二千百四 SANA編 「男性の育休取得」
四月一日。金曜日。曇り。
今日は風が強い。これは『春一番』なのかな?。いや、前にも少し風が強い日もあったからそっちが春一番かも。
それは置いといて、男性の育休取得について、
『育児は母親の役目だから父親は育休なんて取る必要はない』
と考えてる人が多いらしいという結果が出てて、僕は暗澹たる気持ちになった。僕も、たった三ヶ月しか取らなかったから偉そうに言える立場じゃないんだろうけど、せっかく自分の子供が生まれてその成長をすぐ間近で見られるっていうのにそれを放棄するのはすごく残念なんだよ。
もちろん、それぞれの家庭で事情があったりもするだろうから直接は口出ししないとしても、『育児は母親の役目だから父親は育休なんて取る必要はない』と考えてる男性が多いらしいというのは、ね。
玲那も言ってた。
「ある漫画でさあ、家のことを何もしようとしない旦那さんに奥さんが『手伝ってほしい』的なことを言ったら、『君は僕の仕事を手伝ってくれないだろ?。なのに僕だけ手伝うなんて不公平だ』とか言って何もやろうとしない旦那さんってのが描かれてたんだけど、それっておかしいよね?。家事とか育児とかを『仕事』だって思ってるんなら『給料』を払わないとダメだし、一日八時間労働を基準にしてそれ以上には時間外手当を出さなきゃダメだし、休日だって設定しなきゃだし、有給休暇だって用意しなきゃおかしいじゃん。
パパちゃんと絵里奈を見てて思ったけど、特に育児って二十四時間かつ無休体勢で臨まなきゃいけないじゃん。それ、『仕事』って考えたらブラック労働どころの騒ぎじゃないよね?。それで、『自分の仕事を手伝ってくれないんだから僕だけ手伝うのは不公平だ』って、物事を客観的に見てない人間の詭弁じゃん。実際、自分は休みの日にダラダラしてるだけなんだよね?。しかも、『ゴハンまだ?』とか、言ってくるんだよね?。その上、夜に小腹が減ったからとか言って『なんか作って』とか言ったりするんじゃ、わけわかんないでしょ?。『仕事』なら勤務時間決めなきゃおかしいじゃん。んで、勤務時間外にしょうもない理由で仕事言いつけられるって納得できんの?。自分はダラダラしてるだけでしょ?。仕事終わったからって。
私はパパちゃんと絵里奈のことを見てるからこそそんな男の人となんて結婚なんかしたいとも思わないね。お金の問題じゃないよ。人間性の問題。関わりたくないタイプの人間だってこと。そんな男性しか周りにないんなら結婚なんかしない。まあそれで言ったら絵里奈はパパちゃん捉まえられてほんとによかったねって思うけどさ」




