カコからミライへと続くヒカリ①
僕は間違えていなかったはずだ。魔導兵器の量産独占に成功し、第二類勇者を味方につけ、スカラを味方につけ、大半の勇者も味方につけた。残る敵は狩虎とイリナ、慶次、王様……頼みの綱の狩虎は魔王の力を封印されていて戦力にすらならない。他の懸念材料も軒並みコンプリートしている。…………僕は間違っていなかったと現状が言っている。
僕は光となって闇夜を駆け抜け、最後の敵、狩虎に襲いかかる!僕の後ろには数千、数万の仲間!負けるはずがない!
しかし、次の瞬間、僕は倒れた。もう一歩、踏み込めば狩虎に辿り着くというのに……僕の足の裏は地面につかなかった。というか、そもそも…………僕の身体の肋より下が消え去っている…………っ!
両手を使ってなんとか後ろを振り返って見たら、後ろにいた全ての仲間が消えていた。1秒前まで数万人はいたと言っても誰も信じてくれないほどに、本当に、全員が跡形もなく消えていた。なにが……何が……………!!!
「俺が全員殺してやったんだよ」
未曾有の脅威が、今、僕の目の前に立っている。人間が1人では抱えてはいけないほどの、経験したことのない尋常ならざる恐怖が、目の前から浴びせられる。恐怖で喉が萎縮して声が出ない。瞳が動かせず目の前に立つこの男に視線が釘付けだ。
「ァ……っっ………っっ」
「こんな終わらせ方ですまんな。これから会う約束してんだ、構ってやる暇がねぇのよ」
もうこいつは狩虎じゃない……炎帝だ!なんだ、なんなんだこいつ!こんな異常な力を持ってたのか!?こんなの勝てるわけが……っ!!
「んじゃあな」
炎帝はポケットに手を突っ込みながら歩いていく。……なめやがって!
僕は時を0.5秒だけ止めた。今の僕にはこれが限界だが、それでも0.5秒もあれば首を切り裂くぐらいわけない!
バシュッ!
両腕に力を込めて飛びあがろうとした瞬間、両腕が消し飛んだ!と、時が止まってるんだぞ!なんで動けるんだこいつ!
身体の支えを失った僕は、顔を地面にぶつけるよりも前に視界が真っ暗になった。
これは誰かさんの物語




