3 カウンセリングはお嫌いですか?
「なーんて、俺が勝手にショック療法を受けるなんて決めちゃったけど、中谷さんはどう思ってる?ていうか、中谷さんは俺の過去、知りたい?パニック状態でカウンセリングなんて、下手したら保護室行きだよなーなんて今さらながら思うよ」
俺と中谷さんは病棟内のカウンセリングルームにいた。客間を思わせる、落ち着いた雰囲気の洋室だった。ソファの座り心地は最高、どこからともなくリラックス出来る香りが漂ってくる。俺と中谷さんは同じソファに座り、院長が心理士さんを連れて来るまでの間のひと時を過ごしていた。
「私は別に、ショック療法はんたーい!なんて思ってないけど。嵐君の過去も、まぁ、気になってはいたし。でも、嵐君がパニック状態から錯乱状態になったら、私が嵐君に物理的にダメージを与えて鎮静化させるかも。保護室行きになんて、させたくないからねー。それでも良ければ、私は付き合うよ」
中谷さんの言葉で、ちょっと涙腺が緩んだ。この子と婚約して良かった。改めてそんなことを思ったりした。そして、その時はやってきた。カウンセリングルームの扉がノックされる。俺と中谷さんが返事をした。
カウンセリングルームにやって来たのは、これから俺の記憶に大ダメージを与えるという院長。そして、パニック状態の俺のカウンセリングを担当することになる俺と同年代くらいの女性の心理士さん。
「雨宮君、中谷さん。今回の担当心理士の日野さんだ」
「初めまして、日野です。よろしくお願いします」
ふんわり。そんな言葉がよく似合う、柔らかな雰囲気の心理士さんだった。でも、そんな日野さんの手には防犯グッズに分類されるようなアイテムの数々。パニック状態の俺が何をするか分からないから、か。
さて、いよいよ、だ。




