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セレブと誕生日

今更ですがセレブの内情や学校行事などもふんわりした知識で書いております。実在するウエーイなイベントなどもふんわりとした知識です。学校行事で、この行事忘れてんじゃない?というのがありましたらご連絡頂けると幸いです。


9/24一部表現を変更しています。本文の内容に変更ありません。ご報告ありがとうございます。

「麻里香~お誕生日おめでとう!」


今日は二日早いけど私のお誕生日会を菜々、萌ちゃん、花音ちゃんが催してくれている。会場はなんと萌ちゃんのお家ベルサイ〇宮殿…ではないけれど、白亜の大豪邸だった。庭に噴水と女神の像みたいなのが立っている。うちの家の庭にこんな像が立ってたら邪魔で仕方ないよね、アハハ!


そしてね、ケータリングサービスというのが来ているのだよ?萌ちゃんと花音ちゃんが気にすんな!と言ってくれたので、有難くご厚意に甘えさせて頂いてます。初ケータリングだ!


「美味しい~‼萌ちゃんコレ持って帰らせて頂いてもいい?」


鞄の中から保存容器を取り出してゴソゴソしていると、菜々から「落ち着け!」と言われた。落ち着いているよ?


これがかの有名なチョコレートファウンテンだね!初めて見たよ~。流れるチョコの滝!堪らんね!


萌ちゃんと花音ちゃんの私への誕生日プレゼント、庶民の私でも気後れしない某ブランドのリップグロスと良い香りのハンドクリームだった。お洒落で可愛い。菜々は厚手素材の大きなエコバックだった。皆の気持ちが溢れている。あれ?何だか母の日のプレゼントみたいだって?


そうそう、このケータリングのサービスなんだけど、花音ちゃんのお父様のお仕事関係で来て頂けたっていうのもあるんだよね。実は花音ちゃんのご実家は結婚式場も経営する大手のウエディング総合事業の会社なのだ。CMも流れている大きな会社のお嬢様と仲良くしてもらえるってすごいね。


おおっ!ケータリングのローストされたビーフ様は美味しいね!これも容器に詰めておこう…。


因みに


誕生日前日の明日は、家族でお祝いしてくれる予定だ。誕生日当日は…海斗先輩が予約済みだ。絶対、誕生日当日は自分と一緒だ!と海斗先輩がごねたので、篠崎家が譲ってくれたのだ。


由佳ママと翔真にものすごく冷やかされたけど、仕方ない。私だって海斗先輩と一緒に16才の日を祝いたい。


「これが噂に聞くリア充か…」


「私も彼氏欲しい!」


「道に落ちてないかな?」


誕生日会の終了前に萌ちゃん、花音ちゃん、菜々から囲まれてあやかりたいダンス?を受けた。私を拝んだって彼氏は落ちてこないと思うけど?


次の日は家族での誕生日を祝ってくれる…のだが、何故だか朝からケーキの土台を焼いたり(あれ?)巻き寿司を作ったり(あれ?)自分で自分を祝う為の準備をしている…ようだ。確認しなくても絶対そうだ。


「ねぇ~!やった!」


洗濯物を取り込もうと庭に出たら、和真に顔面に水鉄砲で水をぶっかけられた。洗濯物が濡れなくて良かった……じゃねーわ!私さ今日16才を迎えたんだだけど!もう少し敬って欲しいんだけど!


それにしても暑いなぁ~。今日は試験休みの二日目です。もう少ししたら終業式で夏休みに突入します。


「ねぇね~お水が少なくなったよぉ!」


ビニールプールで遊んでいる彩香が呼んでいるのでプールに近づいてホースから水を差し入れた。私も水着着てプールに入ってやろうかな?


