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31-3.商談(3)

 どうやって、と聞く前に、ケイシーは二つのポーションを手に取り、食い入るように見つめた。その瞬間、魔力と思わしきものが現れる。それは、ケイシーを取り囲むように渦巻いていた。


「なに……?」

「シェリル、見えるのか?」


 ネイトの問いに、シェリルはコクコクと頷く。セドリックとローザは不思議そうにこちらを見ているだけなので、彼らには見えていないのだろう。


「ネイト様も見えるの?」

「あぁ。俺は見えるし、兄上の力も知っているからな」

「きゅきゅきゅ~っ」


 きゅいが、ボクも! というように主張する。きゅいにも見えているようだ。

 と、ケイシーがポーション瓶から目を離し、シェリルに向き合いニッコリと微笑む。


「素晴らしいね、これは」

「ケイシー様、今のは……」


 ケイシーは、セドリック、ローザ、シェリルを見回し、瞳をキラキラさせる。そして、前のめり気味にこう言った。


「ぜひ、ぜひぜひ! このポーションを売ってほしい! 帝国に広めたい!」

「え……」


 シェリルとローザはポカーンとした顔になり、セドリックはどうしようかと視線を彷徨わせている。

 そんなターナー家の戸惑いに、ネイトが頭をグシャグシャと掻いた。


「あ・に・う・え!」

「え? ああああ、ごめんごめん。感激のあまり、取り乱してしまった」

「感激するのはいいですが、まずは説明を」

「そうだね」


 ネイトに諫められ、ケイシーは苦笑いしながら、皆に自分の能力について話し始めた。


「実は、僕は複数の属性持ちなのですが、その中でも水に特化しているというか、水の能力が著しく高いのです。なので、水に関しては鑑定能力を使えるんですよ。ポーションは液体ということで、この成分やら効能などを鑑定できるのですが、さっきはそれをやっていた、というわけです」

「鑑定……」


 その能力の存在は知られているが、使える人間は極々僅かである。しかも、それは秘匿される場合が多い。それなのに、ケイシーはいともあっさりバラしてしまったのだが、よかったのだろうか。

 シェリルだけでなく、両親も頭を抱えている。


「大丈夫。ターナー家のことは僕も信用していますから。ネイトも明かしているんだし、僕もいいかなと思って」

「いいかなって……」

「悪いな、こんな軽い調子で。だが、兄上がターナー家を信用していることは間違いない。それに、何かあったとしても、明かした本人の責任だ」


(ありがたいけれど、言われたこちらとしては、責任重大なんですけど!)


 シェリルは両親の顔を見て、そしてドリーを見た。そう、ケイシーはまだドリーがいるというのに話したのだ。

 両親もドリーも、硬い表情で頷く。

 よし、大丈夫だ。両親はもちろん、ドリーも口が堅くて信頼できる侍女だ。問題ない。


「秘密は、何があっても胸の内に収めておきます。ご安心ください」


 セドリックが代表してそう言うと、ケイシーは「ありがとう」と言って微笑んだ。


 それにしても、帝国皇族には鑑定の能力持ちが二人もいるのか──。


 もう一人は、言わずと知れたネイトである。

 彼は、どの属性に特化しているのか明かしていないが、相手の持つ魔力量と属性が見える。これも立派な鑑定能力なのである。


「で、兄上。この二つのポーションの違いと効能はどうだったんだ?」


 ネイトが尋ねると、ケイシーは得意げな顔で説明を始めた。


 それによると、元々ターナー家で作っていた普通のポーションも、かなり出来のいいものということだ。それは、帝国で販売されているポーションにも引けを取らない。むしろ、こちらの方が少々上。なので、帝国でも十分売れると見ていい。

 そして赤蓋の方は、やはりとんでもない代物だった。

 怪我については、どんなに酷いものでも跡形なく治してしまう力があり、欠損した部分でさえ、その日中であれば治癒するという。病については、通常ポーションよりも効果は高いが、怪我ほどではない。ただ、あらゆる毒に効くというのだから驚きだ。


いつも読んでくださってありがとうございます。

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