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第28話~ユビヲカンダ
女子1.「え、え、いや、そんな、そんなことないです~」
女子1.はマイクから口は話していたもののそのリアクションに客席から笑みがこぼれた。タロット占い師をのぞいて。いや、もうひとり笑っていない人物がいた。レジ係の店員は、タロット占い師と女子1.の会話は、途切れ途切れにしか聞こえていなかったが、女子1.のそのリアクションに全体的に何を喋っているかわかっていた。
咄嗟にレジ係の店員は、女子2.に手で×のサインの合図を送った。女子2.は何のサインかを察して、女子1.のひじをつついた。女子2.はわれにかえり、タロット占い師にすいませんと音を発せず口でつたえて、マイクをもった。
女子1.「さてさて皆さまおききくださいましてありがとうございます、拍手までいただけて光栄です。」
タロット占い師は、やれやれといった表情で椅子に深々と腰をかけ、指をかんだ。
一方、レジ係の店員もタロット占い師の追求をかわしたことには安心したが、女子1.の店長への気持ちを察し複雑な心境になり指をかんだ。
~つづく~