すると由佳ママが掃除機掛けが終わったのか、庭に顔を出した。


「彩香、体がふやけちゃうよ?プールからもう出たら?ママ、お買い物行きたいし~。ばあちゃまもそろそろ来るから」


お、そういえばお祝いにジジババ2人も来てくれるんだったね。


「買い物って…ばあちゃまも付いて来てくれるの?」


「麻里香、巻き寿司作ってくれてるよね?だから今日は手巻き寿司パーティにしようかな~と思って!お義母さんに相談したらお魚買いに行こう~て言ってくれたのよ」


私は買い物の時間と酢飯の下ごしらえと、ついでに悠真を迎えに行こうか…とか考えながら時間を逆算していった。


「よしっ!今日は手巻きぱりーぃに決定だぁぁ!野郎共(いかり)をあげるぞー!寿司飯をかちこめっ!」


と自分でも何だか分からない雄叫びを叫びながら、和真と彩香と一緒にウェーイと拳を突き上げた。


さて、まずは炊飯ジャー2台分を早炊きにして酢飯を作り…ばあちゃま達と皆でまずは悠真のお迎えに行った。


以前、海斗先輩だと間違われた…もとい私が勝手に間違えた、近隣の商店街で痴漢が出て女子小学生が追いかけられる事件があった為、保護者は送り迎え時は特に気を付けるようにと言われている。いつもは由佳ママが迎えに行っているのだが、今日は家に居た全員での大人数でお迎えだ。


じいちゃまの車で(8人乗り)幼稚園前に着くと、ちょうど終わったみたいだ。私は車を出ると門の所まで走って行った。何故だか彩香がくっ付いてきている。


「あら?上のお姉ちゃん?」


多分、由佳ママのママ友かな?すると由佳ママも車から降りてきて、そのママ友と「あらぁ~奥さん!」「やだぁ~久しぶり!」ってな会話を繰り広げ始めた。


「ゆ~!ゆ~!」


「ゆ~にぃ!来た!」


「こ、こら?!」


由佳ママの腕の中で和真が叫ぶと同時に彩香が走り出してしまい、うわわっ!と後を追いかけるようとしたがスイスイとすり抜けて、彩香は子供達の集団の中に入り込んでしまった。そして玄関の辺りで悠真の魔力が現れた所に、迷いなく彩香は近づいていた。


彩香はやっぱり、魔力を感知しているね~。


「もうっ!急に来るな!」


同じ年っぽい子供の集団の中から、彩香に抱きつかれてブスッとした表情をしている悠真が現れた。悠真は私を見ると益々ブスッとした。


「もうぉ何だよ!マリカまで来ることないだろ!」


「だって今日休みなんだよぉ~それに今日は手巻き寿司パリーィだよ!魚を巻きやがれぃー!寿司飯をかちこめっ!だよ?今から魚を買いに行くんだよ」


私が拳を突き上げると、和真と彩香もウィー!と言いながら拳をあげてくれていた。


「わあぁ~悠君んち、今日お寿司なの~!」


「手巻き寿司だぁ~!いいなぁ!」


おおっと、騒ぎ過ぎて年長組の子供達に囲まれてしまったよ。その保護者のお母様達に微笑ましい目を向けられる。ところが悠真は顔を真っ赤にして怒った。


「もうぅ!こんなところで騒ぐなよっ恥ずかしい!」


……すみません。悠真君はクールボーイでしたね。


プリプリ怒るクールボーイをお車に誘って、皆でちょっと遠方のショッピングモールで寿司ネタを買うことにした。クールボーイも初めて来るモールにご機嫌になっていた。


その施設に足を踏み入れた時にちょっと嫌な予感がした。沢山の人がいる施設では沢山の魔質を感じるので、気持ちを外に向けすぎないように気を付けている。


普段ならば…だ。


皆の一番最後尾を歩きながら、辺りに神経を研ぎ澄ます。ばあちゃまが私の誕生日プレゼントに靴を買ってくれるというので、服や靴を売っているフロアにやって来ていた。


沢山の人がいる中、私は見つけてしまった。靴売り場の向こう側の雑貨屋の前に…。


亮暢だ!


