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40 それから

最終話です!


「ラヴィルさん、そろそろ時間ですよ!」

「·····うん。」

ラヴィルさんは返事はしたものの、その場から動く気配はない。

·····もう、仕方ないなぁ。


私はラヴィルさんに近づくと腕をとって、立ち上らせる。

「ほら!行きますよー!!」

「·····どうしてもいかないとダメかなぁ」

「ダメです!」

「分かった。」


そう言うと、ラヴィルさんは渋々ではあるものの自分で動きだした。

もう、まったく·····。

そんなラヴィルさんに私はふぅ、と安堵の息をついた。








今日で革命から、二年が経った。

国はロナン様とシナン様の宣言通り民が心まで豊かな素敵な国へと変わった。

パイネマの差別も全ての人とまでいかなくても二年前に比べれば、ずっと改善された。

アリスちゃん達もそれぞれの仕事を立派にこなしているし、ジョズさんは例の眼鏡の人とも仲直り出来たようだ。

また、アリスちゃんは年々心身共に強い女性になっていて、心強い限りだ。

ちなみに当初の聖女召喚の目的であった魔物退治も一年前に全て終わらせた為、国はこれ以上ないほどに賑わっている。


そして、当の私は何をしているかというと·····。


「由奈」

さっきまで気だるげにしていたラヴィルさんは私にぐで〜と抱きつく。

「ほら、早く準備してください」

「ん〜」



私は今、王族専属魔術師の一人としてラヴィルさんと共に働いている。


私を抱きしめるのをやめたラヴィルさんはのろのろとした動きで服を脱ぐ。

私はギョッとして思わず叫んだ。

「ちょっ、ここで脱がないでください!!」

「え〜·····」

「え〜じゃありません!あっちに部屋あるじゃないですか。」

「·····わかった。」

上半身だけ服を脱いだラヴィルさんはそのまま奥の部屋へと入っていく。

その上半身に昔見た茨の模様は無くなっていた。

いつ頃からなのかは分からないけど、ラヴィルさんの呪いの痕跡は少しずつ月日と共に薄れつつある。



·····うん。それは嬉しい限りなんですけど、年々ラヴィルさんが暴走し始めてる気がする。なんというか、欲望に忠実?

最近、人前でも普通に抱きついてくるし。·····あれ?それは元々か。


そんなことを考えていると部屋にノック音が聞こえた。

「はーい、どうぞ」

「失礼」

短い挨拶とともに入ってきたのは現国王であるロナン様だった。ロナン様はこの二年で国王としてほぼ休みなく動き回り、この国の汚れを一掃した。その頑張りのお陰で今もロナン様の信頼は厚い。

「あれ、ラヴィルは?」

「あ、今ちょうど着替えてます。」

「なんだ、すれ違いだったのか」

「はい」

私が頷くとしばらく部屋をキョロキョロと見渡したロナン様はニタリと笑う。·····む、嫌な予感。


「それで、由奈とラヴィルはいつ結婚するんだい?」

「·····だから、まだそういうのは早いと思います」

「何を馬鹿なことを。お互いもういい年だろ?」

うるせえやい、私はまだ20代ですー!!元の世界ではこんなにピチピチな女性をいい年なんて言わないですー!


私は心の中で密かにロナン様にあっかんべーとする。


そう、実は今私とラヴィルさんは付き合っている。あ、ちゃんと恋愛的な意味でだよ!


ちなみに付き合い始めたのは半年前のこと。

なぜ付き合ってるのかと聞かれれば理由は単純で、カタリーナさんがいつの日にか教えてくれたように、考えるより身体が動いていたからだ。


というのも、ラヴィルさんは革命が終わったあとも休まずにフルで自分の魔力を使いまくっていた。

自分の魔法が役に立つのならと言って。

その結果、魔力欠乏症と言う病気になったラヴィルさんは私の目の前で倒れた。

まあ、幸いすぐに目は覚めたけどラヴィルさんが気を失っているあいだ私はずっと生きた心地がしなかったし、ラヴィルさんが目を覚ました時はそこにいた誰よりも喜んだ。

その時に気づいたのだ。

もうとっくにラヴィルさんが私の中で大切な存在になっていることに。


と言いますか·····、それがなくても毎日一日一回はハグされるし、会う度に甘い顔で甘いセリフ吐いてくるから常に心臓は重労働を強いられてたんだけどね。


まあ、そんなこともありめでたく付き合うことにはなったのだけれど付き合ってから一層、ロナン様がウザったく絡んでくるようになった。ロナン様曰く、由奈はこの世界ではもうとっくに結婚して子供もいるような年齢だから心配しているらしいけと、絶対嘘だ。だって、この人そんな良い奴じゃないもん。

