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 ジラはドアを(ゆっくりと)開けた。

 その部屋にはオレンジ色の光が溢れていた。

 燭台に灯っている炎がゆらゆらと揺れている。

 部屋はそれほど大きい部屋ではなかった。

 赤い絨毯の床に大きな丸いテーブルが一つと、椅子が二つ。大きな鏡のついた化粧台が一つ。古い大時計が一つ。(時間はやっぱり十二時で止まっていた)

 それから、古い映写機とスクリーンがあった。

 それに窓のそばには蓄音器がある。(沈黙している)

 その横の壁にはドアのない四角い形にあいた通路がある。ゆっくりと部屋の中を観察しながらジラはその通路を抜けて横の部屋に移動をする。

 すると、そこにひまわりがいた。

 その部屋には大きなグランドピアノがあった。

 そのピアノをひまわりは弾いていた。(モーツアルトの曲だった)

 久しぶりにみる本物のひまわりの姿にジラは自分の体と心が緊張で、(あるいは恐れで、憧れで)硬直していくのを理解する。

 その部屋の壁にはいつくもの仮面がかかっていた。

 何種類もの、いろんな時代の、いろんな地域の、伝統的な仮面があった。(その中にはジラの知っている仮面もいつくかあった)

 いろんな表情の仮面。

 笑っているものや、泣いているものや、喜んでいるものや、怒っているものや、無表情のものや、そんな人間の感情を表現したいろんな表情の、いろんな色をした仮面があった。

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