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神話級


「ゼツ君ッ!」

「ゼツ様ッ!」


 ノエルとパンティーが真剣な顔で僕を見詰める。僕はそれに頷いて答えた。

 先ずヤツに、〈種強化Lv29〉がどれだけ通用するか確認する。


「アクティブスキル〈Gスポット〉ッ!」


 〈Gスポット〉を通して見ても核の位置がわからない。デカすぎるのか。

 身長は約30メートル、建物で例えるなら10階くらいはありそうだ。横幅も同じくらいでゴロっとした体形。足は短いが、腕が異常に長く50メートルくらいあるだろう。地面を引きずりながら進んでいる。


「アクティブスキル〈ガンシャ―ライフル〉ッ!」

 ――種転送、〈種強化Lv29〉ッッッ!!!」


 僕の手に160センチはあろう細長い〈ガンシャ〉が顕現し、そこに最強の”種”を転送する。

 僕はオリハルコンゴーレムの頭を狙って〈ガンシャ―ライフル〉を撃つッ!


 ドッピュンッッッッッッ!!!!!


 発射と同時に僕の周りで爆風が起こった。


 ガンッ!

 ――闘気を纏った種が頭部に当たり表層の金属が弾け飛ぶ、が浅い!


「まだだぁッ!」


 ドピュ! ドピュ! ドピュ! ドピュ!…………ドピュンッッッッッッ!!!!!

 ドピュ! ドピュ! ドピュ! ドピュ!…………ドピュンッッッッッッ!!!!!


 全力で〈種強化Lv29〉を連射する!

 が次の瞬間――。


 ドッゴッッゴッゴッゴッッゴッゴッッゴッッ!!!

 ドッゴッッゴッゴッゴッッゴッゴッッゴッッ!!!


 オリハルコンゴーレムが〈種強化Lv29〉を食らいながらその長く太い腕を振り回した。


 周囲の岩山が弾け飛び、巨大な岩が飛んでくる。


 ドッピンッッ!!――ゴゴンッ!

 ドッピンッッ!!――ゴゴンッ!


 飛んできた大岩を〈ガンシャ〉で迎撃した。

 パンティーやアナルも剣で叩き落している。


 オリハルコンゴーレムは動きを止めると、また〈転移魔方陣〉へ向かって進みだした。

 先程削った頭部は既に修復されている。


 ここまで固いとは……、これでは何発撃ち込んでも致命傷を与えられない。


「なんという暴力的な強さ……、これがSS級モンスター、神話級か」


 クリトが呟く、そして――、


「ゼツ・リンダナ、時間が無い。プランGへ以降する!」


 プランG――、それは僕とノエルだけに伝えられた作戦。敵が圧倒的強大な力を持っていた場合、即座にこの作戦を発動する。でなれば街に甚大な被害が出るからだ!



 僕は叫ぶ!


「ノエルッ!








 ――合体だッッ!!」



 僕を見詰めるノエルは瞳に決意を宿し頷いた。


「クティブスキル〈異空間〉ッ!」


 クリトがスキルを発動させると僕達の目の前に黒い球体が現れた。


「皆、10分だけ時間を稼いでくれるか?」


「ゼツ様、何か策あるのですか?」


 パンティーの問いに僕は真剣な顔で答える。


「僕とノエルはこの球体の中に入る。そして10分後また出てくる」


「それに何の意味がありますの?」


 アターシャは理解できないと言いたげな顔をしている。


「戻ってきたとき、僕はヤツを倒せるようになっている……」


「そんなはず!バカげていますわ!それに10分なんて……、持ち堪えることなどとても……」


 不安そうに語るアターシャの肩にアナルが手を置く。


「アターシャ様、――坊ちゃんを信じましょう。……ゼツ様は信用に足るお方です」


 アナルのその言葉でここにいる全員の顔に覚悟が宿った。


「無理はしないでくれ」

「行ってきます」


 僕とノエルはそう言い残し、黒い球体の中に入っていった。



【クリリス視点】


「ボクはレベルは高いが戦闘職ではない。ここにいる面子でヤツを止めるのは不可能だ。ボク達も街へ先回りし、住民を避難させつつヤツを迎え撃とう」


 クリリスの言葉に皆頷くと速やかに移動を始めた。目指すは〈転移魔方陣〉。


 ――アエロリット様は仰っていた。


 レベル上限40【HNギャンブラー】のティッシュさんがレベル5の時、B級モンスターロックワームを1体倒しただけでレベル9へ上がった。

 例えばレベル3の者がB級モンスターを倒せばレベル8へ上がる。


 レベル上限5120のゼツ・リンダナにとってノエル様の【HRアークデーモン】はB級モンスターとほぼ同比率で経験値を稼げる。


 つまり、レベル298から一気にレベル800以上へ上がるのだ。

 レベル上昇によるステータスやスキル威力の向上は足し算ではなく比率で増加する。


 ならば、いけるはずだ。 ゼツ・リンダナならあのオリハルコンゴーレム倒せる!


 アエロリット様の指示に従い、私は街にいるであろう【SSR天使】から彼を守ることに集中しよう。




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