私が余りにも遠くのフロアを凝視するので、悠真が気が付いた。


「マリカ何見てるの?あれ…お父さん?」


と、言ったので由佳ママとばあちゃまが、え?と言いながらその方向を見て、小さく叫ぶと、何を思ったのか子供達を抱きかかえて、廊下の端にあるトイレの入口付近に飛び込んで隠れた。


「亮暢じゃないか!」


「麻里香ってば脅かさないでよ!」


いやいや由佳ママ?私が脅かしたわけじゃないし~。じいちゃまは逃げ遅れたのか、同じ場所に和真と二人でぼんやりと突っ立っている。


「おじーちゃん!こっちこっち!」


「急いで早く!」


何を急ぐのか分からないのではあるが、気が焦って廊下の隅に隠れながら皆がじいちゃまを呼んだ。私は尚もぼんやりしているじいちゃまと和真を促して、廊下の隅の壁際に移動した。じいちゃまと和真と隠れながら亮暢を見る。どうやら女性と一緒にいる。しかしよく見ると…あれ?


「驚いたね~悠真、あれがあなたの実の父親の亮暢さんよ、お父さんの弟。間違えるのも仕方ないね。似ているよね。あ、あの横に居る人が、今の奥さんかしら?」


と悠真に説明している由佳ママの声を聞きながら、私は呆然としていた。そう…よく見ると亮暢と一緒にいる女の人は()()()()()()()()()。旧姓、多部優樹菜さんじゃない。二人は腕を組んで楽しそうに歩いている。


2人の魔質を見る。女性の方の魔質は亮暢に向けて絡みつくように放たれている。亮暢のほうは…ただただ例の黒い魔質を体に纏いながら歩いている。また一層黒くなってないか?あれ?


「本当だね、あの子がカンナ?アズサ?だったかいう嫁さんかな?」


じいちゃま…そうじゃないよ!あの人、違う人なんだよ。


「お子さん…いるよね?見当たらないわね?今日はどこかに預けているのかな~」


由佳ママの声にどっと冷や汗が流れる。そうだ、よく考えたら今日は平日じゃないか。


まさか亮暢の野郎…また不倫をしているのか?


この衝撃の事実を今言うべきか?そもそも、どうして亮暢の今の嫁の顔を知っているんだ?と聞かれたら答えようがない…。皆が隠れているので私も亮暢に見つからないように更に身を潜めた。


亮暢はその女性と楽しそうに、普通の恋人同士っぽい感じで歩いて行く。すると由佳ママが何かに気が付いたようだ。


「あの女の人…本当に奥さんかな?」


「え?」


「まさか…」


ばあちゃまも由佳ママも少し遠ざかりかけた、亮暢とその女性の後ろ姿を見詰めている。そして由佳ママは更にこう言った。


「子供のいる母親にしては服装が独身の女の子みたいだし…。それに二人の距離感がね…」


なんか分かるわ、由佳ママ。子供がいる夫婦なら、例え二人でくっついていても恋人同士みたいな雰囲気にならないのよね。


なんていうのか、あの二人は不倫カップル独特の気配を出している…と思うんだ。


「まさか亮暢…」


と、ばあちゃまも疑いの眼差しを向けている。これどうしたらいいんだろう?今更元旦那そして元父親が不倫していて、それを現在の嫁に告げ口?するのもどうかと思うし…。


「これ…今の奥さんがあの方かどうかを確認するべきなのかな~」


由佳ママがう~んと首を傾げた。


「由佳さん、ここは私の出番だよ。亮暢の家も幸い知っているし、こうなりゃ突撃訪問だよ」


ひぇええ?!ばあちゃま?そ、そうだ!


