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第一章
エンマ様がいるという噂を聞いたことがある。
エンマ様がいる街で、悪事を犯すと、殺されるという。
だが、日曜日だけは、どんな悪事を犯しても殺されない。エンマ様にも休みが必要だ。
だから、日曜日には悪人たちが外に出て、悪事をする。そんなことが起こるから、店はほとんどたたんである。
この話は噂だ。噂でいてほしい。何故なら、僕はその街へ引っ越すことになったからだ。
高速道路をポツリと、一台の車が走っていた。
その車の中で僕は助手席に座って、たそがれていた。
目的地にはあと、20分だろうか。しかし、日曜日なのに何故、一台も高速道路に車が走っていないのか。疑問に思った。
「父さん、なんで、車一台しか走ってないの?」
「さぁ、なんかイベントでもやってて、そっちに集まってんじゃねぇの?そもそも、この街、人口少ないらしいぜ」と、僕の質問に父さんは答えた。
僕はエンマ様の噂を聞いたことがある。その噂の中に、(日曜日は悪人達が、外に出て、悪事をするため、街の人は外に出ない)という。
「まさか、な。」と僕は声を漏らした。それに父さんは「どうした?」と聞いてきた。
「なんでもない。」そう言い、僕は窓に映る景色を眺めた。




