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アークライセンス  作者: 植伊 蒼
第8部-地上のオーロラ-
259/259

登場機体解説

 今回は8部で登場した機体プラスαを解説しようと思います。



No.9 -I- アーク・インターン (Ark-Intern)

コード:I

全長:7.1m

重量:3.9t

能力:『捕縛』…自身が放出したエネルギーを、設定した対象に対して強制的に誘導させる能力


・概要↓

 日本の鞍馬脳科学研究所が所有するアーク。パイロットは同組織に所属する中学生の少女、如月愛(キサラギ アイ)。

 大きなエネルギー出力から、小型機としては高い火力とバリア性能を持つ機体である。反面小型機ながら推進系の出力が低く、機動力に難がある。装備はほとんどがエネルギー兵器であり、どれも高火力。

 しかしバリア性能の高さや後述のフォトンバリアの存在から、防御能力はかなり高く、被弾耐性の高さは小型機とは思えないほど。火力の高さも相まって、小さな要塞とでもいうべき射撃戦の強さを誇る。

 しかし小型機故の内蔵エネルギーの小ささと装備の高すぎる出力から、攻撃頻度によってはエネルギー切れを起こしてしまいやすく、その際は全武装が使用できなくなるという事態が起こることもある。防御の要であるフォトンバリアや、後述の能力に関してもエネルギーの消費が大きく、全体的にエネルギー効率が悪い。この点がアストラルのような他の高出力機との明確な差異で、ジェネレーター出力に任せて全性能を常時フル稼働させるような戦い方は本来できない。

 高い面制圧力と絶大な火力、前述の見た目以上の防御力が相まって、攻めにも引きにも、射撃戦にはめっぽう強い。一方でエネルギー効率の悪さが全てを通しての弱点であり、機体の本領を発揮するには、無駄弾を含まない質の良い弾幕展開を求められるなど、独特な扱いづらさを持つ機体でもある。

 また、能力を処理しきるために、火器管制を含む電子系の性能はホライゾンに迫るほどに高性能。

 今回、インターンが装備していたヤタガラスは、これらの特徴を活かすに足る兵器だったが、パイロット負荷の極端な大きさに加え、燃費の悪さと過剰な火力のため、機体の持ち味を損なう結果となってしまった。

 機体の輪郭は曲線で構成されており、全体的に細身でどこか女性的な印象を抱かせるフォルムをしている。手足の装甲の端はまるで花弁のような複雑な形状をしており、一見すると兵器らしさを感じさせないものになっている。カラーリングは桜色を基調とし、白色の複雑な模様とライムグリーンの発光体、コアはオレンジ色となっている。


武装

 武装は揃いも揃って特徴的ながら扱いやすく、さらには高火力。その反面、とにかくエネルギー消費が激しい。


・腕部大口径重光子砲

 腕部に搭載された高出力の重光子砲。砲撃モードと照射モードがあり任意に切り替えが可能。砲撃モードでは高出力大型の重光子弾を射出することができ、威力に対して連射が早い。照射モードでは肩部ビームランチャーよりも一回り太い重光子ビームを断続的に照射できる。

 照射モードではエネルギー消費がかなり大きく、照射時間に限りがある上、一定以上の照射を行うと機体内部のエネルギーが枯渇する危険がある。

 ビーム色は砲撃モードではオレンジ、照射モードでは濃い赤色となっている。


・肩部重光子ビームランチャー

 両肩部装甲に3門ずつ直接組み込まれた重光子ビームランチャー。発射されるのは腕部大口径重光子砲の照射モードよりも2周りほど細い重光子ビームである。

 射出の際にビームを構成する重光子に特殊なナノチップが混合されて放たれる。このナノチップが能力の媒介となって放出エネルギーを制御することで、ビーム自体の運動方向をコントロールし、ビームを曲げる、滞留させるなどと言った芸当を可能にしている。

 ビームの色はピンク色。


・フォトンバリア

 機体の周囲に重光子の膜を展開・維持することで、敵の攻撃に対してバリアのように利用する装置。装置自体は背中に装備されており、背部ブースターの両脇に射出口があり、バリアに利用される重光子はここから散布される。

 通常の力学バリアと合わせて非常に高い防御力を誇る。装甲と違って受けた上からダメージを負うことがないのも強み。ただし壁として運用すると形状維持装置へ負荷が逆流し破損してしまう危険があるため、基本的には着弾と同時に着弾点周囲の重光子自体を結合崩壊させ、遠心方向に指向性を与えた力学エネルギーによって威力を相殺するのが主。その性質から、断続的に攻撃を加えられ続けるとバリアが機能しないという弱点がある。

 能力による重光子の固着化を利用しているため、バリアの生成に常に重光子を吐き続けるなどという事はないが、能力使用のために一定のエネルギーを消費するため、機体のエネルギーをかなり圧迫してしまう。強力ではあるが、使いどころの難しい装備。