「ば、ばあちゃまっ私もうすぐ夏休みだし一緒に行くよ!」


「あら?麻里ちゃん来てくれるの?それは心強いね」


どうしよう…一緒に行ったほうが全然良いのだけど、修羅場確実なのが今から恐ろしい…。


「マリカ僕も行っていい?」


「ぅええ?悠真も?」


何故にクールボーイもご一緒に?いや一人より二人…心強いには違いない。


「大人数で行く方が怖くないよね」


流石のばあちゃまも怖いのかな…。そしてばあちゃまに可愛い夏用のミュールを買ってもらい家に帰って、手巻き寿司を食べた後にまたまた篠崎家家族会議を開いた。


「何だって?!不倫だと?」


真史お父さんはグワッと魔力を上げた。由佳ママは興奮する真史お父さんの肩を叩いた。


「真くんっあくまでそう見えたってだけなのよ。現に私達、今の奥さんのお顔も知らないからあくまでそう見えたってだけなのよ?それでね、お義母さんが確かめに行って来てくれるんだけど、麻里香達も一緒に付いて行ってくれるそうなのよ、ね?」


「麻里香達?」


翔真が手を挙げた。すると悠真も真似て手を挙げた。


「俺と悠真も。一応実の息子だし、ばーちゃんと一緒について行ってもおかしくないだろう?前の待ち伏せみたいにアイツがばーちゃんやねーちゃんに何かするのは俺と悠真で防げるし」


おおっ悠真!あんたも前に出てくれるの?思わず見ると悠真は私に向かってサムズアップをしている。


「確かに大人数で押しかけても亮暢は身構えるし、初対面の義理の妹さんに会うにしても、俺や由佳の顔を見たらあの亮暢のことだ、嫌がらせだとか騒がれても困るしな」


「子供と年寄りだけの方があちら側も身構えなくていいかもな。しかし本当に連絡なしでいきなり会いにいくのか?」


じいちゃまがばあちゃまにそう心配そうに聞くと、ばあちゃまはショッピングモールで買って来たお洒落なドーナツを食べながら、高笑いをした。


「姑が息子の家に突撃訪問なんて世間じゃよくあることだよ!まだいきなり泊まりに行かないだけでも有難いと思ってくれなくちゃ!」


確かにばあちゃまの言う通り。嫁姑あるあるである。いきなり来る(行く)のは当たり前。無理難題も当たり前。口は出すけど金は出さないのも当たり前…である。


「何も亮暢とケンカしに行く訳じゃないしね、あくまで今の嫁の顔を確認しに行くっていうのが目的なんだから」


はい、これまたばあちゃまの言う通りである。ババ圧に押し切られた形で家族会議は終了した。


明日は海斗先輩とお誕生日デートだ。


お誕生日の話題にそぐわないけど、今日の亮暢の件…明日、海斗先輩に相談しようかな。


翌日


お天気は快晴だった。朝の10時家の前の路地からでた、表通りで海斗先輩を待つ。今日は昨日買ってもらったミュールを着用している。足元がフワフワしてテンションが上がる。


すると海斗先輩の魔力が近づいて来たので振り向いた。普通の一般道をおリムジンさん…が威風堂々と走ってくる。


え?えええ?待ってまって?


おリムジンさんが私の前でスチャッと停車した。


「おはよう!嫁っ」


運転手さんが恭しく開けた車のドアから今日も眩しい元旦那が飛び出してきた。派手過ぎる…。


「ちょ…!なんでまたこんな狭い路地に縦長のおリムジンさん何ですかっ?!これならいつものおべんつさぁんの方がまだマシです!」


「なんだよ~嫁ぇ、せっかくの誕生日の日に…はい、麻里香16才おめでとう!」


と、言ってサッと出してきたのは真っ赤な薔薇の花束だった!ひええ!嬉しいけど、ご近所で目立ってるよぉぉ?!


