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桃太郎、最後の戦い 後

 埒が開かない。

 浦島はゴーレムの数をさらに増やしてきた。

 あいつは完全に遊んでいる。本当に暇なのだろう。

 浦島は徐々にゴーレムを増やし、俺は今、ゴーレム20体を相手にしている。

 散弾パンチと通常パンチにどのくらいの防御魔法陣を割けばよいかが解ってからは少し戦いやすくなった。そして、相手の攻撃スタイルがワンパターンなのも救いだ。

 しかし、こちらからも決め手がない。

 長めの詠唱をすれば、ゴーレムを破壊することができることも分かったが、結局、回収されて修理されて出てくるので、ロケットパンチを撃たせるほうが良いという結論に落ち着いた。

 はやく、浦島を倒したいのに、倒しても倒してもゴーレムは戻ってくる。

 一度、隙を見て、浦島の頭部を一部破壊したが、ダメだった。

 ちょっと破壊した程度では、奴は復活する。

 手詰まり気味だ。

 何千という腕の突き刺さった壁を背後に、俺はまた20体のゴーレムと向き合った。

 俺は、絶対に負けない!!


 その時、

 さっきのビーム戦で半壊していた壁をぶち破って巨大な生き物が飛び込んできた。


 「ワイ子!!」

 傷だらけのワイ子が乱入してきたのだ。

 ワイ子は、俺の目の前のゴーレムに向けて炎を吐いた。

 え?そんなの吐けたの?

 キジになったから?

 ワイ子の広域ブレスがゴーレムたちを包んだ。

 ゴーレムは効いている様子も溶ける様子も無く、炎の中でも平然とワイ子のほうを向いた。

 そして、一斉にロケットパンチの狙いをワイ子に向かって定めた。

 「ワイ子!!」

 慌てて防御魔法陣の準備をする。

 その瞬間。

 ゴーレムたちの両腕が次々と爆発した。

 「発射装置の耐熱温度を超えたか。」浦島は言った。

 今だ!

 急いで、ワイ子に近づいてグレートポーションを食べさせる。

 一気に元気になるワイ子。

 「浦島!ロボは欠陥品だったようだな!」

 「仕様だ。しかたない。」浦島は特に焦ることも無く言った。「では、こんなのはどうかな?」

 今後は空中に黒い円が現れ、中からヘリコプターが現れた。

 うわー軍用ヘリだ。

 「ワイ子!!」

 俺はワイ子に飛び乗り、空中戦の準備をする。

 ヘリがガトリング砲を放った。

 ワイ子がビームでボロボロになっていた城の天井を突き破りながら急速旋回で回避する。

 って、痛い痛い、天井突き破った勢いで俺が痛い。

 グレートポーションを食べながら耐え凌ぐ。

 軍用ヘリも天井を破壊しながら追ってきた。

 くそっ。

 「ずいずいずっころばしごまみそずい、茶壺に追われてとっぴんしゃん、抜けたーらどんどこしょ、俵のネズミが米食ってチュウ、ちゅうちゅうちゅう!!」

 五節1本重ね!

 追いすがってくるヘリにマジックミサイルが命中し爆煙を上げた。

 やったか!?

 なん・・・だと・・・!

 ヘリが煙の中から姿を現した。

 「自動迎撃システムだ。もう少しだったな。」浦島が言った。

 くそ!

 ヘリが再びガトリング砲をうちながらワイ子を追う。

 そして、空中にもう二つ黒い円が現れた。

 「心配するな。無人ヘリは10機しかおらん。」

 さらには、再び彼の前の地面に多数の黒い円が発生した。

 再び20体のゴーレムせり上がってきた。

 まずい、地上からも対空してくるつもりだ!

 俺はまだしも、ワイ子がよけきれるか?


 「喜久兵衛君!ハナちゃん!秀吉さん!ゴーレムの両肘に攻撃を!」


 よ、孝高!?

