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四天王vs犬山ネネ

 城の中は誰も居なかった。

 見張りの悪魔ともすれ違わないし、召使の悪魔や魔王の世話係なんかがいるんじゃないかと思っていたがそんなのとも会わない。

 みんな、秀吉との戦争に駆り出されているのだろうか?

 それともどこかで待ち構えている?

 俺とネネさんは最初の頃こそ慎重に進んでいたが、誰も居ないと解かると、手当たり次第に目についたドアを開けながら進んだ。

 俺たちが魔王と残りの四天王を倒して、急いで戦場に戻らないと。

 ほどなくして俺たちは大きな廊下にぶち当たった。

 赤いカーペットが敷かれている。

 カーペットをたどっていくと、今までのドアとは違い、豪華な装飾の施されたひと際大きな扉に突き当たった。

 「・・・気配がする。」

 俺は呟いた。

 解かる。

 凶悪なのが居る。少なくとも青龍朱雀並みの奴が居る。

 四天王か?それとも魔王か?

 「ごめんね。桃太郎君。」

 ネネさんが突然俺の頭を後ろから抱きしめた。

 「ワイ子ちゃん残してくるとき、ものすごく怖かった。」ネネさんは言った。「ずっとこんな風に思っててくれてたんだね。」

 「ネネさん・・・。」

 「でも、桃太郎君。お願い。」ネネさんはやさしく言った。「私の事、信じて。私、できるから。」

 そう言うとネネさんは俺から離れて自ら扉を開けた。


 中はものすごく大きなホールだった。

 中央に大きな岩山があり、その奥に上に続く階段があった。

 その岩山がゆっくりと顔をもたげた。

 玄武だ。

 玄武は岩でできたドラゴンと言った感じだった。翼がないから丸っこいトカゲとでも言ったほうが良いか。

 ワイ子よりも二回りくらいデカい。

 俺は思わずネネさんをかばうように前に出た。

 「桃太郎君。」

 「・・・・・・。」

 だって、神が予言したんだぜ。

 「お願い。」

 ネネさんがここで死んだら・・・。

 「信じて。」

 ・・・。

 「魔王を倒したら戻ってきます。絶対に死なないで。」

 「桃太郎君!!」

 俺は神よりもネネさんを信じる!

 彼女がずっと努力してきたのを知ってる。

 英雄学校だって入るのはギリギリだった。

 そこからここまで這い上がってきた女性なんだ。

 神が何と言おうと、未来の恐怖よりネネさんと一緒に過ごした時間を信じる!

 「行かせると思うか?」玄武が低い声で言った。

 こいつ喋れるのか!?

 俺は玄武に人差し指を向けた。

 「もも!」

 指の先にエネルギーが集まる。

 金太郎を吹っ飛ばしたやつだ。

 「ふん、来い。」玄武が煩わしそうに、俺の指先に集まっているエネルギーの固まりを見下ろした。

 エネルギーがゆっくりと集約し、まばゆい光線が玄武の顔めがけて発射された。

 光の帯が玄武の顔面を捕らえ包み込んだ。

 そして、光の帯が過ぎ去り、無傷の玄武がニヤリとほほ笑んだ。

 「この程度で、我にダメージを与えようとは片腹痛い。なにっ、小僧が居ない?」

 俺はすでに玄武の横をぬけ、奥の階段に走っていた。

 「させぬ!」玄武が振り向いて、俺に向かって口を大きく開けた。

 口の中に炎が凝縮されていくのがちらりと見えた。

 その時、ネネさんの呪文が完成した。

 「・・・米食ってちゅう!!」

 「ぬああああっ!!」

 玄武がまさかの痛みに思わず声を上げた。

 「なんだと!?我にダメージだと?」

 玄武は俺を放置して新たな脅威を振り向いた。


 「あなたの相手は私。四天王玄武!覚悟しなさい!!」


 犬山ネネが叫んだ。



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