第37話:緊急依頼③
俺達は、休憩を終わらせ先に進んで行く。
少ししてオーク数匹が襲撃をして来たが、オリヴィアがオーク数匹の首を剣で次々に切り落としていく。
セレーネはオリヴィアが次々にオーク数匹の首を剣で切り落とす姿を見て
「ご主人様、オリヴィアは凄いですね。私では勝てそうにありません」
と言う。
「そうだな、思っていたよりも強いもんな」
そんな事をセレーネと話すとオリヴィアは、その間にオークの首を全て切り落としていた。
「主! 終わりました」
「わかった、オークの死体を回収した後、先に進むぞ」
「「わかりました!!」」
「はっ!」
やっぱり、ティアーナとセレーネって双子みたいだよな。
そんな事を思いながら俺は先に進んで行く。
それから、何度かオークやダークウルフが襲撃して来たがティアーナ、セレーネ、オリヴィアが倒している。
ダンジョンを進むにつれて魔物の死体の数が増えていくなか俺はそれを回収することしかしていない。
俺も戦おうと何度かしたのだが3人に止められるのだ。
ティアーナには「私では、ダメですか?」と言われ、ティアーナには「私が、戦います!」と言われ、オリヴィアには「主を戦わせる訳には、いきません!」と言われるのだ。
だから、3人が無理そうな相手だけ戦うことになったのだが、やる事がほとんど無いので3人が倒した魔物の死体や落ちている魔物の死体を回収しているのだ。
そういえば、ギルドマスター達以外の人を見ないな。だいぶ先にダンジョンに入っていったからまだ先にいるのか。
そんなことを考えながら先に進んでいく。
6階層に到達して進んでいるのだが、何故か魔物を一匹も見ない。正確に言うと魔物の死体は見るが生きている魔物を見ないのだ。
かなり進んでいるが未だに魔物を一匹も見ないのだ何故だ?
そんな事を考えながら進んでいる。
落ちている魔物の死体は俺の腕輪に入れているのでかなりの数になっている。
結局6階層では、魔物と一匹も戦闘することなく7階層に到達することが出来た。
7階層でも今のところ魔物の死体が落ちているだけで魔物と戦闘をしていない。
なんで魔物がいないんだ? 魔物の死体は有るんだけど。先に行った冒険者達が倒したのかな? 楽できていいんだけど。
そんなことを考えていると、何かを引きずる音が聞こえてくる。
その音は、少しずつ俺達に近ずいて来ている。
俺はそれが聞こえた瞬間に二振りの刀を腕輪から出して待ち構える。
ティアーナ、セレーネ、オリヴィアもそれぞれ武器を構え来るのを待つ。
しばらくして前から現れたのは、牛の頭で人間のような体に牛の足に牛の尻尾があり右手にデカい斧を持った魔物だった。
そう、あの有名なミノタウロスが現れたのだ。
「ブモォーーッッ!!」
「白夜様! Bランクのミノタウロスです!」
お、やっぱりミノタウロスなのか。
「主! 私に戦わせて下さい!」
オリヴィアの強さも見てみたいし良いかな。それに、もし危なくなったら助けに入ればいいか。
「いいぞ、オリヴィア」
「はっ!」
オリヴィアはかなり気合いが入っているようだ。
オリヴィアは剣を構え直し、ミノタウロスに突っ込んで行く。
ミノタウロスは、突っ込んでくるオリヴィアに向けて斧を叩きつけるようにして上段から振り下ろす。
オリヴィアは、それを件で受け流しミノタウロスの左腕を斬りつけるが、ミノタウロスにはかすり傷しか出来ていない。
へぇー、見たところミノタウロスの皮膚は硬いのか。オリヴィアはどうやって倒すんだろ。
オリヴィアは、一度後ろに下がり魔法の詠唱を始めだす。
ミノタウロスはオリヴィアが詠唱をしているのに気づいたのか、オリヴィアとの距離を詰めて斧を右横から横薙をするが、オリヴィアは剣で受け止めると同時に詠唱が終わり、火属性魔法の火槍を3本ミノタウロスの胴体目掛けて放つ。