 城の中から孝高の声が響いた。

 「ゴーレムが出切っちゃったら逃げてください!!」

 「任せろ!!」

 喜久兵衛とハナちゃんが飛び出してきた。

 秀吉と重治も居る。

 彼らは黒い円から出てきたゴーレムたちの間を駆け抜けながら、ゴーレムの肘を殴っていく。

 ゴーレムの肘がつぎつぎと爆発していく。

 「みんな!」

 「モモちゃん残りお願い!!」喜久兵衛が言った。

 肘より下が残っているのは4体だけだ。

 「肘を狙ってください!一本当たり短2節以上!」」

 「ずいずいずっころばしごまみそずい、茶壺に追われてとっぴんしゃん!」

 8本のマジックミサイルがゴーレムの周りに出現し4体の両腕に当たった。

 ゴーレムの腕がはじけ飛んだ。

 こんな簡単に!持つべきものは孝高だ!

 さすが鑑定チート!

 「みんな!よく無事で!!」ヘリのガトリングの照準から逃れようと切り揉みを続けるワイ子の背から声をかける。

 「ああ、援軍が来てくれたおかげだ!」秀吉が答えた。

 「援軍?」

 「お前も知っている・・・。」

 追加の2機のヘリが追いついてきて、ガトリングの斉射を始めたせいで、秀吉の声がかき消された。

 こっちはヘリを何とかしないと!

 一方で、みんなの周りの地面にも再び黒い円が現れた。

 今度はさっきより多い。

 ゴーレムを54体召喚か。

 「増えるのかよ!」

 喜久兵衛たちが悪態をつきながら駆け回る。

 「少し本気を見せよう。」浦島が言った。

 さらに空中に小さな無数の黒い円が生まれた。

 円の数がぱっと見では数えきれない。

 空からだと、黒い霧のように見える。

 そして、円の中からプロペラのついた小型の機会が出てきた。

 ドローンだ。

 腹に砲塔が付いている。

 さっきからあいつ、なんか近代的なもんばっかりだな。

 ゴーレムも、その実ロボだし。

 あいつ、自分の物語のジャンルをSFだと思ってるだろ。

 「ドローンは600ある。」浦島が言った。「これも最大300ずつ展開しよう。」

 ドローンがゴーレムを叩き回っている喜久兵衛たちを取り囲む。

 54体のゴーレムを無理してやっつけようと、突出してしまった喜久兵衛とハナちゃんがドローンに囲まれた。

 ドローンたちから、光の矢が発射された。

 「ぐあっ!」

 喜久兵衛たちは一射目を防御し切れず悲鳴を上げた。

 「喜久兵衛!!ハナちゃん!!」

 全てのドローンが喜久兵衛とハナちゃんに群がり、狙いを定めた。

 まずいっ!


 「いでよ!月光の使者!」


 横からドローンの雲を薙ぐようにビームが通過し、ドローンが次々と落ちる。

 「ちょっと多いですわね。」

 「かぐや姫!」


 「残りは任せるのじゃ。ちゃちゃつぼ茶壺、茶壺にゃふたがない!!」

 電撃がドローンの間を抜け、残りのドローンが壊れたように落ちていく。

 「ジジィ!」


 「かーごめかごめ!」美しい声が響いた。「痛かったねえ!大丈夫だったかい?」

 喜久兵衛たちの傷が治っていく。

 「ババァ!」


 「私達は雑魚専ですから、強い相手には役に絶たないですわよ」

 「ちっこい飛んでる奴はわしらに任せい。頑張るんじゃ、桃太郎。」

 最高に頼もしい援軍だ!

 秀吉の言ってた援軍は彼らか!

 ドローンは大丈夫だ。

 あと、ゴーレムとヘリだ!


 「ゴーレムは任せろ!桃太郎!」

 「お前らばっかにいいかっこはさせないぜ!」


 54個の召喚円に向かって20人くらいが走り出してきて、せり上がってくるゴーレムを攻撃にかかる!

 「みんな!!」

 クラスのみんなだ!

