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隣りの中谷さん  作者: はしたか みつる
院長の患者たち

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2 院長の患者たち

 俺が中谷さんに強く出ようか悩んでいると、中谷さんはタタタッと走って223の扉の前に立った。そして、俺たちを振り返る。満面の笑みを浮かべて。その行動にも後藤さんと徹君はビクビクしているが、本当に何があったのか。



 「中谷さん?」


 「先に食堂行ってる!昨日のところで待ってるね!」


 「え、あ、」



 ……静まり返る223、俺たちの踏み荒らされし聖域。しかし、どうしよう。本当に今日も中谷さんと一緒に食事をする流れになっている。ていうか、二人で抱き合ってブルブル震えている後藤さんと徹君の身に何が起きたというのか。聞かないわけにいかない。こんな朝から下のネタだったらどうしよう、とは思ったけど。



 「後藤さん、徹君、一体どうしたんスか……」


 「「元気な息子にパンチを食らって起こされた……」」



 ……本当に下のネタだった。え、中谷さん、そういうキャラなわけ?昨日知り合ったばかりの男たちの部屋に無断で入り込み、何の遠慮もなく息子さんたちにパンチして目を覚まさせたとか、隔離レベルじゃないのか?


 ていうか、何で俺だけ無事だったんだか。



 「嵐君、僕はもうあの子の拳を忘れられそうにない……」


 「俺も……。不能になったかも」


 「ご、ご愁傷様で」



 そんな流れの会話で言える慰めの言葉は、まぁ、ご愁傷様しかない。……って、あれ?俺の息子は元気じゃないわけ?だから拳を食らわなかったわけ?え、俺が不能になったんじゃないの?


 俺が一人、謎の動作をしながらオタオタしていると朝食を配膳する、との放送が入った。食堂で中谷さんが待っている。後藤さんと徹君は、嫌なら別の席で食べてもらえばいいだろう。俺が犠牲になってやる。

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