表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2092/2601

二千九十二 役童編 「どうしてこんなに違うの?」

三月二十日。日曜日。晴れ。




今日、社会的にも大変な注目を浴びた事故の遺族が、その事故に絡んでネット上で誹謗中傷されたという件で、参考人が任意で警察に事情を聴かれたらしいというニュースが流れてた。


玲那の事件の時にも、デマを拡散したり、そのデマに基いて無関係な人を中傷したり、玲那が以前住んでいたマンションに落書きをしたという人らが刑事告訴されたってことがあったのに、それから何も学んでいないんだね。


ネットは、決して『異世界』なんかじゃないんだよ。現実世界の一部でしかないんだ。だから現実世界の法律が適用される。ネットを使った誹謗中傷や侮辱についても厳罰化しようという動きがあるらしいけど、そもそも僕は、沙奈子や玲緒奈れおなにそんなことをさせようとは思わないんだけどな。だからちゃんと良くないことだと教えるし、何より、そんなことで憂さ晴らしをする必要がないようにしなきゃいけないと思ってる。


むしろ、世の中の親が、自分の子供がそんなことをしてるのをなぜ放置してるのかがまったく理解できない。自分の子供が、他所様をそんな風に攻撃するようなタイプかどうかを見抜けないのが理解できない。沙奈子がそんなことをするタイプじゃないのは見てれば分かる。そうやって他所様をサンドバッグにせずにいられないほど鬱憤を溜めているなら、普段の様子に表れると思うんだけどな。分からないのなら、それは『見えない』んじゃなくて『見てない』だけじゃないの?。それか、『苛々してるのが普段の様子』なくらい、日常的に追い詰めてるってことじゃないのかな?。


だけど、他所様を使って鬱憤晴らしをさせていいわけないよね?。だって、他所様には自分の子供の鬱憤晴らしに付き合わなきゃいけない義務も義理も何一つないんだから。


まさか、いい歳をした大人がそんなことも分からないって言うの?。親なのに?。それだけ人生経験を積んできてるのに?。


確かに僕の両親はそれをまったく理解してなかったみたいだけどね。兄が鬱憤を自分たちに向けようとしてたら、むしろ他所様に向けさせようとしてたくらいだから。


そう言えば他にも、『給食を食べるのが遅いから』なんて理由で、一人の子を同級生が八人がかりで殴る蹴るってしたってことがあったらしいね。どうして『給食を食べるのが遅い』程度のことでそこまでする必要があるの?。意味が分からないんだけどな。しかもそれを『ポピュラーな遊び』とか、学校側だったか教育委員会だったかが言ってたらしいね。


おかしいな。沙奈子たちが通ってた小学校じゃ、そんなのは『ポピュラーな遊び』どころか、大問題になるのにな。だって、普段から当たりがきつくてさらに夏休みの工作を壊した時点で『イジメの疑い案件』として対応してくれるくらいだったから。どうしてこんなに違うの?。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