嫁、尾行する
日本に帰国した次の日、私は朝一から出かけることにした。
「麻里香、どこに行くの?」
今日、由佳ママは子供達とお父さんとばあちゃま達と水族館に行くそうだ。
「わ…私はえっと、デートかな?」
疑問形にしたのは、尾行もデートのジャンルに入るのか疑問だったからだ。
由佳ママはデートと聞いてニヤニヤしながら私の服を見た。
「デートの割にはジーンズなの?まあ麻里香は何着ても可愛いからいいか!楽しんで来てね」
オホホ…。今日は可愛さより、動きやすさ重視なんですよ~。
私は何となく後ろめたい気持ちのまま急いで家を出た。ん?この気配は…。ストーカーは朝から電柱の影に潜んでいた!
「こんな住宅街の真ん中で不審者丸出しの立ち方しないで下さい!」
「おはよう、嫁」
「おはようございます、海斗先輩」
見た目芸能人みたいなのに、コソコソ電柱の影に隠れているのは、何だかイメージダウンだよ!何のイメージが下がっているのかは良く分からないけど、若い男の子に風評被害が起こりそうだよ!
「じゃあ行くか。そこの路地で術を使うか、麻里香お前は消音魔法を使ってくれ」
「御意」
私達は横の路地に入ると、周囲を気にしながら魔法を使った。
「篠崎 亮暢は今日は休みで夜、大学の同級生の飲み会に参加するそうだ。旧姓、多部 優樹菜は今日は娘を連れて実家に帰省中だ」
どうやって調べたんだろう?とかツッコミたいけれど、権力とかお金とかが絡んでいそうで怖いので、そうですか、と相槌だけ打っておく。
「取り敢えず居住地を見てみるか?」
と言って風魔法で私達は空中に飛びあがると、移動を開始した。外から見えないとなると大胆な動きも可能だ。
「空を飛んで移動なんて初めてです~」
「そうか、俺はしょっちゅうだがな」
いいな~私みたいな感覚型の術者がこの術を使って、万が一失敗して地上に落っこちたら…と考えたら…危ない危ない。自分だけならいざ知らず、地上に居る人に当たってしまったら…絶対止めておこう。
そして10分ほど飛行して、都心より少し離れた他府県ギリギリの所に海斗先輩は降り立った。
「ここだ」
若干…昭和レトロな感じのするアパートだ。ポストを確認すると『篠崎』と確かにある。
「あの…、先輩はご存知でしょうか?6年ほど前は私達家族は分譲マンションに住んでいたのですが…」
海斗先輩は頷いてから、元パパの部屋の窓辺りを見上げた。
「あのマンションは手放した」
「そ、そうですか」
まあ元嫁と住んでいた所には住みたくないのだろうけど…。
「今、部屋に居るか中に入って見てみるか?」
「ふ、不法侵入はダメです!絶対ダメです!」
私が目を剥いて怒ると、じゃあどうするんだよ~と海斗先輩は口を尖らせた。
つまり、ここで張り込みも疲れるし…亮暢が家の中から外に出たら分かるようにしておけば言い訳で…。人感センサー!あれを玄関につけておけば…よしっ術式を頭の中で練りあげた。
「出来ました!」
「何がだ?」
私は風魔法で、二階の元パパの部屋の前の玄関ドアの前に降り立った。そしてドアの前で術式を展開した。
「ふむ…当たれば感知する術か…。お前…やっぱり無駄に天才肌だな」
「無駄って何ですか、失礼ですよ!もう…じゃあ、この近くで時間の潰せる…ファミレスでも行きましょうか」
と、私が携帯電話で近隣の飲食店を検索し始めると、何か海斗先輩の魔質がおかしい?
