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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五十五 役童編 「とんでもない騒動に」

二月十一日。金曜日。晴れ。


今日は建国記念日。




東京での新規感染者が三日連続で五百人を下回ったそうだ。


ただ、だからといって今すぐ緊急事態宣言を解除すると元の木阿弥になるかもしれないということで、慎重になってるらしい。


東京オリンピックが終わった後だったのが不幸中の幸いだったみたいなことも言ってた。もし、一年ずれてたら、オリンピックを開催できたかどうかも怪しいって。


オリンピックそのものには興味のない僕たちだけど、だからといってオリンピックを目指して頑張ってた人たちがそれに参加できなくなっても構わないなんて思わないよ。『興味がない』ことと『蔑ろにする』のとは違うはずなんだ。


玲那が言う。


「もしかしたら、こことは違う並行世界の中には一昨年から今回のパンデミックが始まっちゃって、オリンピックが中止とか延期になった世界線もあったかも知れない。それを思うとラッキーだったのかもね」


『並行世界』云々については僕にはよく分からないけど、もしそういうのがあったとしたら、きっとたくさんの人の人生が大きく変わってしまうようなこともあったかも知れないなとも感じた。絵里奈も、


「昨今の情勢から鑑みるに、オリンピックの時期に直撃してたら、オリンピックそのものを開催するかどうかでものすごく揉めるような気もしますね」


だって。


「確かに。そんな気がする。賛成反対でものすごくぶつかり合って、酷いことになりそうだ」


最近のいろんなイベントに関わるニュースとかも見てて、そこにオリンピックなんて規模のイベントがあったりしたらそれこそとんでもない騒動になりそうだって印象しかなかった。沙奈子たちは部活動をしてなかったから関係なかったけど、大会とかが中止になったりして、それでショックを受けた生徒もいたらしい。せっかくそれに向けて頑張ってきたのに、結果を出せなかったどころか挑むことさえできなかったなんで、残酷だなとは思う。


でも、それも含めての『人生』かなとも思う。だって、事故や病気で挑めなかったっていう人もいただろうし。今回はその規模がすごく大きいというだけで。


ただ、そういうのもあんまり表立って口にはしないでおこうと思う。実際、それでつらい思いをしてる人もいるんだろうから、無責任なことを言いたくないんだ。こういうのも、沙奈子や玲緒奈れおなに示していく『手本』だと感じる。


今日も、沙奈子と千早ちはやちゃんと結人ゆうとくんは、三階で星谷ひかりたにさんが用意してくれた『模試』を受けて、入試に備える。結果は、自宅で受けた大希ひろきくんも含め、全員、A判定。勉強の方は何も問題はない。あとは体調に気を付けるだけかな。今さら特別なことをしても仕方ないからこそ、ここまでやってきたとおりに過ごすんだ。最終、月曜日にも模試を行うって。


本当に『恵まれた環境』だと思う。沙奈子と千早ちゃんと大希くんと結人くん、それぞれの理解度や得手不得手も考慮して分かりやすい勉強法を考えて実践してくれた星谷さんのおかげだよ。



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