表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1079/2601

千七十九 美嘉編 「会いに行ってあげて」

『その失敗を活かしたいと思うんだ』


僕のその言葉に、絵里奈が応える。


「私も、いたるさんと同じです。私の両親も、私のことを見てませんでした。世間体ばかり気にして、自分たちだけじゃなく、私のことも人形のように外側だけ整えようとしてたのが、今なら分かります。私の心なんて、あの人たちにはどうでもよかった……。


結局、あの人たちにとって大事だったのは、世間から見た自分たちの評価なんです。自分というものがなかった。他人から見えてる自分だけが全てだった。それ以外は価値がなかったんでしょうね、あの人たちには。


心というものが理解できないんです……」


そこに、玲那も続く。


「世の中は、親のことは無条件に感謝するべきだというのが常識みたいだよね。でも、とても感謝なんてできないような親だって現実にいるんだよ。なのに、子供に対していい加減な接し方をしてても『親』っていうだけで、それが『免罪符』みたいになる。


ホント、ふざけてるよね。子供を勝手にこの世界に送り出したのは自分じゃん。それなのにどんないい加減なことしてたって『感謝しろ』って?。それが常識だって?。


常識だから四の五の言わずにその通りにしろって言うんだったら、他人に暴言吐いてるような人たちはなんなの?。そういうのって良くないっていうのは常識のはずだよね?。本来は。なのに、自分は常識は守らないくせに、『親に感謝するのが常識だ』って?。よく言うよ」


玲那の話は、それこそ『被害者として』のものだった。子供を『物』扱いして自分たちのいいように使おうとした、『親という名の加害者』に虐げられてきた。


それが僕たちの心にずしんと響く。


だからこそ、僕は応えた。


「そうだよ。本当にそう思う。でも、僕は自分の親にそんな風にされたからってそれを言い訳にして自分の子供に、沙奈子に同じようにはしない。親のやり方が間違ってたんだから、同じことはしない。それを肝に銘じてるんだ……!」


そうやって僕と鷲崎わしざきさんと星谷ひかりたにさんと絵里奈と玲那で色々話し合ってるうちに時間は過ぎて、


「ただいま」


って沙奈子が帰ってきた。千早ちゃんや大希くんも一緒だ。結人くんはいないけど、きっとすぐ後で帰ってくると思う。


「おかえり」


「おかえりなさい」


沙奈子と入れ替わる形で、星谷さんが部屋を出る。千早ちゃんや大希くんと一緒に帰るために。続けて鷲崎さんも。


今日は、これからすぐに絵里奈と玲那に会いに行くことになるから。


『今日のお昼は結人と二人で食べます。先輩は早く絵里奈さんと玲那さんに会いに行ってあげてください』


って鷲崎さんが言ってくれたんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