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アクティブスキル〈フェロモン〉〈感度操作〉



 僕はノエルをおぶりながら夜の荒野を走る。

 出発してから3時間くらい走り続けている。


「ね、ねぇゼツ君、もの凄いスピードでずっと走り続けてるけど疲れないの?」


「大丈夫。 ノエルは眠かったら寝ていいからな」


「なんか興奮しちゃって全然眠くならないよ」


 パッシブスキル〈ゼツリンLv10〉はケガはもちろん疲労や眠気までもが元の健康な状態に戻るスキル。 そのお蔭で走りながら疲労は回復し眠る必要もなく僕は永遠に走り続けることができた。



 奴隷作業員の就寝時間になれば僕がいないことに気付くはずだ。だがもし捜索されるとしたら明日の明け方だろう。

 昼間の街道は人通りがあるからこんなに目立つ形で移動はできない。 だから今夜のうちに追ってこれないところまで移動する必要がある。


「そう言えば、私達はどこへ向かってるの?」


「オルフォンス公爵領のスクワードって街だよ。ここからは少し離れているけど大きな街だから冒険者ギルドはある筈だ」


「道わかるの? ……ゼツ君、凄いね」


 殆どの奴隷は逃げ出しても街の場所がわからず荒野を彷徨い、挙句の果て魔物に殺される。

 しかし侯爵家出身の僕の頭にはこのビッグベニス王国の地図が完璧に入っている。

 奴隷商人に売られ土木作業員として各地を転々とさせられるなかで、いつか逃げることを想定し常に現在地を把握していた。


「この調子なら明後日の朝には着くはずだ。 街に着いたら先ず〈加護の儀〉を受けよう。 せっかくモンスターを倒しても加護がないとレベルが上がらないからな」


「私……、お金持ってない」


「それなら心配ない。 僕が払うよ」


 〈加護の儀〉は銅貨30枚が相場。今の手持ちでも払えるし、街へ行く途中モンスターを倒せば金を稼ぐことができる。


「…………ありがとう」


 おぶられ振り落とされないよう僕の首に腕を回しているノエル。 その腕に少し力が入り僕をギュッと抱きしめる。


「どんな加護を貰えるかなぁ」


「それは受けてみないとわからないよ」


「だね。 ああ、凄く楽しみだよ。 私も早くアクティブスキルやパッシブスキルを覚えたいわ」


「ははっ、気持ちはわかるよ」


 ノエルの気持ちは本当によく分かる。 僕も加護を授かってから5年間レベル0のままだった。 だから早くスキルが使えるようになりたいとずっと考えていた。 それがノエルのお蔭でようやくスキルを覚えることができた。

 あの時はどれだけ嬉しかったか――。


 僕は走りながら自分のアクティブスキルを考える。


〈ガンシャ〉はさっき試して効果がわかった。〈種付操作〉〈モーニングコーヒー〉も理解できる。


 あとは……、〈フェロモンLv1〉〈感度操作3倍〉か。 これは人に害を与えるスキルではなさそうだし、試しに使ってみるか。 実際にどんな効果があるか確認する必要がる。


「ノエル、試したいスキルがあるんだけど使っていいか?」


「え?うん。 全然いいよ」


「じゃ先ずは――、アクティブスキル〈フェロモンLv1〉!」


 うーん、特に変わった様子はないな。



【ノエル視点】


 な、なにこれ? ゼツ君から凄くいい臭いがするし、なんかゼツ君見てるだけで凄くドキドキする。 もっと触りたいし、触って欲しい。


 チュッ  チュッ チュッ


 私はゼツ君の首筋にキスをしてしまった。

 気持ちが抑えられなくなっている。


「どうしたんだ、ノエル?」


「えっ! あ! ごめんなさい。 嫌だったよね……」


「いや別に、全然問題ないよ」


 そ、そうなの? じゃぁもっとやってもいいのかな?


 レロ チュッ チュパ チュパ レロレロ


「お腹空いたのか?」


「ち、違うよ!」


 ああ!やだぁ! ゼツ君の首筋舐てしゃぶっちゃったよぉ!! 恥ずかしいよぉ~。


「うーん、やっぱり効果がよくわからないなぁ ノエル、もう一つ試すね?」


「う、うん?」


「アクティブスキル〈感度操作3倍〉ッッ!!」


「あひゃんッ!! んんんん…… 」


 ダメ、これダメなやつ ヤバいよ! 手で口を押えたけど声出ちゃう。 ゼツ君が走る振動で擦れて、す、凄いよぉ~。


「ん、 ゼ、んほっ ゼツ君、止まって、 あひゃ あひゃん お願い 止まって!」



【ゼツ視点】


 僕は止まってノエルを岩に座らせた。

 ノエルの息が荒い顔も赤みを帯びている。

 さっきからずっと僕の首筋にスリスリしていたし……。 体調が悪いのだろうか?


「ノエル、大丈夫か?」


 チュッ


 心配して顔を近付けたら、ノエルが僕の首に腕を回してきてキスされた。


 んっ んっ んっ んんんん


 僕達は激しく舌を絡ませる。


「ぷはっ、ノエル?」


 ノエルの顔はとろっとろにとろけ、蒼い瞳の真ん中がハートになっている。


「ぜちゅきゅん おねがい わたし もうムリぃ~」


 チュッ クチュッ


 僕はノエルに押し倒されてしまった。






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