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第25話~響
二人が唄いはじめるやいなや、客席にいるお客様は一斉に注目し、そして思いの外、まるで心に響くような唄声だったので、さっきまでは、少し異質にも思えたお店の中が、やわらかい雰囲気になってきていた。
女子1.と女子2は、そのような客席をみる余裕はなく、ただただ、目の前に置いた歌詞がかいてある譜面と向き合って唄っていた。
そんな初々しい二人の姿を、店長は先ほど転んでしまった店員を膝まくらしながら介抱ししながら、店長しか入れない店長室の防犯カメラのモニターから微笑みをうかべながらみていた。
店長「意外といいな~」と店長がひとりごとをいったとき、店長の膝まくらで気をうしなっていた店員が目を覚ましたが、居心地のよさにまた目を閉じた。
♪でも、まだ~ 一皮剥くのに 躊躇している~
二人が【ササクレ】の曲のエンディングを唄いあげると、客席から割れんばかりの拍手がなりひびいた。
~つづく~




