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 ひまわりの顔は完全な左右対称の形をしていた。

(それは人間の顔ではないような気さえした)

 その完全で完璧な美しい形をした顔は人間ではなくて、作られたアンドロイドのようにも見えた。(あるいは、もしかしたら今、ジラの目の前にいるひまわりは本物の人間のひまわりによって作られたアンドロイドなのかもしれない。その可能性も十分にあった)

 でも、その顔を作るにしてもこの完璧な造形を無からモデリングすることができる人間がいるとも、やっぱり思えなかった。(ひまわりは、やっぱりオリジナルとして、生まれた人間のひまわりなのだ)


 ひまわりの顔を知っている人は世界にとてもたくさんいる。

 でも、それは現在の十四歳のひまわりの顔ではない。

 ひまわりの七歳のころの顔だった。 

 ひまわりは天才としてこの世界に生まれ落ちた。

 本当の天才として。

 彼女はこの世界に生まれ落ちた。(おそらくは、なにかしらの運命、あるいは使命を持って、彼女は生まれた)

 ひまわりの父親である浮雲博士はすぐにひまわりの才能に気がついた。(そして、その美しさと無限の価値にも同時に気がついた)

 浮雲博士はひまわりをテレビに出演させたりして、彼女の才能を世の中に積極的に宣伝していった。(もちろん、人々にわかる範囲に限定してだけど)

 ひまわりは自然といろいろな研究をして、その成果をはっきして、莫大な富を浮雲博士にもたらした。

 ひまわりの才能は世界を躍らせた。

 そして、ひまわりの美貌は世界を虜にしていった。 

 ひまわりはその(理解することができない圧倒的な知識よりも)美しさで、人々の心を捉えて、やがて彼女は浮雲博士が創設した教団の教祖となった。

 ひまわりは神様になったのだ。

 偽物の神様に。(あるいはひまわりは本物の神様なのかもしれないけれど)

 ひまわりはそうやって世界的な有名人になった。

 その活動は、教団が暴走して、世界的なテロリスト集団となり、やがて浮雲博士が自殺とも捉えられるような不可解な死を迎えるまで、続いた。

 光の時代から、闇の時代へと教団はうつろい、そしてひまわりはその教団とともに、表の世界から姿を消して、裏の世界へと落ちていった。(それはひまわりが十二歳のときのできごとだった)

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