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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千百六十九 SANA編 「悪い顔」

六月五日。日曜日。晴れのち雨。




今日は僕の誕生日。だけど、これといって特別なことはしない。僕がこの世に生まれてきたことを、家族みんながいつでも祝福してくれてると感じるから、誕生日だからって何か特別なことをしなけりゃいけないっていう印象がまったくないんだ。でも同時に、沙奈子や千早ちはやちゃんや大希ひろきくんや結人ゆうとくんについては、祝ってあげたいと思う。だってまだまだ『自分が生まれてきたことを祝福してもらえてる実感』を目に見える形で示す必要がありそうな気がするし。


その上で、それぞれの誕生日については千早ちはやちゃんが把握してて、毎回、ケーキを焼いてくれる。今日も焼いてくれた。彼女にとっては『ケーキ作りの練習』でもあるから、その手間は惜しまない。さらには何かと言えばケーキを焼いてくれるんだ。


そんな千早ちゃんのケーキは甘さが控えめで、何度食べても飽きがこない。何度でも食べたくなる味なんだ。実は甘すぎるものは好きじゃないことで市販のケーキはほとんど食べない沙奈子も、千早ちゃんのケーキだけは進んで食べる。


でも同時に、『ガツンと来るくらい甘いケーキが好き』という人ももちろんいるだろうから、そういう人向けの『しっかりと甘いケーキ』も作れるんだそうだ。ただ僕たちの中にはそこまで甘いものが好きという人が不思議といないだけで。


ああでも、田上たのうえさんのお母さんは『ものすごく甘いもの』が好きらしい。と言うか、『味がはっきりしてるもの』が好きなのかな?。辛いものも食べるそうだから。これについて田上さんは、


「普段からストレスに曝されてるせいで、脳が糖分を欲してるってのがあるんじゃないかと睨んでます。味の濃いものが好きなのも結局はそういうことかも。少しでもストレスを解消しようとして体が味の濃いものを求めてるのかもしれませんね。今はまだ大丈夫かもですけど、もっと歳をとってからの血糖値とかが楽しみです」


なんだかとても『悪い顔』でそんなことを言ってたりもした。


ああでも、僕も本心では共感できないこともなかったりする。両親が早くに亡くなったことは、僕にとっては幸運だったから。あの人たちが生きていて僕たちに干渉してきてたら、きっと今の幸せはなかったから。そういう意味でも、『親ガチャ』というものの存在は感じるよ。子供が努力して掴んだ幸せを滅茶苦茶にしにくるような親が、『あたり』なの?。僕にはとてもそうは思えないんだけどな。


自分が報われないのを親の所為にする子供も確かにいるんだとしても、普通に独立して家庭を築いてる子供の日常を壊しに来るような親の話は、ありふれてるくらいに溢れてるよね?。その現実をどう考えてるんだろうね。



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