 くそぅ!泣かせてくれる。

 「ありがとう!みんな!」ワイ子の上から叫ぶ。「ゴーレムのほうが数が多いし強い!気をつけろ!無理はするな!」


 「心配するな桃太郎!俺たちも居る!!」


 さらに20人くらいの・・・

 え?誰?

 なんか、すげえガラの悪い集団がでてきたんですけど。

 なんか、一人くそデカい奴がおる。

 マジ誰?

 この間の全国大会のモヒカンたちじゃ・・・ねえな?

 「試験の後、襲撃して悪かったな!!」

 思い出した!!

 英雄学校の時に襲ってきたやつらだ。

 「湯布院に送ってくれたお礼だ!」

 「俺様、リウマチ治った!」

 ワープ先、湯布院だったんだ。

 微妙なんが助けに来たが、とても助かる!

 「頼んだぞ!!」

 後は、ヘリか!

 ワイ子を追いかけてくる3台のヘリを振り返った。

 「プロペラです!プロペラの強度が魔法剣より弱い!ヘリの上からムラマサブレードを突き立てて!!」

 下から孝高の指示が飛んできた。

 よし!

 しかし、相手は3機!どうやって頭上をとれば・・・

 

 「右は任せろ!!」

 「左は任せるのだがや!!」

 

 金太郎!!

 と、

 誰っ!?


 なんか新しいババァ出てきた!!

 「ほっ!ほっ!ほっ!ほっ!ほっ!」

 金太郎とババァは防御魔法陣を階段にして登ってくる。

 あれ、なにげにムズイんだぞ。

 金太郎はともかく、新ババァもかなりの実力者だ。

 左右のヘリの注意がそれぞれ向かってきている対象に向いた。

 一機なら行ける。

 「ワイ子!!」

 ワイ子が一気に上昇して宙返り飛行をする。

 それを追うようにガトリングの弾が上がってくる。

 「ほっほっほーたる来い、こっちのみずはあまいぞ!」

 俺は2節分の防御魔法陣を目の前に展開して、ヘリの上空でワイ子から飛び降りる。

 ガトリング砲が俺を狙う。

 俺の前の防御魔法陣がガトリング砲の弾をはじく。

 持ってくれ!!

 魔法陣が壊れた瞬間、俺はヘリの直上にたどり着いていた。

 ヘリの攻撃の死角だ。

 「いけぇえええ!」

 俺は落下の勢いそのままにヘリのプロペラの回転越しにヘリの天井を突き刺す!


 「ムラマサブレーーーード!!」

 「魔・叉刈りブレーーーード!!」

 「魔亜沙ブレーーーード!!」


 空へ飛び上がった3人は同時にヘリの天井を剣で突き刺した。

 プロペラがヘリの天井に突き刺さった剣に引っかかって「ガガガガッガガ」と音を立てて止まった。

 急速に落下して行くヘリ。

 「飛び降りるだがや!!」

 ババァがそう叫んでヘリから跳び下りると、「通りゃんせ通りゃんせ!」と一節唱えた。

 ババァが跳んだ場所めがけて俺と金太郎も跳ぶ。

 そのまま床に落ちた俺たちは、とおりゃんせで柔らかくなっていた床でトランポリンのように跳ねた。

 とおりゃんせをこんな使い方するとは・・・。

 このばあさん何者だ!?

 今まで出てきた誰か・・・

 「MAX危なかっただがや。」

 ほんと誰っ!?

 そもそも、とみ子以外ババァが出てきてない!

 「わしゃ勇者高橋だがや。」

 え?高橋!?

 じゃあ、ジジィは誰やねん!

 「わしゃあ、とみこの旦那だ。」

 「それは知っとるわ!」

 「ばかやろう!桃太郎!目の前に集中しろ!」秀吉が叫んだ。

 目の前には、新たに召喚されたヘリが今まさにガトリング砲をこっちに向けて放とうとしていた。

 「しまっ!!」


 「ずい!」


 横から飛んできた光の矢が、ヘリの迎撃システムを貫通した。

 そして、そのままヘリ本体も貫いた。

 小さなダメージであったが、ヘリは精密機械。

 動作に異常をきたしたヘリは、明後日の空を撃ちまくりそのまま急旋回して墜落した。


 ネネさん!!


