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アクティブスキル〈ガンシャ―ライフル〉



 メンバーは一所に集まり退路は無くただ怯え、震えている。


 四方八方から襲ってくるロックワームを〈聖光〉を纏い黄金に光輝くパンティーが切り伏せ弾き飛ばす。パンティーが撃ち洩らしたロックワームはアナルが切り伏せる。


 しかし、長さ10メートル、太さ、直径2メートルのロックワームの中に不規則に埋め込まれた拳程の大きさの核を壊せるわけもなく、切っても切っても再生してしまう。


「もぉッ! キリがないッ!」


 パンティーは嘆く。


 アナルは初めからロックワームを倒すことを諦め、MPを温存しながら戦っているが、パンティーはそうではなかった。


「MPが……、切れた」


 パンティーが呟くと、彼女の体を包む黄金の光が消えていく。



 ――――そろそろですねぇ。


「パンティー様、後はあたくしが引き受けます! 貴女が死んでは何も意味がないッ!一人でお逃げくださいッ」


 戦いながら叫ぶアナルの声を聞いてパンティーの手が止まった。


「アナル様なら…………」


 そう――、それで良いのですよ、パンティー様。

 残りはあたくしが引き付け、頃合いを見て脱出します。 残りのメンバーは助からないでしょうねぇ。 ですがここで死ぬわけにはいきません。



「パンティー様、わたくしだけは、どうかわたくしだけは連れて行ってくださいなッ!」


 アターシャが叫んだ。すると――。


「俺もッ!」

「僕もお願いしますッ!」

「パンティー様どうかお助けくださいッ!」


 他のメンバーもパンティーに向かって叫び出した。


「ちッ、なんと図々しい」


 アナルはそう呟くと――、ロックワームを蹴散らしながら叫ぶ。


「パンティー様、いいから早くッ!」


 あたくしも長くは持ちません。あと数秒、判断が遅れれば危険な状況になる。



 沈黙するパンティーに皆がすがるような目で注目する。


 うつむいていたパンティー、空を見上げると――――、


「うぁあああああああああああッ!」


 脳が焼き切れんばかりの大声で吠えた。


「ふっざけんなッ!逃げられるかッ!私は絶対に逃げないッ!



 ――――アクティブスキル〈限界突破〉ッッッ!!!

 ――――アクティブスキル〈聖光Lv7〉ッッッ!!!」


「いけない。そのスキルを使ってはダメですッ!」


 アナルの叫びは虚しく掻き消され、パンティーの体が再び黄金の光を放った。


 〈限界突破〉はMPの代わりにHPを消費するスキル。MPの3倍HPを消費する為、終わりの見えない戦闘では危険な状態に陥る。HPがギリギリなると僅かな攻撃で死んでしまうからだ。



【パンティー視点】


「うらぁあッ! やぁッ!」

 ――ザンッ!ギンッ!ダンッ!


 私は無我夢中で迫りくるロックワームに剣を振り続けた。


 死にたくないッ!死にたくないッ!死にたくないッ!死にたくないッ!死にたくないッ!


「ぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛ッ!」


 だめ……。HPが、限界。


 私の体から〈聖光〉の光が消える。

 すると急に体が重くなった。剣を持ち上げられない。足が前に出ない。視界が霞む。


 目の前には迫りくる巨大なロックワームの大群。

 アナル様が私の名前を叫び剣を伸ばすも、到底間に合う距離じゃない。




「うっ、うぅっ、んっ……」


 気付けば、私の目から大粒の涙がボロボロと零れ落ちていた。


 もうダメだ。 私は、――――死ぬ









【ゼツ視点】少し時間を遡って。



 僕達は歩きながら暢気に話す。


「さっきの地震はなんだったんだろうね?」とティッシュ。


「ティッシュが転んだから?」とノエル。


「喧嘩売ってるニャンか? アッチはそんなに体重おもくないニャン!」


「ふふふっ、ごめーん」


「もうッ! ――んん? 遠くから悲鳴が聞こえたニャン」


 ティッシュは猫耳をピクピクと動かす。


「僕には全く聞こえなかったけど……」


「私も……」


 ティッシュは足を止め、人差し指を立てて音を立てないよう指示を出した。



「やっぱり聞こえるニャンね。距離はけっこうあるけど、……あっちニャン」


 そう言いながらどこかを指を差す。

 周りは家屋よりも大きな岩に囲まれ見通すことはできない。


 パンティー達かもしれないな。


「ティッシュ、僕の背中の荷物に乗って」


 ティッシュは頷くと荷物の上によじ登る。


「しっかり捕まってろよ」

「んにゃーッ!」


 僕は一際大きな岩山をジャンプで駆け上がり、僕に掴まるティッシュはあまりの速さに悲鳴を上げる。

 ノエルは〈グラビティ〉で体重を軽くし僕の後を楽々付いてくる。







 岩山の上からティッシュが一点を見詰める。


「勇者様のパーティーがロックワームに襲われてるニャン。かなり危険な状況、……どうしよう」


「ダメだ。僕には見えない」


「〈暗視〉を使っても遠すぎて見えないわ」


 ダンジョンの中は星光石で照らされているが薄暗い。どれだけ離れているかはわからないが、僕には全く見えない。しかし微かだが、岩と岩がぶつかる音は聞こえる。


 二人と荷物をここに置いて全力で駆ければ、一瞬で助けに行けるが、その間にC級モンスターのブラッディバットが二人を襲う可能性がある。



 あのスキルを使ってみるか…………。


「アクティブスキル〈ガンシャ―ライフル〉ッ!」


 僕の手に160センチはあろう細長い〈ガンシャ〉が顕現した。


「「大きいガンシャ!(ニャン)」」


「新しいスキルだよ」


 〈ガンシャ―ライフル〉の上には望遠鏡のようなものが乗っていて、その中を覗くとパンティー達が戦っている姿が見えた。


 パンティーの体から金色の光が消え、彼女は地面に剣を立てて項垂れた。アナルが助けに入るが間に合う距離じゃない。


 これ、不味いぞ!


「僕の背後に立たないよう気を付けてッ!

 種転送、〈種強化Lv29〉ッッッ!!!」


 今僕が撃てる最強の”種”を〈ガンシャ―ライフル〉に転送する。

 そして僕はパンティー迫るロックワームの大群に向けてガンシャを撃つッ!


 ドッピュンッッッッッッ!!!!!


 物凄い射出のエネルギー、発射の反動で僕の背後に爆風が起こった。










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