火槍は、ミノタウロスの胴体に直撃しミノタウロスは咆哮を放つ。
「ブモォーーッッ!!」
オリヴィアは火槍を放つと同時にミノタウロスから距離を取っている。
あ、そういえばミノタウロスのステータス見てないや、見てみるか。
――――――――――――――――――――――――
種族:ミノタウロス
年齢:0
性別:雄
適性:無
スキル
【大斧術】【剛力】【俊敏上昇中】【体力回復率上昇中】【身体能力上昇中】
耐性スキル
【斬撃耐性】
称号
【ダンジョンの魔物】
――――――――――――――――――――――――
スキルを見る限りミノタウロスの身体能力はかなり高いな。
それに、【斬撃耐性】があったからオリヴィアの攻撃があまり効かなかったのか。
ミノタウロスのステータスを見終わり今どうなっているのか見てみると、オリヴィアが若干だがミノタウロスを押している。
ミノタウロスの身体には切り傷がいくつも出来ているのがわかるが、オリヴィアはかなり疲れているようで肩で息をしている。
「はあ……はあ……」
だが、ミノタウロスもかなり疲れているようだ。
オリヴィアとミノタウロスが距離をとりしばらく睨み合った後、ミノタウロスが斧を手から離し四足歩行になり頭に生えている鋭い角をオリヴィアに向けて物凄い行き良いで突進してくる。
だが、オリヴィアは冷静にミノタウロスの動きを見て最小限の動きでミノタウロスの突進を避けミノタウロスに剣を振るったが、ひとつ切り傷が増えただけだ。
ミノタウロスは再度オリヴィアに突進するのだが、またもやオリヴィアに最小限の動きで避けられ、逆に剣を振るわれるが、ミノタウロスはそれをギリギリのとこで避けた。
オリヴィアは、一度後ろに下がりミノタウロスと距離を取り魔法の詠唱をし始める。
すぐに、ミノタウロスがオリヴィアに向かって突進してくる。
オリヴィアが詠唱を終わらせ突進してくるミノタウロスに向けて火槍を3本放つ。
火槍は、ミノタウロスの頭に直撃しミノタウロスの左角が「バキ」という音を立てて折れる。
そしてオリヴィアは、スライディングをしてミノタウロスの下を通る際に、ミノタウロスの首に剣を突き刺し剣はミノタウロスの首を貫通し、ミノタウロスは絶命した。
「はあ……はあ……」
オリヴィアは、肩で息をしながらミノタウロスの首に刺さっている剣を抜きその剣を杖替わりにしている。
「オリヴィア、大丈夫か?」
「は、はい」
うん、怪我はかすり傷くらいだけどかなり疲れているようだ。
ティアーナが詠唱を始めオリヴィアの傷を治す。
俺はティアーナがオリヴィアの傷を治しているあいだミノタウロスの死体を腕輪にしまい、少し離れたところに有るミノタウロスが使っていた斧を拾い腕輪にしまう。
その後、オリヴィアが回復するまで休憩することにする。
「オリヴィア、しばらく休憩するぞ」
「はあ……はあ……わかりまし」
オリヴィアはそう言うと倒れるようにして俺の方に倒れてくる。
俺はオリヴィアを受け止めあたふたしているとティアーナが言う。
「白夜様、オリヴィアに膝枕してあげて下さい」
「え?」
「してあげて下さい」
ティアーナの笑顔が怖かったので俺はオリヴィアに膝枕をすることにする。
「わ、わかった」
俺はティアーナに言われるがまま寝ているオリヴィアの頭をそっと持ち上げ俺の膝の上に乗せた。
オリヴィアは、俺の膝の上に頭を置きスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。
しばらく、オリヴィアがスヤスヤと気持ち良さそうに寝ているのを見ていると少しずつ眠たくなり、最終的に俺はいつの間にか眠りにつく。
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