 ネネさん!

 ネネさん!


 「えっへん!(`・ω・´)」

 「よくぞ無事で!良かった!!本当に良かった!!」

 涙が出そうだ。

 「まだ終わってないよ!桃太郎君!!」

 「はいっ!!」

 なんだよ・・・、

 「ヘリは任せて!」

 俺なんかよりめちゃくちゃ頼もしいじゃないか。

 浦島の前には5機のヘリが召喚されていた。

 「貴様。」

 浦島がネネさんを見て大声を上げた。

 「貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。貴様。」

 なんだ!?

 突如浦島が感情をむき出しに叫び始めた。

 「犬山ネネ・・・なぜ、ここまで・・・。まさか、まさか貴様、玄武を倒したのか・・・俺の!俺の大事なカメを!!」

 玄武って、あのカメだったの!?

 あんなん虐める子供なぞ存在せんぞ?

 「身体はもとに戻せても思い出は戻らないのだぞ!雑魚どもがぁぁぁぁ!!!」


 浦島が咆哮を上げた。


 そして、浦島の周りの地面から岩を液体にしたような物質が勢いよく跳びだし浦島を包み始めた。

 くそ、こいつ変身するのか!

 浦島は山のように大きくなり、その山頂付近になんとなく、人の上半身と顔があるのかなと言ったフォルムに落ち着いた。

 大みそかの衣装合戦のインフレが行きついた先みたいな格好だ。

 「許さん。許さん。許さん!!」浦島が山頂で喚いた。「本当の私を知ってたのは玄武だけだというのに!!」

 足元が真っ黒に染まった。

 空も黒く染まった。

 召喚の黒い円が重なり合っているのだ。

 ヘリが、ドローンが、ロボが、次々とせり出てくる。

 全機展開する気か!!

 「ゴーレムだけじゃない!!」悲鳴が上がった。

 たくさんの悪魔たちが、じりじりと召喚されてきた。ケルベロスと玄武も朱雀まで居る。

 「ああ、ああ、玄武が、玄武が空っぽになってしまった。」浦島が嘆いた。

 

 「ならば、この子たちをもう起こさないであげて下さい。」


 浦島よりもさらに上から声がした。

 「我が怨念の全てを捧ぐ!大罪符!!」

 その声が、そう叫ぶと、空が大きく白く輝き無数の雷の雨が浦島の召喚した悪魔や機械たちを襲った。

 空の輝きが収まるとそこには浦島以外の敵の姿はなく、代わりに一人の男が浮かんでいた。

 「菅原先生!!」

 「ミッチー!!」

 ミッチーは白く輝きながら薄れていく。

 「今の一撃に私の存在の全てを懸けました。これ一回きりです。」ミッチーは言った。「子供たちをもうよみがえらさないようにしてください。お願いします。」

 「先生!!」

 最期にミッチーはニッコリとほほ笑んで手を振って消えた。

 「おのれ!道真!裏切ったか!!」浦島が言った。「だが、何の意味もない!今度はお前も一緒に蘇らせてやるわ!!」

 「その前に俺がお前を倒してやる!!」

 俺は叫んだ。

 今、浦島に手駒は無い。

 復活までは時間がある。

 やはり最後はこれだ!

