悪魔がウチにおりまして・1296
ウチには悪魔がいる。
チョコタワーの前でマシュマロ焼いている悪魔が。
「あまーいあまーい、ちょこれーとー!」
その前に焼いてるマシュマロ溶けてるわよ。
この暑い季節に部屋の中でチョコフォンデュ、舐めているのでしょうか。
「ニンゲン!まだ5月です!」
暑くなってるのは事実です。
「そうなんですよね、季節感もあったものでは……うぱちゃん!いけません!しいたけはいけません!」
うぱの暴動はそのままで良いとして。
「チョコタワーなんかあったっけ?」
「中古店に売ってまして」
物好きはこうして物を回していくのね。
「でもこれ最初はワインの匂いが強くて」
「チーズに使われた?」
同じフォンデュだけどやり方違うでしょう。
しかし悪魔は首を振る。
「いえ、ワインだけです。ぽんちゃんが保証してます」
「チーズの匂い、しないから」
農家の鼻は信用しましょ。
「うぱちゃん!白滝はもっとダメです!」
鍋と勘違いしてない?
「まぁうぱ殿には鍋もフォンデュも同じでしょう」
違うでしょ、さすがに!
狐は丁寧にわらび餅を串に刺してチョコに浸していく。
「甘すぎない?」
「このわらび餅はお砂糖控えめ、それを言ったらマシュマロもでしょう」
それはそう、マシュマロの方が絶対甘い。
「うどんは、うどんは被害が多き……美味しい」
負けてるのよ、あんた。
悪魔はうぱに取り分けてもらったうどんチョコを啜っている。
「ニンゲンも食べてみます?」
悪魔の渡してきた小鉢を受け取り、少しだけ啜る。
そこに拡がる甘味と、塩辛さ。
どうやら出汁とチョコを混ぜてバランスを取ったらしい。
「うぱちゃん、大発明です!チョコうどんとして新メニューにしましょう!」
狐もちゅるり、しかし微妙な顔。
「普通の方が美味ちい」
「言ってはいけません!」
まぁ思ったよりって感じよね。
「このうどん、ミミ殿のでしょう?使われた気持ちは?」
「これも、また!ありとします!」
ちらりとうぱを見る悪魔、美味しそうにちゅるりとうどんを啜る。
……仕方ないか。
「うぱー、今度は普通に食べようねぇ?」
「うぷー……」
不満げ、でも仕方ありません。
「1番美味しい方法で食べたほうがうどんも嬉しいよー?」
「……うぱっ!?」
「うぱちゃんはうどんって生きてたのか驚いてます」
生きてません。
ウチにはうぱがいる。
「うぴっ!?」
マシュマロも、生きてません。