私はおリムジンさんに花束ごと元旦那を蹴り上げて押し込んだ。花束にはしっかりと物理防御魔法をかけてあげた。花も生きているものね、ふふ綺麗。


私に蹴り上げられた元旦那、海斗先輩は蹴られたお尻が痛いのかものすごく剥れている。


「も~っ!なんだよっ会った早々~。車出してぇ…」


おリムジンさんの中は運転席との間に仕切りがあった。豪華なソファでグラスやワインが置いてある。すごい!これドラマで見たことあるよ。


私は走りだしたおリムジンさんの中で居住まいを正すと、改めて海斗先輩に頭を下げた。


「本日はお迎え頂いてありがとうございます」


海斗先輩は優しい笑顔を見せてから、私に近づくと唇に優しくキスをしてくれた。


「愛する嫁の為だ、苦にもならない」


はああ~この人真顔で甘い言葉吐けるタイプだった。そうだった…よく考えればマリアティナの時も2人で馬車に乗っている時もくっついてきていたし、平気でキスとかしてくるタイプだったね。


「今日はどこに行くのですか?」


「ん~内緒…と言いたいけど、まあ場所くらいはいいか。奥多摩のレストランでまずはランチだな。それからクルージング。夜は横浜でディナー」


「セ…セレブ…」


「愛する麻里香の為だ」


「それで全てが許されるとお思いですかぁぁ…あ、そうだ、今相談しておこうかな」


昨日の不倫現場?目撃をいつ、海斗先輩に相談しようかと思っていたが、おリムジンさん移動の途中がいいかな~と今話すことにした。話を聞き終わると海斗先輩は深い溜め息をついた。


「成程…またとんでもないものを目撃してしまったな。しかし麻里香だけならともかく、由佳さんやあのおばあ様も一緒か…」


「はい、取り敢えずその亮暢と一緒にいた女性が今の嫁かどうかを確認する…と祖母が息巻いていまして、一応ストッパーのつもりで私と翔真と悠真が付き添うことになりました」


「何でまた年寄りと子供だけなんだ?」


「真史お父さんや祖父が行ってもし、今嫁しか在宅していなかった時に威圧感が出るかもしれないからと…」


ふむ…と海斗先輩は顎に手を当てた。


「確かに亮暢氏が不在の時に男が押しかけているのは外聞も悪いな。よし、分かった!俺が魔法で隠れて付いて行こう!」


すごい自信満々だけれど、はっきり言ってまたストーキングするつもりだね?


「まぁいいですけど…あまり近づきすぎて気づかれないで下さいよ?」


まあストーキングの話は置いておいて…


昼食は奥多摩の隠れ家みたいなレストランで地元で獲れたお魚や、なんとお蕎麦も出してくれたりした。美味!


奥多摩温泉で足湯に浸かってリフレッシュしてから、都内に再び戻り、海斗先輩所有の船でクルージングだった。何度でも言おう、栃澤海斗所有の船でクルージングだっ!


海から見る夕日が綺麗…セレブって優雅だな…。今日はお洗濯物がよく乾きそう…だとか、洗濯機買い替えるなら乾燥機付きの10キロタイプにしよう…とか、庶民感溢れる思いをこの夕日を見ながら思っているなんて、横の元旦那は思いつきもしないんだろうな~。


チラッと顔を上げるとびっくりするくらいの優しい目で私を見ていた。


「麻里香、幸せ?」


「はい」


即答した。大好きな家族、友達もできた。そして異世界での辛かった思いが、こちらの世界で綺麗になくなり、今成就した。これ以上の幸せがあるものか。元旦那、今彼氏の栃澤海斗の顔が近づいて来る。


船上でキス…ああこれもまたセレブっぽい。船首で風でも受けてこようかな~あはは。


夜、横浜のお洒落なフレンチでディナーだ。カトラリーの使い方は前世の記憶しているマナーで大丈夫のようだ。


「流石、嫁だ」


「お褒めにあずかり光栄です」


そんな私の首元にはネックレスが輝いている。海斗先輩の私への誕生日プレゼントだ。


「いつかは結婚指輪を贈るから」


と言われてしまった。嬉しい反面…相変わらず想いが重いなぁ~と思った。駄洒落ではない、念のため。


素敵な誕生日だったなぁ~。


美味しい料理と美味しい飲み物。大好きな人と美味しい食事。綺麗な夜景と美味しい食べ物。


やけに食べ物の比重が大きいことは目を瞑って欲しい。美味しい料理>好きな人の比重になっているのにも目を瞑って欲しい。



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