 バリアに利用される重光子の色は薄い紫。


・遠隔制御型武装ユニット『ヤタガラス』

 武装を搭載した、飛行可能な遠隔制御ユニット。サイズとしては3~4mほどで非常に大型。形状は正八面体の上部に羽が生えたようになっており、この羽の部分に姿勢制御用スラスターや推進用ブースター等が搭載されている。また羽部は、アストラルのビームブースターやプラズマバズーカに使用されているリフレクターと似た材質となっており、アーク波の吸収効率が良い。本体のバックパックのユニットから整波されたアーク波が放出されており、羽部ではこのアーク波を吸収してエネルギーに変換している。本体下部には、インターン本体からの思念波を受け取るための銀色のアンテナが3本伸びており、漆黒の本体と相まって名前の通りヤタガラスを彷彿とさせる外見となっている。

 内部にホライゾンのヒスイと同系統の汎用ジェネレーターを搭載しており、武装のエネルギー出力の補助をしている。本体からの遠隔供給と合わせ、攻撃による内部エネルギーの枯渇はなく、攻撃における稼働限界はない。ただし推進部の燃料を生成する事はできないため、その方面での稼働限界は有る。

 搭載している武装は、肩部重光子ビームランチャーの複製品で、やや威力が劣るもののホーミング性能等はほぼ同等のものが4門並んでいる。ホーミングに関しては本体の捕縛能力が利用されるため、こちらに高度な演算システムは搭載されていない。

 今回インターンはこの兵器を実に6機も同時運用しており、本体と合わせて計30門のホーミングビームを使用、それによって凄まじい攻撃力を生みだしている。

 極めて高性能な兵器だが、攻撃回避などのありとあらゆる動作をインターン本体からの思念波によって行うという、非常に旧時代的な設計となっている。要するにパイロットは全てのヤタガラスの状況を把握した上で適切な操作を考えなければならないということであり、非常に負担が大きい。

 また、ヤタガラスには自身の状態を機体にフィードバックする機能が設けられているが、これも機体からの制御信号と同様にアーク波によって行われており、パイロットの深層意識が表層意識に反響するという形でパイロットの精神に強い負荷を与えてしまうことになった。

 今回ではこの重い制御負荷に機体コンピュータの思考補助領域が圧迫され、さらにはエネルギーの遠隔供給のため機体出力を増強させる強力な精神制御が重なり、パイロット、そして機体自体の暴走につながった。



共通システム?

・オーバードライブ

 アストラルが発動した、現時点では詳細不明の、超絶的なジェネレーター出力を生み出す謎のシステム。

 本来アークに備わっている機能ではなく、アストラルだけに可能なのか、他の機体にも可能なのかは、現時点では不明。

 サンプルもなく、高いジェネレーター出力以外の情報は何ら存在していない。

 ただしその大きすぎる出力は、周囲空間広範囲にわたってアーク波エネルギーを臨界突破させてしまうほどで、インターンはアストラルを包む臨界化領域に呑まれた結果、自身の適応波形のアーク波を吸収できず、エネルギー切れを起こして機能停止した。

 繰り返すアークの歴史の中でも、類を見ない特異な現象であり、始祖の末裔であるダチュラさえも知らなかったものである。



No.1 -A- アーク・アストラル(Ark-Astral)

システム

・アドバンストバースト

 オーバードライブの発現に際して、アストラルと飛鳥がその場で作成・発動させた新たなシステム。

 オーバードライブ同様、現時点でその実態に関して判明していることは少ない。

 飛鳥の強い意志に応える形で、爆発的に増大したジェネレーター出力に対応するため、アストラル自らが、機体に何らかの変化を生み出すべく発現させたシステムである。

 機体を中心に半径500mまで臨界領域が展開されるほどの極めて過大なエネルギーを制御しきるために、機体に設定されたありとあらゆるリミッターは全て解除されており、制御を誤ると自らの出力だけで自爆も起こりうる危険なもの。

 リミッター解除の影響で、機体の装甲からは過大量のエネルギーを放出するために白色の閃光と荷電粒子が絶えず放出され、干渉発光体は焼き切れて黄金の火花を散らし続ける。

 この状態の干渉発光体は本来の機能を失っており、レーザーに対する拡散効果は存在しない。

 また、装甲表面から放たれる荷電粒子の影響で、大気圏内では機体を中心にオーロラの嵐が吹き荒れることになる。

 実質判明しているのはこういった視覚的に明確な変化と、それに付随する内部的な現象ばかりであり、それ以外の事はやはり不明である。

 ただし、巨大なエネルギーへの対応のために発動されたシステムであるため、アストラルの内部にも何かしらの不可逆的な変化が起こっている。

 特殊な現象であり、研究所の研究者にも、発動者である飛鳥自身にも、その全容は明らかとなっていない。

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