その後のみんな
最終話です。
「……じゃあさ、なんでメールで“微妙”とか言ってたの? 高校卒業したら付き合うんだろ?」
夏休みが終わり、俺と悟はヒロからアキラさんとの話を聞いていた。メールでは詳しい説明はなかったし、“微妙”などと言っていたから、話を聞いて安心した。ヒロは事の経緯を楽しそうに話してくる。
「あー、あれね。その方が“何だろ、気になる〜”ってなるかなって!」
「何それー! 俺ら結構心配してたのに」
「マジ? ありがとー!」
「……都合のいいとこだけ拾うなよ」
そんなやりとりの最中も、ヒロはずっと嬉しそうで、俺たちはほっと胸をなでおろしたのだった。
ヒロが好きだと言ってきたとき、ついにくるものがきた、という気持ちだった。
ヒロはわかりやすいから、俺が気付くのは多分自然な事だったと思う。
『俺、アキラさんのことが好きなんだ』
甥っ子相手に、諭すとかそういう大人な対応をすべきだと頭ではわかっていたが、無理だった。まっすぐに伝えてくる想いを無下にすることなどできなかった。
『まぁ、取り敢えず高校卒業したら、ってのはどうだ?』
『えっ……、いい、の?』
『ああ。卒業したらな』
結局、そんな約束をしていた。今すぐにと言わなかったのは、まだ学生をしているヒロのことを思っただけではない。時間が欲しかった。準備期間とでも言えばいいのか、受け入れると決めたからには、中途半端な気持ちではなく、両手を広げて堂々とヒロを迎えてやりたいと思った。
そもそもヒロは正真正銘の男だし、それ以前に大事な甥っ子で。この歳になって、大概のことには動揺しなくなったが、さすがに今回は違った。ヒロの前では余裕ぶってみせてはみたが、葛藤とかそういうものがなかったわけではない。だが、そういういつもなら面倒だと思うようなものをたくさん抱えることになっても、ヒロが喜ぶならそれでいいではないかと思ってしまうのだ。
「そういえば、二人もなるようになったのかな?」
「あー、おかげさまで」
「うん。ありがとうございました!」
俺たちの顔を交互に見たヒロは、にかっと笑う。
「よかった、よかった!」
明るい声が、放課後の教室に響いた。
最終話はどのような形にするか悩みましたが、夏休み明けの3人と、アキラさんで締めくくらせていただきました。
今までこの話にお付き合いいただき、ありがとうございました!




