第二章:屋根裏部屋
映画ノベライズ『もしも、僕の彼女が妖怪ハンターだったら。。。(おかわり)』第二章をお届けします。
前章の荒野での激しい爆発とド派手な大立ち回りから一転、今回は静寂に包まれた不気味な屋根裏部屋が舞台となります。新たなキャラクター・神大寺市華が登場し、物語はホラーサスペンスの様相を呈してきます。
暗闇に蠢く呪縛と、迫り来る得体の知れない影。息を呑むような緊張感をお楽しみください。
夜の屋根裏部屋。薄暗い空間の中を、息を潜めるようにして進む一人の女の子がいた。彼女の名は神大寺市華。怯えたように周囲を見回し、暗がりの中で必死に何かを探している。
ふと、部屋の奥に人影を見つけた。椅子に腰掛けているのは、人間ではない。少年とも少女ともつかない、不気味なほどに美しい二体の等身大の人形だった。一体は赤い着物を、もう一体は淡い水色の着物を纏っている。
市華は二体に歩み寄ると、そっと水色の着物の人形の手を取った。彼女が触れたその腕には、一見すると鎖のついていない無骨な黒い手枷がはめられている。しかしよく見ると、その手枷からは闇の奥深くに向かって、真っ直ぐに一筋の「光の鎖」が伸びていた。
光の鎖の先、深い暗闇の中には、おぞましい亡者のような顔が浮かび上がっていた。それは不気味な両手を伸ばし、鎖越しに人形を縛り付けているかのようだった。
市華は懐から一枚のお札を取り出すと、顔の前に掲げて鋭く見据えた。次の瞬間、光の鎖に眩い炎が走り、激しく燃え上がって呪縛の繋がりを断ち切る。
続いて市華は、水色の着物を着た人形に向かって指を立て、真っ直ぐに印を結んだ。神秘的な光が人形の全身を包み込んだかと思うと、等身大だったその体は、瞬く間に小さな手のひらサイズの人形へと姿を変え、床に落ちた。
市華がもう一体の赤い着物の人形にも向き直り、光を浴びせようとしたその時――。
「!」
突如、背後で重たい物音が響き、壁に何者かの巨大な影が映し出された。ハッと息を呑み、市華は恐怖に顔を強張らせて振り返る。得体の知れない足音が、確実にこちらへと迫ってきている。
これ以上は危険だ。市華は咄嗟に、床に転がった小さな水色の人形を鷲掴みにすると、身を翻して薄暗い屋根裏部屋から全力で逃げ出した。
第二章「屋根裏部屋」、いかがでしたでしょうか。
大和と雛のドタバタ妖怪アクションとは少し毛色が変わり、特撮ホラー特有のヒリヒリとした恐怖感を描いたシーンです。市華が命がけで持ち去った水色の着物の人形と、暗闇に残された赤い着物の人形。彼女を襲った巨大な影の正体とは……。ここからまた、物語が大きく動き出します。
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