顔を上げて海斗先輩を見ると、明らかにキョドっていた。
「どうされました?あっ!まさかファミレスなんて庶民の店なんて入れるか!でしょうか?それは困りますよ?私、そこしか知りませんし…」
「いや、違う…その…。は、初めてなんだ。その、そう言う店に入るの」
「はっ…入ったこと無いのですか?!」
これは…!思わずニヤリとしてしまった。
「まあぁぁ~これは大変!王太子殿下ともあろうお方が…おほほ、では僭越ながら私がご案内させて頂きますわぁ~」
海斗先輩は悔しそうに私を睨んで来た。おーほっほっほっ!
チリーン…。
私の人感センサーに反応があって、慌てて音の方を見ると元パパの亮暢が外に出て来たようだ。
あ、あれ?6年会ってないのだけれど、何だか老けてる…。真史お父さんより年上に見える。
「どうした?麻里香」
「何だか…老けてます」
「そりゃお前、6年も経てば誰だって老けるさ」
亮暢はゆっくりと階段を降りて来ると、私達の前を通り過ぎて行く。魔質は以前より悪い。お腹の辺りがやっぱり黒い。もしかして魔核が出来かけているのかも…。
「覇気のない男だな。どうする?後をつけるか?」
私は黙って頷いた。私と先輩はゆっくりと歩いて行く亮暢の後をついて行った。
ゆっくりと歩いて行く元パパ、亮暢は偶然にも駅前のファミレスに入って行った。
「海斗先輩…こちらがファミレスになります。どうしましょう?入ってみますか?」
店内は連休中だがそれ程混んでいるようにも見えないが、万が一亮暢と至近距離の席に案内された場合、困るな…。
「先輩…中に入るのはマズイかもですね。元父と近い席になった時に誤魔化しがききません」
海斗先輩は少し顎に手を当てた後に術を発動した。顔の周りに何か術が発動する。何だろう?
「自分の顔を写メで撮ってみろ」
え?自撮り?何が何だか分からないけど取り敢えず自分の顔を撮ってみた。そして写メの画像を確認した。
「え?えええ?!」
画像には綺麗なお姉さんが写っている?思わずポシェットの中の手鏡を取り出して自分の顔を見てみる。
「いつもの顔だ…これ何?写真に綺麗なお姉さんが写っているんだけど…あれ?この顔どこかで…」
「どうだ!上手くいっただろう。顔の周りに変化魔法をかけてある。因み作った顔はマリアティナを思い出しながら術をかけた」
「マリアティナ!そうかどっかで見たことあるお姉さんだと思ったよ!改めて見ると大人っぽいね」
ほえ~っ感心した溜息しか出てこない。
「さあ、これで堂々と入店出来るな?参ろうか」
いやあの、参るほどのお店じゃない…て言う言い方も各方面のファミレス店に失礼か…。うわわっ…先に海斗先輩だけを行かせてはいけない!猛ダッシュで海斗先輩を追いかけた。
「いらっしゃいませ~二名様ですか?」
「……」
海斗先輩が入口でウエイトレスさんに話しかけられて石像化している!急いで私が間に入った。
「はいっ!二名です」
「空いているお席にどうぞ!」
「はいっ!」
「……」
「先輩っこっちこっち!」
石像先輩の手を引っ張って亮暢の背後の席に座った。
改めて近くから見ると、草臥れた中年のおじさんだ…いやおじさんに間違いはないのだけれど、どうしても真史お父さんと比べてしまう。本当に兄弟なのにこんなに違うの?
