第18話:ダンジョン
白夜達はダンジョンに初めて足を踏み入れた。
その感想は思っていた以上に明るいということだった。
白夜が考えていたのは薄暗い感じだった。
歩いていると分かれ道が見えてきた。白夜は適当に決めて進んだ。今のところ魔物とは遭遇していない。
歩いているとゴブリンが1匹曲がり角から現れた。ゴブリンが現れた瞬間、セレーネが槍でゴブリンを刺していた。ゴブリンは何も出来ずにセレーネによって倒された。
白夜はゴブリンが現れた瞬間【鑑定】を使おうとしたが、【鑑定】を使う前ゴブリンはセレーネの槍によって刺されて倒されていたので確認することが出来なかった。なので、次ゴブリンや新しく現れた魔物がいたら【鑑定】をしたいからすぐに倒さないようにティアーナとセレーネに伝えた。
その後、少ししてゴブリンが現れたので【鑑定】を使用した。
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種族:ゴブリン
年齢:0
性別:雄
適性:無
称号
【ダンジョンの魔物】
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え、これだけ。何かスキル持ってたら【強奪】で奪おうと思ったのに。
称号
【ダンジョンの魔物】:ダンジョンによって生み出された魔物に与えられる称号。
【鑑定】したゴブリンは、すぐにティアーナによって斬り殺された。斬り殺された後、ゴブリンの死体はそのまま放置しておくことにした。なんでも、死体を放置してもダンジョンが吸収するか他の魔物の餌になるらしい。それに、ゴブリンはお金にならないからだ。
その後、2回程ゴブリンが襲って来たがティアーナとセレーネが一撃で倒していた。
歩いていると階段が見えたのでその階段を上がって行った。
2階層に登ったが1階層と全く変わらなかった。
「1階層と変わらないんだな」
「白夜様、ほとんどの階層が同じような階層らしいですよ」
「へー、そうなんだ。ま、どんどん進んで行こうか」
「「はい!」」
2階層は、1階層と変わらずゴブリンが数回襲って来てティアーナとセレーネに瞬殺されていた。それに、ダンジョンに入って初めて他の冒険者に会った。初めて他の冒険者と会ったと言っても、入って少しして実はチラッとだが、何回か他の冒険者を見たんだけど。
3階層からゴブリンの他にスライムを見たのだが、スライムは臆病なのか俺たちの姿を見た瞬間に逃げて言った。そのせいで【鑑定】が出来なかった。
それからも冒険者パーティーとすれ違ったりした。その際にティアーナとセレーネをいやらしい目で見ていたのに少しイラっとした。
4階層では、3階層までゴブリンが襲って来た時には1匹だけだったのが、4階層からはゴブリンが複数で襲って来た。しかし、ティアーナとセレーネが危なげなくゴブリンを倒していた。 途中、何回か冒険者を見かけたが例外なく男性だけだった。
だからティアーナとセレーネにいやらしい目を向けて来た。
5階層に到達したが、お腹が少し減って来たのでご飯を食べることにした。それに少しずつではあるが1階層ごとが広くなってきているので次の階層に上がるのに時間がかかっていた。
俺は腕輪から屋台で買っておいた料理を出した。腕輪の中は時間が止まっているので料理が冷めたりはしない。
食事をしていたらゴブリンが襲って来たがティアーナとセレーネが楽々と倒していた。2人ともだいぶ慣れて来たと思う。俺は全然慣れていないんだけど。
そう言えば、魔人を殺した時に何も感じなかったな。これも吸血鬼になったからかな? まあ、ありがたいんだけどな。
俺達は食事を取り終えて少し休憩してから買った地図を見ながら6階層に上がれるところまで行くことにした。
休憩を終えて地図を見ながら進んでいると防具がボロボロで全員怪我をした冒険者パーティーが前からやってきた。
その冒険者パーティーとすれ違おうとした時にリーダーっぽい人が話しかけて来た。
「すまないが回復魔法を使える人はいませんか?」