 「ずいずいずっころばし、ごまみそずい、・・・」

 「わしもいくだがや、ずいずいずっころばし、・・・」

 「私も(`Д´)、ずいずいずっころばし、・・・」

 「僕が行かないわけにはいかないね、ずいずいずっころばし、・・・」

 「仕方ないですわね、ずいずいずっころばし、・・・

 「ずいずいずっころばし、・・・

 みんなのずっころばしが重なっていく。

 そして、全員の持ちうる限り最大威力の光の矢が浦島を取り囲んだ。

 

 終わりだ。浦島。


 全ての矢が浦島に向かって突き進み。

 俺たちの放った全てのずっころばしが浦島に命中した。

 まばゆい光が浦島をかき消した。

 大轟音と共に城が大きく揺れた。

 その揺れは徐々に静まり、まばゆい光も薄れていった。


 そして、


 「ふむ、防御魔法陣を展開する必要もなかった。」浦島が言った。

 「うそ・・だろ・・・?」

 光の向こうから、まったく無傷の浦島が現れた。

 「玄武の脱皮した甲羅を凝縮して作ったこの身体、お前らごときが抜けると思うな!!」

 くそっ!

 「クルルルルルル!!!」

 ワイ子が山頂辺りに炎のブレスを吐いた。

 そうだ!

 蒸し殺してしまえ!!

 「ふはははは、鎧の中は冷暖房完備よ!!」

 ちくしょう!抜かりねえ!!

 「孝高!」

 「ダメです。ネネさんの11節でようやく抜けるかどうか・・・

 「もう一回!やってみないと解からないよ!!」ネネさんが呪文の詠唱に入ろうとする。

 「抜けるだけじゃダメなんです。」孝高が言った。

 「?」

 「相手の回復量に追いつかないんだな。」俺は言った。

 「はい・・・」孝高が残念そうに呟いた。

 どうする?

 時間がない。

 次は菅原先生も向こう側だ。

 打つ手が・・・

 何か・・・

 「もう、バカバカしい!」

 かぐや姫が突然言った。

 「皆様大声を上げてくださいまし。それで勝てますわ。」

 え?何で?

 「桃太郎さん、鬼を倒すのは桃太郎さんと相場が決まっています。任せましたよ?」

 どういう?

 「みなさん、大声をあげてくださいまし。あー。」

 めっちゃ、小声やんけ!

 「分かった!ももちゃんが何かすんだな!!ああああああああああああああ!!」喜久兵衛が叫び始めた。

 「うん!頑張る!あああああああああああああああああ!!ヾ(`□´)ノ」ネネさんも叫び始めた

 「良く分からんが!あああああああああああああああああああ!!!」秀吉も続く。

 「あああああああああああああああああああ!!」孝高も。

 「あああああああああああああああああああ!!」ハナちゃんまで!?

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」わけもわからぬまま皆が続いて叫びだした。

 うっせぇ!

 耳がいてえ!なんも聞こえん!!

 あ。

 「何事だ?」浦島が狼狽して言った。「うるさい。雑魚共。」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「うるさいって。」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「あー」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「うるせーっ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「クルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああヾ(`□´)ノ」

 「うるせーっ!ってんだろ」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 「「「「あ!?」」」」

 皆が、俺の目の前に大きなエネルギーが集まっていることに気づいた。

 みんなの大声が辺りの音をかき消している間に、俺の詠唱は完了していた。

 作詞家不明。

 しかし、作曲家が解っているため作曲時期は解っている。

 それは、ちょうど100前くらい。

 権利が作詞者の没後70年まで有効という事を考えると、うかつに使えない呪文だった。

 俺のために用意されていたような呪文だったというのに。

 みんなのおかげで、全節詠唱を完了した。

 そっちのももたろうは、犬サルキジと一緒に宝物を持って帰って、めでたしめでたしだ。


 俺が浦島に向けて突き出した手の前にエネルギーがさらに凝縮されていく。


 「おのれ桃太郎ーッ!!」

 「これで最後だ浦島ーッ!!」


 俺の手から世界を真っ白に埋め尽くしてまばゆいエネルギーが放たれた。

 極大のエネルギー波は、浦島を呑み込み、少しだけ残っていた城の壁を全て吹きとばし、空へ抜けていった。

 そして、火星と木星の間にあった惑星を破壊し、木星のどてっぱらに穴をあけてようやく消滅した。


 みんなの視界が戻った時、そこにもう魔王浦島の姿は無かった。

 

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