桃太郎 大会編 世界大会
世界大会は引き続き姫路城だった。
しかも3日後だよ。
ミッチー知ってたんならちゃんと説明しておいてよ・・・。
俺たちは姫路に留まり、ほとんど準備をすることもなく、そのまま開会式を向かえた。
最初はやっぱり開会式とトーナメント決定だ。
俺たち5人は少し緊張しながら並んだ。
前回英雄学校は準優勝だったらしい。
つまり、一回負けているわけだ。
こっちの大会は全国と違い、本当に強いチームが来ているという事なのだ。
「大丈夫かな。(´・_・`)」ネネさんが心配そうに俺の服の肩口を後ろからつまんだ。
「大丈夫ですよ!僕らは日本一なんですから。」安心させるようにネネさんに声をかけた。
世界大会は試合数が少ないので、開会式の後、その日のうちに試合が行われる。
世界的なスターも来るのでスケジュールをあまり取れないのだそうだ。
そして、世界大会の開会式では各国チームの選手紹介があるようだ。スターが来るからだろうか。
『前回優勝!中国代表!』
早速、場内アナウンスで選手紹介が始まった。
世界の選手とやらがどんなものか見させてもらおう。
全国大会の時と違い満員の観客席から声援が上がった。
『劉備玄徳!関羽!張飛!趙雲子龍!陳さん!』
ほんとにスター来ちゃった!!
英雄!英雄!英雄!英雄!誰!?
中国代表が観客席に向かって手を振る。
ぜったい、先頭の小太りの人が陳さんだろ。
『代表陳さん前へ!』
やっぱそうだった。
陳さんが優勝旗を返還した。
さすが、前回優勝国。
三国志のメイン英雄が4人も入って来た。
俺たちではたして勝てるのだろうか?
『続いて、前回準優勝!日本代表!』
場内アナウンスが流れた。
『桃太郎!犬山ネネ!喜久兵衛!黒田孝高!田中華子!』
うーんやっぱ見劣りすんなあ・・・。
ホームなのに少し歓声が少ない。
せめて金太郎とかぐや姫も連れてきとくべきだった。
『続いて、イングランド=フランス代表合同チーム!』
アナウンスはさらに続く。
『ランスロット!獅子王リチャード一世!ジャンヌダルク!シンデレラ!キリスト!』
最後神!!
神が居なかったとしても俺たちで勝てる気がしない。
ワンチャンあってシンデレラくらいか?
『そして今回の優勝候補、オスマン代表!今回は帝国史上最強と名高いチーム編成です。』
おっと、アナウンスが煽ってきた。
『ゼウス!ポセイドン!ハーデス!アテナ!アフロディーテ!』
神!神!神!神!神!
ぜ~んぶ神!!
無理だぞ!?
世界大会に来た瞬間インフレヤバくないか。
今までのゆる~い学園生活の色々はいったいなんだったん?
「孝高?」小声で訊ねる。
孝高は黙って首を横に振った。
ですよねー。
『アフリカ合同チーム!ニアリチ!ニイカング!ワレンガ!ングウォレカラ !ンドグボジュスイ!』
わからん!!
『最後、アメリカ代表!リンカーン!ルーズベルト!ワシントン!クモ男!XXXX・XXX!』
お前らが一番おかしい!!
お前ら全員この世界の時代背景の年代にまだ存在してないだろ!
てか、そもそもアメリカって国自体無くねぇか?
最後二人に至っては迂闊にいじれん。こいつ等に絡むこと自体がこの世界の危機になりかねない。
特に最後の奴がシャレになってない。こいつは匂わせるのもダメだ!こいつに関する全てのものは総伏字だ。
『以上6チームが世界一の座を競います。』
陳さん以外に勝てる気がしないんだが。
もう負けんの解ってるし試合までの描写はいっさい省く。
孝高も作戦考えるのを放棄した。
そんな感じ。
というわけで1回戦。
『それでは、第一回戦は日本vsオスマン代表』
神チーム相手だ。
ほんと帰りたい。
「ふむ、今年の日本代表は噂通り大したことはなさそうだな。」ゼウスがこっちを見て言った。
すんません。その通りです。
って、待てよ。
去年を知ってるってことは、ゼウスってうちか中国に負けたって事だよな?
あれ?もしかしたら、こいつらってそんなに強くないのか?
「アマテラスちゃん卒業しちゃったからねぇ。」アテナが言った。
「ミコチはおらんのか・・・。」ゼウスが寂しそうにつぶやいた。
こっちにも神いたんじゃねえか!!
天照大御神だ。
はい。ギブ~。ギブアップで~す。
神相手に勝てるわけありません~。
やさぐれモードに入る俺。いや、だって無理だよ。
「それではみなさん向かい合って、礼。」
試合場の上に整列して互いに礼をする。
今回も勝ち抜き戦。
先鋒は俺だ。
もし、ほんとにヤバかったらこの後みんなを棄権させる。
「桃太郎君・・・ほんとに大丈夫?」
「た、戦う前から不戦敗って訳にもいきませんし・・・。少しだけ、恥ずかしくない程度にがんばってきます。」
ちなみに孝高の鑑定では軽く負けますと判定されている。
「死なないでね。」ネネさんが俺の事をぎゅっと抱きしめた。
ほんとにシャレになってなさそうだから嬉しくないっす。
俺とゼウスを残して、他の全員が試合場から降りて行った。
「では、まあ、軽く揉んでやるとするかのう。」ゼウスが前に進み出た。
「よ、よろしくお願いします。」俺は頭を下げた。
「それでは、第一回戦第一試合。オスマン代表ゼウスvs日本代表桃太郎。」
俺はムラマサ・ブレードを抜いた。
「始めっ!」
審判の合図の瞬間、ゼウスは詠唱無しで雷の刃を会場いっぱいに召喚した。
これ、無理ゲー。
と、その瞬間。
けたたましいサイレンが鳴った
『悪魔警報!悪魔警報!』
アナウンスが物々しい声で異変を告げた。
『南南西から魔王軍が攻めてきました。非戦闘員はすぐに避難してください。』




