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次の日。
お腹を空かせた俺は早速あの畑に来ていた。
今日はイチゴをパクつく。
甘くて美味しい。
久しぶりの糖分に目を細める。
昨日のこともあるので、辺りを警戒しながら食べていると、再び大柄なギョロ目の男が現れた。
俺はチラチラ様子を見ながらモグモグ。それ以上、一歩でも近づけば、飛び立つ心構えである。
男がジリッと近づく。
俺はバサッと翼を広げた。
男が下がると、翼をたたんだ。それを何回か繰り返しつつ、図太く食べ続ける俺。
お腹一杯になって、その場から飛び立つ。引き止めるように右腕を上げる男。
そんなコントのようなをやりとりを数十日間繰り返したのち、危害を加える気がないと悟った俺は男が触れる距離に近付いても逃げなくなった。
決して男がくれるパンで警戒心を緩めた訳ではない。