3 薬を窓から投げ捨てる女
俺と後藤さんと徹君が223に戻り、のんびりとした時間を堪能していると扉がノックされた。今は来客対応したくない、というのが三人一致の無言の意見だったが、看護師さんかもしれない。
「当然ですけど、開いてますよー」
シーン。……え、今のノックなんだったの?看護師さんだったら入ってくるよな?じゃあ、他の部屋の患者……って、まさか中谷さん?でも、中谷さんなら遠慮なくここを踏み荒らしに入ってくるだろうし。
仕方ない、と俺は小さく呟いて223の扉を開けた。そこには中谷さんが立っていた。
「……どうしたんだよ」
「……私、嵐君に嘘つかせちゃった」
今にも泣き出しそうな中谷さんの顔を見て、俺は焦る。女の子が泣いた時の気の利いた対応なんて俺は出来ないぞ、どうしよう、とりあえず……頭でも撫でておくか。子供扱いするなって怒るかな。
「俺は別に気にしてないよ」
「……っく、うぅ……」
「え、いやだから、気にしてないよ!?」
どうしよう、本当にどうしよう。軽く頭を撫でたら泣かれてしまった。こんなところを看護師さんや他の患者に見られるのはよろしくない。俺は中谷さんの手を引いて、223へと引き込んだ。中谷さんは泣き続ける。
後藤さん、徹君、助けてーっ!!
「どうしたね、中谷さん」
「え、ガチ泣き?」
ガチもガチ、ガチの王道一直線ですよ。いや、自分で言っていて意味不明だけど。
どうしたものか……。