俺は考えた後、ティアーナが光属性魔法が使えることを思い出しティアーナに回復魔法を使えるか聞いてみることにした。
「ティアーナって光属性魔法使えたよな。回復魔法とか使えたりしないか?」
「中級まででしたら使えます」
ティアーナがそう言ったと同時に冒険者の人達がティアーナを一斉に見た。
「ティアーナ、癒してやってくれ」
「わかりました」
ティアーナは魔法の詠唱をして冒険者達を次々と癒して言った。
「本当にありがとう。これは治療代だ!」
最初に話しかけて来た人が隣にいたバックを背負った人のバックから銀貨を12枚取り出して渡して来た。白夜はそれを受け取った。
その後、冒険者パーティーと別れた。
少しして6階層に上がることが出来た。
6階層からは、ゴブリンの他にコボルトという魔物がでてきた。それに魔物と出会う頻度が上がっていた。コボルトはゴブリンよりほんの少し強いぐらいだったのでティアーナとセレーネが今まで通り倒していた。
コボルトのステータス。
――――――――――――――――――――――――
種族:コボルト
年齢:0
性別:雄
適性:無
称号
【ダンジョンの魔物】
――――――――――――――――――――――――
ゴブリンと種族以外変わらなかった。
7階層に到達した。
7階層では、冒険者パーティーがコボルト7匹と戦っているのを見かけた。数回ゴブリンやゴブリンに襲撃されたがティアーナとセレーネが倒していた。少しずつだけどティアーナとセレーネが強くなっている気がする。
8階層は、一言で言うと冒険者がかなりの人数いた。理由は何でも冒険者になった貴族がなかなかダンジョンから出てこないから1階層から探しているらしい。冒険者がかなりの人数いるおかげで一回も魔物と出会うことなく9階層に行くことが出来た。
9階層でゴブリンやコボルトが何回も襲ってきたがいつも通りティアーナとセレーネが倒していった。進んで行くと少し広い所に出た。ちょうど良かったので今日そこで寝ることにした。交代で見張りについたがティアーナとセレーネが俺は見張りをしなくていいといって来たが、俺は断固として拒否した。
まず、テントを組み立てようと2人用と1人用を出したのだが、ティアーナとセレーネが二つもテントを組み立てるのは時間が掛かるから2人用のテントで3人で寝るように言ってきた。拒否しようとしたが2人がなんか怖かったので泣く泣く諦めることにした。
腕輪から食べ物を出して3人で食べた後、俺とセレーネがテントに入り寝た。今回は疲れもあったのかすぐに眠ることが出来た。俺が見張りをしたのは最後だった。
白夜がセレーネに起こされてテントの見張りをしているとゴブリンが5匹襲撃してきたので火属性魔法を使ってみることにした。魔法はイメージを強くするために詠唱をすることをティアーナから聞いた時に俺は無詠唱できるんじゃねと思い、手から火の玉を出す感じで試してみると簡単にできたのだ。手から出た火の玉は、魔力を込めすぎたのか襲撃してきたゴブリンが2匹まとめて倒せた。
〈レアスキル【無詠唱】を獲得しました〉
レアスキル
【無詠唱】:魔法を無詠唱で使えるようになる。
お、何か【無詠唱】が使えるようになった。
残りのゴブリンは、風属性魔法を【無詠唱】して風の刃を作り出しゴブリンの首目掛けて放ちゴブリンの首を斬り落とした。
その後、数回程ゴブリンとコボルトが襲撃してきたがいい魔法の練習になったので満足だった。
ゴブリンとコボルトの死体は面倒なので放置していたいたが無事消えていた。
その後、ティアーナとセレーネが起きてテントから出てきたので腕輪から食べ物を出して3人で食べた後、テントを片付けて腕輪にしまった。
それからもゴブリンやコボルトが何回か襲撃してきたがティアーナとセレーネが倒していた。冒険者パーティーとすれ違った時にティアーナとセレーネを見ていやらしい視線を向けてきていたので少しイラっとした。
10階層に上がると扉があった。
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