亮暢のテーブルにウエイトレスさんが注文を聞きに来ているが、声が小さくて全然聞こえない。
あっ私達のテーブルにもウエイトレスさん来ちゃった。
「ご注文お決まりになりましたら、ベルを押して下さい」
「おっはい!はい、先輩これがメニューです」
ファミレスのメニューを海斗先輩に差し出した。
「メニュー…!写真が載っている…画期的だな」
「ファミレスでは当たり前です」
全種類のメニューを頼もうとする海斗先輩を何とか制して、ドリンクバーとケーキセットにしてみた。
「何だと?!このメガ盛りビーフステーキが食べてみたい」
「しーっ!それはまた今度で」
背後は静かに食べる亮暢の食器の当たる音しかしない。休日のファミレスで店内は結構騒がしいので、亮暢元パパは店内で異質な感じだ。
結局…亮暢は食べ終わるとすぐに店を出て、またアパートに戻って行った。
「なんか休日のおじさんって切ないですね…」
「寄り道とかしないんだな…」
現役高校生としてはブラブラするのが当たり前と思っていたのだが…。
結局、夕方まで亮暢は家の中にいた。そして大学の同級生との飲み会に出かけてるのをまた、後をつけていく。
「このまま何もないなら、おじさんの一日観察日記みたいになってしまいますね…」
「うん…まあもう少し付き合ってみるか…」
亮暢は駅に着き改札を抜けて行ってしまう。
「しまった。電車に乗っちゃった…」
ハッ…として横を見ると「俺達も電車に乗るのか?ワクワク!」みたいな顔をした元王太子殿下がこちらをガン見していた。
「…あっそうだ!亮暢の魔質は分かるから空を飛んで追いましょうか~ささ、殿下。姿隠しのお願いします」
「ええ?!電車に乗らないのか?」
「それもまた今度で…」
海斗先輩は名残惜しそうに改札口を見詰めていたが、術をかけてくれた。
「次は絶対電車に乗るからな~」
「はいはい……っはっ?!」
次?私、もしかして次のデートの約束を無意識のうちにしてしまっていた?
海斗先輩はもう空を飛んで移動を始めている。仕方ない…後でそんな約束してましたっけ~?と、しらを切ろう。
慌てて海斗先輩の後を追い、空へ飛び上がった。
亮暢は都心近くの駅で電車を降りた。結構な人混みなので、姿隠しの術は解いて普通の尾行で亮暢の後を追う。やがて、大通りに面した一軒の居酒屋に入って行った。
居酒屋…!こ、これは高校生には入るのが躊躇われるお店だ。
しかし海斗先輩は一切の迷いも無く、居酒屋の引き戸を開けると中に入ってしまった。
いけない、また石像先輩化しているかもしれない!慌てて私も居酒屋の店内に入って行った。
先輩は…。うおっ?!店員さんと話している。
「予約をしていた栃澤ですが…」
「はい、奥の座敷ですね、こちらにどうぞ」
何だって?ええ?予約していた?どういうこと?
店員さんに案内されて奥の個室に案内される。隣の部屋との間仕切りは薄い障子一枚だけのようだ。
お隣は結構騒がしい。まあまあの人数の方が集まっているようだ。
私は靴を脱いで掘りごたつ式のテーブルに座りながら海斗先輩に聞いた。
「予約って何ですか?」
「篠崎 亮暢が同級生の集まりでこの店に来ることは知っていた。当然店に予約を入れているとみた。時間と予約席の場所を確認したらその隣を押さえておけば問題ない。もし、篠崎 亮暢の気が変わってここに来ないとしても、麻里香と夕食はここで取ろうと決めていた」
準備いいね…。ぐうの音も出ませんよ。どうやってこの店の予約の詳細を知り得たのか、どこからこの飲み会の情報を得たのか…探偵を雇っているというよりはまるで忍者みたいな動きだ。
あら?もしかしてこの世界でも諜報の間者を操っているのかな、ナキート殿下…?
「よ~っ久しぶり!」
「元気だった?」
お隣では男女の声が聞こえる。なんとここでは亮暢の声が良く聞こえる。ファミレスであんな囁きボイスだったのにどういうことだ。
「おい麻里香、この縞ほっけって何だ?」
「……魚の名前です。開いて干したものです」
この緊張感の無い元王太子殿下を睨んでやる。こんなところで下の名前で呼ぶな!