精々、本音は面白そうだからからかってみようって所だろう。なんせ、相手はあのロナン様ですからね。


「それより、ロナン様は準備されなくていいんですか?もうそろそろですよね?」

首を傾げてロナン様に聞くと、ロナン様は「ああ、すぐに準備しないとだからそろそろお暇しようかな」と言って淡い笑みを浮かべた

「え、ラヴィルさんにあって行かれなくていいんですか?」

「ああ。今会わなくてもあとで会えるしね。」

ロナン様の言葉にそれならなぜ来た、と思わないでもないが私はまあ確かに、と頷く。


この後、私達は革命から二年がたったということで城で開かれるパーティーに出席しなければいけない。

だからぐずるラヴィルさんを一生懸命時間に間に合うように着替えさせようとしていた。なにせ、革命軍はこの国の英雄とされているからね。

なのに、ラヴィルさんと来たらあんなぐてんぐてんして·····。


ラヴィルさんの所業を思い出して唸っていると、奥の部屋からしっかりと式典用の服に着替え終わったラヴィルさんが出てきた。


「あ、ラヴィルさん!」

「あれ、ロナン様?」

私が呼びかけるとラヴィルさんは私を見て、それからロナン様を見て首を傾げた。

と、その視線を受けてロナン様は一言。

「来ちゃった」



·····どこの彼女だよ。

語尾にハートマークがつきそうな勢いなロナン様に思わずそんなことを思う。


「来ちゃった、じゃないです、ロナン様。·····着せ替え人形のようになるのが嫌でここに避難してきたんでしょう」

ラヴィルさんがジト目でロナン様を見つめると、ロナン様はぎぐっと身体を強ばらせる。

「·····まあ、そういう理由も無くはない。」

あんた絶対それ完全に図星でしょ。


すっと目をそらすロナン様に私は思わず吹き出しそうになる。

うん、確かにロナン様ほど美しいと着せ替え人形の如く服を着させたくなるのもわかる気がする。


ふふ、と笑ってるとロナン様がギロっと私を睨む。

「笑い事じゃないよ。最近ではアリスまで加わってさらに賑やかになって来て·····。式典に出る前に心が折れる。」

「まあ、それはいいざま·····お気の毒に」

「由奈、本音が出てる」


おほほ、なんの事かしら?

ラヴィルさんの指摘に私は知らんぷりをして微笑む。

「まったく、君達も夫婦揃って大概いい性格してるよね。」

「ふ、夫婦じゃありませんから!」

「夫婦だろ。住む場所は一緒。職場も一緒。四六時中イチャついてる。·····むしろ普通の夫婦よりも胸焼けするな。」

自分で言い出したくせにうへぇ、と顔を顰めたロナン様に私は叫んだ。


「だから、夫婦じゃないって言ってるでしょ!!」





私は知らない。

そう、叫んだ二時間後ラヴィルさんから正式にプロポーズされることを。

夫婦になる日はそう遠くないのだということを。









あるところに、黒い髪の男の子がいました。


その男の子は自分のことがずっと大きらいでした。そんな時に


男の子は悪い王さまにお城によばれてしまいます。


男の子がお城にいくと、男の子は


のろいをかけられてしまいました。


男の子はそのせいで長いあいだ、くるしみました。


でも、そんなときにちがう世界から聖女さまと黒姫さまが


しょうかんされました。


悪い王さまの話をきいた二人はおこりました。


そして二人は悪い王さまをみんなできょうりょくして


たおすことにしました。


そして聖女さまと黒姫さまはなかまのちからをかりて、


悪い王さまをたおしたのです!!


こうして、国はしあわせになりました。


のろいをかけられてしまった男の子も


のろいをとくことができました。


男の子はじぶんをすくってくれた黒姫さまに


恋をしてしまったので、プロポーズをしました。


黒姫さまはよろこんでプロポーズをうけとって、ふたりは


『ふうふ』になりました。


それからもふたりは末永くしあわせにくらしましたとさ。


めでたし、めでたし。



◇◆◇


「え、何このおとぎ話?てか、黒姫って何?!」

「あ、それロナン様がつくらせたやつだよ。黒姫は由奈のこと。」

「あのクソ陛下!!!」





END



更新はまちまちになりましたし、文章は拙いこの物語を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

また、この作品は当初の目標より糖度が明らかに足りていないのでもしかしたら番外編などを上げて補うかもです。その時はまた覗いてくださったら幸いです。

本当にありがとうございました。

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