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リーズロットシャルラッセルは、目の前の男の子を目にした瞬間前世の記憶を思い出した。
「具合が悪くなりましたので、失礼しますわ」
挨拶も禄にしないまま、一言つげると
お母様の呼び止める声を無視をして
自室へ戻る。
自室へ戻ると思い出した記憶を
ゆっくり整理していく。
私は、リーフ国の7つある公爵家の1つ
ラッセル家の長女として
リーズロットシャルラッセルとして生まれた。
5歳の時に、リーフ国の第二王子
ウィリアムディリーフの婚約者として選ばれた。
5歳の時、既に我が儘だったリズだったが
婚約者に選ばれた事によって
自分を特別だと思い
更に、我が儘に歯車がかかったのである。
真っ赤な髪に、茶色の瞳人形の用な可愛らしい
顔立ちに公爵家という権力…
そして、王妃教育で身についた教養
彼女の全てを周りは、褒め称えたのである。
そんな彼女の生活が崩れたのは、16歳の頃
リーフ国で一番有名な学園に入学した頃
ウィリアムと仲良くなる1人の女の子がいた。
彼女の名は、男爵令嬢のミリヤユーシルド
ミリヤは、成績優秀隣国の元お姫様を母に持ち
銀髪に紫の瞳神秘の輝きを放っているようだといわれ、分け隔てなく他者に接する姿は
神の使いのようだと…
そして、その性格からリズの兄や弟とまで仲良くなっていくのである。
そんなミリヤを憎んだリズは、従者を使いミリヤを事故にみせかけ体を不自由にさせた。
健康でない者、身分が低いミリヤを王妃にはできない
ウィリアムは、傷心したまま
事故から1年後…リズが18歳の頃
無事王妃になったリズ。
だが、ミリヤを愛していたウィリアムは
リズを愛してくれないまま時が過ぎていったのである。
不仲のため、世継ぎが生まれないず
ある時、側室の話が持ち上がったのである。
側室など、リズにとっては耐えられぬこと
まして世継ぎが生まれてしまったらと
側室候補を阻止するため
汚職まみれの臣下と関係を持ったりと
罪をかねていった。
そんなある日リズは、王宮の一室で
ウィリアムに今までの罪を聞かれたのである。
「君の従者が証拠を持ってきた。
これは本当なのかと」
従者は、ミリヤのことを
罪を悔やんでいたのである。
「えぇ本当ですわ、それであなたはどうしますか」とリズは、平然といった。
その瞬間、ウィリアムは顔を歪めたまま
リズを刺したのである。
ここまでがリズとしての記憶。
私は、それで死んだはず…
だけど今さっきの男の子の対面は
記憶にあるものと一緒の状況。
何より部屋の鏡をみると
リーズロットシャルラッセルの姿。
あぁ前世の記憶…というよりは
「やり直し…?」
リズは、5歳のリーズロットシャルラッセルに
戻っていたのである。