「軟骨唐揚げ…鳥肉か豚肉?」
「……鳥でございます」
「すじ肉オムレツって何だ?」
私は海斗先輩のメニューを取り上げた。
「私が頼みますから先輩は大人しくしていて下さい」
「ええ?!特製地獄鍋っていうの食べたいのにぃ?!」
ちらりとメニューを見ると地獄鍋の写真の横に辛さ病みつき!とか書いてあるでないか。
「これは激辛メニューの可能性があります!むやみやたらに頼むものではありません!」
私はすかさず、テーブルの上に置いてある呼び出しベルを押した。
はーい!お待ちくださーい!と元気よく店員さんが返事をしてくれた。ブスッとして私を睨んでいる海斗先輩に睨み返して
「今日はあくまで調査が目的です!羽目を外さない!」
「……はい」
とピシャと言ってやった。お隣の座敷には飲み物が運ばれてきたようだ。私も知っている亮暢の出身大学名を叫びながら、乾杯の声が上がっている。
そしてこちらの座敷にも店員さんがやって来た。
「お決まりですか?」
「はい、この縞ホッケ焼きと軟骨の唐揚げ、枝豆、牛すじオムレツ、季節の刺身の盛り合わせと焼き鳥串5本セット、それとカルビ丼一つと、塩焼きそば一つと特製ティラミスと卵プリンを一つずつ、それと烏龍茶二つお願いします」
店員さんは慌ててハンディタイプの端末に入力している。
「デザートは後ほどお持ちしましょうか?」
「いえ一緒で」
「畏まりました。オーダー入りまーす!」
海斗先輩はポカンとしている。
「慣れてるな…」
「真史お父さん居酒屋好きなんですよ。流石に今は下の子も居るので行ってませんが、昔はよく連れて行って貰ってました」
私はお通しのからし蓮根合えをつまみながら海斗先輩を見た。
「激辛料理はおススメしませんけど、海斗先輩には食べたことないものばかりでしょう?取り敢えずはお食事を楽しんで下さいませ」
海斗先輩は少し下を向くと嬉しそうに微笑んでいる。昔も王太子殿下だし、今だってお坊ちゃまだし、羽を伸ばして…とかしたことないと思うのよね。せめて今は私もいるし、庶民の食事を楽しんで欲しい。
「篠崎~お前そういやバツ一だよね」
「今は若い嫁を貰ってるよね!いいなぁ~」
おっと…本来の目的を…隣の座敷に耳を澄ませる。亮暢の言葉を待つ。
「まあ嫁は若い方がいいよな~!」
……感じ悪い。由佳ママ、年は亮暢より一つ下だけど、少なくとも今のあんたより輝いてるしめっちゃ若いし!
「はぁ…でもさ~前の嫁がさ…」
んん?これ来たか?来たのか?海斗先輩を見ると海斗先輩も頷いている。
「お待ちどう~!」
おっと、烏龍茶と枝豆が運ばれてきた。笑顔で店員さんに会釈していたら…。
「前の嫁がつきまとってさぁ~」
……なんだってぇ?!
笑顔が凍り付いた。
そしてこちらに次々と料理が運ばれて来る間、亮暢による独白は続いていた。
「それがさ~もう別れて6年も経ってるのに、まだつきまとってきてさ…参るよ。子供はあっちが引き取ってるんだけどその子供を使って、俺に接触しようとするしさ。」
「ええ?こわーい!」
「それって粘着系な女じゃない?」
周りから由佳ママに対する非難が浴びせられる。亮暢は更に声を大きくした。
「今の嫁と結婚する時にもさ、散々嫌がらせされて変な郵便物は送り付けてくるし…俺のマンションに居座るし…ずっと監視してくるんだよ」
何だと?何だって?それどういう話だよっ!
