に行くとしても、


「がんばえ!」


と手を振って送り出してくれるようになった。以前みたいに拗ねなくなってきたんだ。ちゃんと僕が帰ってくることを分かってくれたのかもしれない。同時に、『いってらっしゃいのキス』をするようになったりも。頬にね。口にするのは、虫歯菌とかピロリ菌とかの感染の心配もあるから、


「ほっぺたにチューして♡」


ってお願いすることでやめてもらった。絵里奈も、玲緒奈が見てる前では、僕に対する唇へのキスはしないようにしてる。ちょっと残念だけど、玲緒奈がいろいろ分かってくるまでのほんの数年の話だ。それに、見てないところでは普通にしてるしね。


こうして、沙奈子と絵里奈と玲緒奈に見送ってもらって、新しい本社に出勤する玲那と一緒に家を出る。僕は電動アシスト自転車、玲那は『三代目黒龍号』にまたがり、


「じゃ、気を付けていってらっしゃい」


「パパちゃんも気を付けてね」


とお互いに手を振りながらそれぞれの方向に走り出す。


電動アシスト自転車については、それなりに使い込まれてきてくたびれた印象もあるけど、ブレーキとかライトとかの安全にかかわる部分以外についてはあまり頓着しないようにしてる。だってこうしてくたびれた印象がある方が、わざわざ盗もうという人にも狙われにくいだろうし。一真かずまくんの自転車が盗まれたみたいなこともあるとしても、それは鍵をかけてなかった可能性が高いみたいだし。


時折、警官が立ち寄って、防犯とかについて話していくこともある。その中で、


「電動アシスト自転車のバッテリーの盗難も発生してますので、お気を付けて。自宅にとめておく時も必ず鍵をかけるようにお願いします」


とか言われたな。なるほどバッテリーか。だけど僕のについてはもう結構、バッテリーの減りが早くなってきてる気がする。会社への往復程度ならまったく問題ないけど、それが怪しくなってきたらバッテリーを買い替えないといけないかな。


もっとも、会社でも実は従業員なら一回百円で充電させてもらえるんだけどね。ただし、会社に備えられているのは国内の有名メーカーの充電器が何種類かだけなので、ちょっと特殊なのとか外国メーカーのは、自分で充電器を持っていかないといけなかったりも。


さすがに何でもかんでもは揃えてられないから。と言うか、会社に備えられてる充電器は、実は従業員が使ってないものを持ち寄ったりしたものだそうだ。


確かに、うちでも僕のと絵里奈のと沙奈子のとは、バッテリーと充電器が共通のものだからというのもあって一台だけ使ってて、他の二台は予備として押し入れにしまわれてるな。



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