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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2035/2601

二千三十五 役童編 「アニメに出てたデザインそのまんま」

一月二十二日。土曜日。晴れ。




今日も大希ひろきくんは、うちに来てない。学校には、山仁やまひとさんに付き添われながらでもちゃんと行ってるけど、学校でも、あんまり沙奈子や千早ちはやちゃんとは顔を合わさないようにしてるみたいで……。


それは決して、沙奈子や千早ちゃんを妬んだりしてるとかしてるんじゃないと思う。いや、『妬ましい』という気持ちがまったくないってわけでもないのかな。でも同時に、それが沙奈子や千早ちゃんに対して負の感情として向けられないだけで。彼はとにかく、


『自分はこんなに恵まれてるのに頑張れてない。そんな自分が許せない』


っていう、内罰的自罰的な方向に思考が向いてしまってる気がする。


そこに、『七人殺しの役童』の件がどう影響してるのか……。


だけどそのことについてイチコさんは、


「たぶん、そこまで気にしてないって印象はあるかな。私と同じで実感ないんだと思う。『顔も見たこともない話もしたこともないお祖父ちゃん』のことなんてさ。もちろん、私だってまったく気にならないって言ったらそれは嘘になるけど、だけどそんなに深刻にもなれないんだよね。ホント、歴史上の事件の話を聞いてるみたいって言ったらいいのかな?。だってそうじゃん。歴史上の大きな事件に関わった人の子孫が、先祖のやったことをそこまで気にする?。私やヒロ坊はまだすぐ近い先祖だし遺族もまだいるだろうから、平気ってわけじゃないだけでさ」


とも言ってた。なるほどと僕も思う。とにかく大希くんには。いろいろなことを自分の中で整理する時間が必要なのかもしれない。


一方、そんな大希くんのことを知らされてない星谷ひかりたにさんは、今、新しい義手や義足を売り出すプロジェクトに忙しいそうだ。『新しい義手や義足』と言っても、単にすごい技術を盛り込んだそれってことじゃなくて、まるで漫画やアニメに出てくるような『かっこいい義手や義足』という形で作ってるんだって。


それ自体は、他にもそういう方向性で作ってるところはすでにあったらしい。今の技術で作られる義手や義足はどうしても違和感があるから、それを逆手に取っていっそ、


『漫画やアニメに出てくるかっこいいデザイン』


にしてしまう方向で割り切ったそうだ。するとすごく評判が良くて、そこに星谷さんは実際に漫画やアニメのデザインを公式に取り入れて、『グッズ』的な展開を行ってて、それでもう、予約が殺到して、『納品まで二年待ち』なんていうところまで。


これについては玲那が、


「いや、マジでかっこいいんだよ!。アニメに出てたデザインそのまんまでさ!」


って興奮しながら話してくれたりも。



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