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 ジラは思わず、目の前にいる小さな幽霊ホロウ、かげろうの体をぎゅっと抱きしめていた。(それは本当に突発的な行動だった)

「え? あ、あの、ジラ、……さん?」

 かげろうは戸惑っているようで、あたふたしながら、そんなことをジラに言った。

「かげろう。あなたは本当によく頑張っているね」

 にっこりと笑ってそんなことを言った。

 かげろうはどうしていいのかわからずに、そのまま、ずっとジラにされるがままにしていた。(ひまわり先生以外の誰かに抱きしめられたことなんてなかったから、……というかひまわり先生やよぞら、ひかりと言った同じ幽霊ホロウ以外の誰かと会ったこと自体がかげろうにとって生まれて初めてのことだったから、こういうときに、どうしていいのか、かげろうにはよくわからなかったのだった)

「すごく頑張っている。あなたは幽霊ホロウの学校に通っている。そこにはさっき一緒にいたほかの幽霊みたいに、友達がいて、その幽霊ホロウの子たちと一緒に浮雲ひまわり先生が教えてくれる授業を毎日、その幽霊の学校で受けている。そうだよね?」ジラは言う。

「はい。その通りです」かげろうは答える。(そう答えてから、どうしてジラさんはひまわり先生のことを知っているのだろう? とかげろうは疑問に思った。……口には出さなかったけど)

「かげろう。私はあなたの、ううん。あなたたち幽霊ホロウのことが知りたいの。あなたたちの話を聞いて、それからこの幽霊の街の、あなたたちの言う天の川銀河の街のことをもっとよく知りたい。そして、あなたたちの先生である浮雲ひまわり先生について、知りたいこと。知っておかなければならないことがたくさんあるの。だから、かげろう。今はもう帰っていいから、もう一度私とあって、そこでこの街でのあなたたち幽霊の暮らしや生活ぶりの話を詳しく聞きたいの。私はこの銀河ステーションの中で待っているから、あとでもう一度、この場所にきてもらってもいいかな? お願い。もちろん。そういうことをしちゃだめだって、ひまわり先生から言われていると思うけど、これはすごく大切なことなの。あなたたち幽霊ホロウたちによっても、そして、(きっと)あなたの大好きな浮雲ひまわり先生にとっても、とても大切なことなのよ」かげろうのことを抱きしめながらジラは言った。(かげろうの体は相変わらず氷のように冷たかったけど、そんなこと全然気にならなかった。だけど、結局、ジラはそれから少しして、かげろうを解放して、その両肩に手を置いて、信頼と愛の表現を変えて、かげろうの顔の前でにっこりと笑うことにした。なぜなら、自分の体の熱で、もしかしたら氷のように冷たいかげろうの体が、まるで雪だるまのように、溶けてなくなってしまうのではないかと、そんなことをジラは心配したからだった)

「かげろう。お願いできる?」ジラは言う。

 かげろうはそんなジラの目をじっと正面から(とても綺麗な、きらきらとした瞳で)見つめている。

「……わかりました。じゃあ、明日の授業の終わりにまたこの場所に僕は来ます」かげろうは言った。

「ありがとう。竹田かげろうくん」にっこりと笑ってジラは言った。

 するとかげろうもにっこりと笑ってくれた。(そんなかげろうの笑顔を見て、思わずジラは、そのかげろうのマシュマロのような傷だらけのほっぺたにキスをしたいと、本気でそう思った)

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