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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2039/2601

二千三十九 役童編 「頑張りや努力が上手く結実しない」

一月二十六日。水曜日。晴れ。




今日もやっぱり大希ひろきくんは山仁やまひとさんに付き添われて学校へ。


一方、『私の所為なのかな……』って言い出した沙奈子は、千早ちはやちゃんや結人ゆうとくんと一緒に学校に行けた。でも、出掛けに、僕と絵里奈と玲那に『いってらっしゃいのキス』を久しぶりにせがんできたのは、少なからず影響が残ってる証拠だとも思う。


それにちゃんと応えたいと思うんだ。『面倒臭い』『もう子供じゃないんだから!』とは言わずに。


『子供じゃないから甘えちゃいけない』


のなら、大人が甘えてるのはどう説明するの?。しかも、子供もいるようないい大人が。『それはしちゃいけない』と言われてることをやめることもできない大人を見掛けない日がないのはなぜ?。昨日も、買い物に行った時に、チャイルドシートを付けた自転車を運転していた四十代くらいの男の人がスマホを操作しながら信号を無視して突っ切っていったのを見た。しかも、自動車が来てるのに。自動車の方にブレーキを踏ませて自分は平然と、さも当たり前のように。


最近、そういうのが増えてきた気がする。明らかに同じ人じゃない、まったく別の人が同じようなことをしてるんだ。


それ自体はたまたま僕が遭遇しただけの印象なのかもしれないけど、実際にそんなことをしてる大人が、僕が買い物に行く間だけでも何人も見掛ける程度にはいることも事実だと思う。


『歩きながらスマホを見ない』


『自転車を運転しながらスマホを使わない』


たったそれだけのことができない大人が『親』をやってて、それで子供に偉そうにできると思うのが理解できないないんだ。それに、僕が以前勤めていた会社の同僚の英田あいださんのお子さんは、携帯電話のながら運転の自動車に撥ねられて亡くなった。そんなことがあったのに、ニュースにもなったのに、なぜいい歳をした大人がそれを『他山の石』として活かせないの?。そんな大人が語る『努力』に何の価値があるの?。


『やっちゃいけないことをやらないようにする努力』


さえできない大人が努力を語るなんて、何の冗談なんだろう……。


それに比べたら、大希くんは、頑張ったからこそ、努力してきたからこそ、心折れてしまってるんだろうなっていう気しかしないよ……。


イチコさんも言ってた通り、ここで大希くんが本当に挫けたって、僕は彼を責めるつもりはない。彼が頑張ってきたことを知ってるから。


もちろん。沙奈子についてもね。


頑張りや努力が上手く結実しないなんて、当たり前にあることじゃないか。目標や目的を見付けられなかった大希くんだって、別に悪くないはずなんだ。



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