「麻里香…堪えろ」
海斗先輩が私の手を摩ってくれた。危ない…魔力が暴発しそうになっていた。
「今もさ~俺と復縁したいのかな、キモイ」
「…っ!」
「ティナ」
海斗先輩に名を呼ばれて、また魔力を押さえた。
「あんなことを言っているんだ…」
「そうだな、ほぼ報告通りの内容だな。普段から会社の同僚などにも同じようなことを言っているらしい」
すると、亮暢と同じ席にいる、女性から声が上がった。
「あれ~でも前の奥さんって再婚してなかった?」
隣の座敷が急に静かになる。女性はゆっくりと話し出した。
「昔よく一緒に合コンに行ってた高校の同級生と、お互いの子供のスイミングスクールで再会してさ〜その時に話になったのよ。その合コンの時に仲良くなって一時期皆で遊びに行ったりしてたでしょ?そのメンバーに篠崎君も元奥さんもいたじゃない?それで彼女は今、その元奥さんと偶然に子供さんが同じ幼稚園らしいのよ。年中組に子供さんいるみたいだし、4,5才の子供でしょう?当然再婚相手の子供よね?」
すごい!これは急に由佳ママの援護射撃にこの女性が入ってくれた。由佳ママの彩香を介してのママ友のようだ。
「そ…そうなの?俺に熱心に電話もかけてくるし、つきまとってくるし…本当に再婚してるのかな…?あんな女、嫁に貰ってくれるヤツなんていないよ…。料理はしない、子供も放置する…。おまけに俺の親にまであることない事ぶちあげて、俺の実の親なのにアイツの味方をするんだぜ?俺の孫にも全然会ってくれないし…。目の敵にしてるんだよ」
呆れた…。本当に呆れた。つい、縞ホッケを食べ始めてしまった。そうか…これがアノ病の人の特徴か。
「悲劇のヒロイン症候群ですね~」
「何だそれ?」
塩焼きそばを食べながら海斗先輩が聞いてきたので、検索して携帯電話の画面を先輩に見せてあげた。
「なるほど、病の一種か?」
「薬は効かないと思いますよ。性格によるものなので」
亮暢はそう言ってからトイレに席を立ったようだ。すると隣の座敷で先ほど援護射撃をしてくれた女性が
「ねぇ、実のお母さんが元嫁の味方するって珍しくない?」
と別の女性に話しかけている声が聞こえた。
「珍しいっていうか私の感覚じゃ有り得ないね!」
「それって元嫁さんが、息子を差し置いて元義母と仲が良いってことだよな?よっぽど何かないとそうはならなくないか?」
女性と男性が援護射撃の女性に相槌を打つとその援護射撃の女性が
「私その元奥さんとママ友の彼女に連絡してみるよ。えっと…今…」
と、ママ友さんに向けて携帯電話のメッセージを打ち始めた。
「これは嘘が暴かれますかね?」
「どうだろうな…。亮暢がどう対処するかな…」
私は刺身を口に入れながら隣の様子を窺う。あ~もう私も隣に乱入して援護射撃したいよ!
「あ、返事来た」
思わず部屋の間仕切りの障子にへばりついてしまう。
「あ~なんだ。今は引っ越しして同じ園には通っていないので詳しくはないけど、確かに結婚しているっぽいだって。それと時々一番上のお姉ちゃんが年中の妹さんを迎えに来てたりしたので、その娘さんは知っているよ、だって!」
おわっ?!私の事知っているの?名前誰だろ?大樹くんのママ?香織ちゃんのママ?
「一番上って事は亮暢の子供だよな?どんな感じなんだろ?」
男性の声がする。おじさんっ私ここにいますよー!
「あれ、返事来たけど…すごくしっかりした子でおばさんみたいだった…ですって」
…おいっ?
おばさんにおばさんと指摘されるのか?
もっと女子高生を表現するのに『可愛い』とか『瑞々しい』とか『初々しい』とか色々あるだろう?
「ぶはははっ!」
……元旦那はなんでまた目の前でカルビ丼食べながら爆笑しているのかな?
悔しくって烏龍茶をがぶ飲みしてやった。
すると亮暢がトイレから戻って来たようだ。
「あ~篠崎、やっぱり前の奥さん再婚してたみたいだって」
海斗先輩と二人、息を詰めて亮暢の様子を窺った。
さあ、どう出る?メンヘラよ?




